「Music of Life」
CHAPTER1「青春のプロローグ」

CHAPTER1「青春のプロローグ」8

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SHRが始まり、担任の三芝和世が入ってきた。起立、礼が終わった後、和世の話が始まろうとした瞬間、ドアが開いて女の子が入ってきた。さっき誠良達が靴箱置き場ですれ違った間倉香奈である。

「ちょっと間倉さん。遅れてこんように」
「すいません」
和世の注意に、香奈は小さな声で謝り、出入り口側の席に着いた。その状況を美紅は腕を組みながら見つめる。

「ええ、今日はこの前あった課題テストの結果が帰ってきます。皆さんの結果が良くも悪くも、今後の課題を見つけ出し、次に生かしてください」
和世の話がそれ以後も続いたが、5分くらいで終わった。

朝礼が終わり1限目の数学の授業が始まる。
数学担当の下條は30代で天才肌だが、上目使いでナルシスト型の教師だ。下條が教室に入ってきた。
「ええ、今回のテストだが、学年全体で平均点が悪かったが、特にこのクラスは悪かった。おまえらもうちょっと危機感持たないと、行きたい大学に行けないぞ」
下條の冷やかな台詞に、クラスの雰囲気に嫌なムードが漂う。

話しが終わった下條は一人ずつ、答案を返す。
「間倉。なんだこの点数はちゃんと勉強したのか?」
「すいません」
下條の上目な発言に下を向く香奈。その様子を美紅はじっと見る。

答案をクラスの全員に返し終え、下條がテストの問題を説明しながら板書する。
全部書き終えた頃、美紅が下條に呼びかけた。
「先生。この問題正解じゃないんですか?」
美紅が答案を下條の下に持っていく。

「ふっ」
答案を見た下條は鼻で笑いながら、美紅に答案を返した。
「ふっ!て、先生」
「君はね。何でアルファベットで回答してるんだね」
下條が更に鼻で笑う。
「私日本語ある程度わかるけど、読み書きで文章表現って苦手な方なんですよ」
「だからって英語で書いていいのか?」
「だってこの問題。日本語で書いてくださいって書いてませんよ」
美紅の発言で、クラス中に笑いの渦が広まる。
「黙りなさい!」
下條が語気を強め、クラス中が静かになった。

「君は留学生だからって、日本にいるんだから、こっちのルールに従いなさい。それだけ日本語が話せるんなら、読み書きくらいできるだろ」
下條の上目使いなセリフに、美紅は口を尖らせて、席に戻った。
やがて数学の授業が終わり、下條の授業から解放されるクラスメイト。

誠良達は真岼の席に集まった。
「ねえ、カイ。これ正解でしょ?」
美紅が誠良に答案を渡す。誠良がじっと見る。
「そういえばそうだな」
「でしょ」
「でも日本語にちゃんと訳したら、正解だぞ」
誠良は美紅に答案を返す。

「そういや。美紅は何点だったの?」
統哉は美紅の答案をのぞきこむ。
「おお49点。いいじゃなーい。俺なんか39点だよ」
「自慢できる点数か!」
統哉の発言に里実が呆れた表情を浮かべる。

「そういえばカイ何点だったの?」
「俺はー51かな」
美紅が誠良に点数を問い、誠良が頭をかきながら答える。
「で、武流は45。里実は67。まゆが61ね」
美紅がうんうんと頷いた。

「ところで武流に統哉君。あんた達はこの点数ひどいんじゃないの!仮にもあそこで学んだんでしょ?」
里実が二人を睨みながら言う。

「俺数学苦手な方だけど、あいつの授業って難しいし」
「それは言えてるね」
統哉に続き、真岼も同調する。

「あいつさあ。米国で数学学んだって言うぜ。美紅がさっき英語でどうか言ったのもわかる気がするよ」
武流は美紅の気持ちをくんだ。

「そういえば、おまえの回答訳してみたら、こりゃ正解だよな。俺これわからなかったし」
誠良は美紅の答案を指さして言った。
「俺全然わかんないけど」
「でしょうね」
統哉は頭をかき、里実は更に呆れる。

誠良達が話してる最中に美紅の足元に紙が降ってきた。美紅が拾いあげると、驚いた表情になる。
「ええ、31点。誰だ。間倉香奈」
統哉は答案をのぞきこみ、声を上げる。気がつくと皆の前に香奈が立ってた。

「なんだ俺より悪いのがいたじゃん」
「統哉!」
統哉は香奈がそばにいるにも関わらず、笑いを手でこらえてるのを見て、美紅は語気を強め睨み、それを見て驚いて統哉は行為を辞める。

「赤点取らなかっただけでもいいじゃん」
真岼は香奈に笑顔を向ける。
美紅は答案を四つ折りにして、香奈のブレザーの右ポケットに入れて軽く叩く。
「そう。次頑張ればいいじゃない。ね
美紅はウインクをして右手で、香奈の肩を組み、右腕で香奈の右胸をポンっと叩いた。
それを観た誠良達は顔が歪み、香奈が小さく頷きながら、顔を赤くして、自分の席に戻った。

「あんたねえ。どさぐさにまぎれて、そういう事を!」
「ああごめん。いつもの癖が出ちゃったわあ
里実の右手を頭に載せ、ため息をつき、美紅が照れながら笑う。

「まーた出ちゃいましたか。美紅さん」
統哉はにやけながら、美紅に顔を向ける。

「なーにがまた出ちゃったわあだよ」
誠良は苦笑した。
誠良達の雑談むなしく、休憩時間が終わり、二限目のベルが鳴った。

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お待ちしてました

私の事は非公開にしたい部分があるので、私の秘密の事はそちらにコメントします。本当にありがとうございました。彼については多少修正します。

NoTitle

数学、物理は好きだったけど、点取れず。国語は苦手だったけどそこそこ成績が良かった学生時代を思い出しました。

青春のプロローグと書いてある通り、自身の青春を想起させられる物語ですね。
  • #97 小説と軽小説の人 
  • URL 
  • 2013.06/08 09:18 
  •  ▲EntryTop 

小説と軽小説の人さんへ

私は理数系に苦手意識を感じてましたね。文系は可もなく不可もなくと言う感じでした。
次の記事でもテストの答案が帰ってきて、美紅がまた何かします。

NoTitle

私は平均点が低いテストほど
結構高得点を取っている傾向があるので。
なかなかアレなんですよね。
国語は縦横無尽に9割以上点数を取っていましたが。
結局、最初から最後まで国語頼みで大学まで切り抜けた人ですからね。
・・・懐かしいですね。

LandMさんへ

国語は苦手な方でしたね。でも理数系はもっと苦手でした(笑)。
私は従来のテストより休み明けの課題テストや実力テストは何故か成績良かった方です。

社会科は得意な方でしたね。あれは高得点はとってた方です。

やっぱ小説書くには国語力が必要だと書いてて痛感してます(笑)。

国際色豊かな学校なんですね。
美紅さんは男女問わずモテていいですね~。私も学生時代それくらいモテてみたかった(笑)
そういえば、学生時代は成績が全てだったなぁ。この話を読んで高校生の頃を思い出して懐かしく思いました(^-^)

たおるさんへ

自分も学生時代モテる方ではなかったですよ。モテるのは悪くないけど、あんまり人が多いとちょっとと言うのがありましたね。

美紅は容姿だけでなく、人柄もいいから男女問わず好かれるんでしょうね。

国際色豊かにしたのは、私が学生時代は田舎の普通の学校だったので、卒業してから、国際色豊かな学校か何校が出てきたので、憧れを感じてました。それでこの話ではそういった学校になったのです。

私はこんな学校に行きたかったなって今でも思います。
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