FC2ブログ

「Music of Life」
CHAPTER3「悲哀の少女・後編」

CHAPTER3「悲哀の少女・後編」18

 ←CHAPTER3「悲哀の少女・後編」17 →CHAPTER3「悲哀の少女・後編」19(R18)
 土曜日の午後、自宅マンションの近くの公園に美紅がベンチに一人で座って待機していた。頭に長いウェーブ型のヘアーのかつらを頭にかぶり、化粧を濃いめにして、ルネットコンシェルジュの眼鏡を着用している。玉野も簡単には美紅と気づかないだろう。

通りすがりの人々は美紅の姿に目を向け、通り過ぎていく。ただでさえ、美形なのだから、化粧して大人の美貌を漂わせる雰囲気に男性が目をくれないはずもない。その中には少なからず女性もいたようだ。

美紅から見えない場所に武流と里実が変装してスタンバイしている。指定の時間13時半になり、玉野がやってきた。玉野は学校にいる時より、化粧を濃いめにして、オシャレもしている。武流はその姿を見て吹き出しそうになり、里実に咎められた。

美紅は玉野の姿を見て立って出迎えた。
「フラワーさんですね。ルーシーです」
フラワーとは玉野が使ってるサイトのハンドルネームであり、ルーシーは美紅の使ってるハンドルネームである。美紅と玉野は互いに右手でがっちり握手を交わした。

玉野は美紅本人と気づかずうっとりした眼で美紅を見つめる。
「ルーシーさんって綺麗。今まで会った女の人より一段と綺麗だわ
「それはありがとうございます。フラワーさんもお美しく、若々しいです」
玉野の賛辞に美紅もそれに答えるが、表情には出さず、内心は嫌な感じだった。その様子を盗聴器で聴いてた武流と里実は苦い表情をしていた。

「ねえ、何処行く?ホテルにする?」
「いいえ。近くに自宅があるので、そこに行きましょう」
玉野が浮かれた美紅に向け、二人は腕を組んで自宅マンションに向かう。

武流と里実は二人を遠くから盗撮していた。美紅の顔を極力表に出さず、玉野の顔が丸出しにするように映す。
武流が二人が自宅マンションに移動する姿を見て、携帯で誠良に連絡をとった。
「カイ。美紅と玉野が移動するぞ」
「わかった。すぐにここを出る」
誠良がそのように返事して、武流は携帯の通話をOFFにした。武流と里実は別方向からマンションに移動する。


一方誠良と真岼は305号室でカメラのチェックをしていた。
「どうだ音葉。感度はいいか?」
誠良が右耳に入ってる無線小型イヤホンで306号室のパソコンルームにいる音葉に画像と音の確認をさせた。
「大丈夫です。戻ってきてください」
音葉からのOKの確認をとった誠良と真岼は部屋を出た。
部屋を出て306号室に戻ろうとすると、意外な人物が目に飛び込んできた。それは麻果と祥子だった。二人が誠良達の方向へ歩いてくる。
誠良と真岼は壁に寄り添い、抱き合った。

二人が近くづくに連れ、まずいと思った二人は、
「誠良。キスして」
「・・フッ、いいねえ」
誠良は一瞬戸惑いながらも真岼と唇を交わした。二人のその姿を見た麻果と祥子は慌てた感じで早足で去っていった。

誠良と真岼は互いに唇を離し、真岼が小さな微笑みを向けた。
「ねえ、誠良。前にグッピーが本山君達に絡まれた事があったよね?」
「ああ、そうだな」
「私、グッピーが嘘でも貴方の事を彼氏と言った時にさ・・」
真岼が笑みを浮かべるも下を向く。
「言った時になんだよ?でも畑鏡の奴はそれでも構わないってグッピーに迫って来てたじゃん?」
「そうね。さっきはいいキスだったよ」
真岼は笑みを誠良に浮かべ、306号室に戻ろうとしたが、そこに変装した武流と里実が立って誠良達の方向を観ていた。

二人の姿に驚く誠良と真岼。
「おまえら何してんだよ?」
武流は頭をかきながら問う。
「観てたの?」
真岼が顔を赤くしながら、二人に叫ぶ。
「まあ、桐原先輩と祥子だったし、顔を見られたらまずいのはわかるけどね」
里実が苦笑しながらも理解を得ていた。

「仕方ないよ。峰島とはクラスメイトだしな。面が割れるのはまずいからね。ああいう方法は最適なんだ。突然キスしたところ見ると、後ろめたくなるものさ。でもまゆのキスはいいキスだったよ」
誠良は笑みを浮かべながら、真岼の尻を叩く。
「もう、馬鹿」
真岼は照れながら、誠良の背中を叩く。

「もう入ろうぜ。そろそろ美紅があの馬鹿玉野を連れてくるからさ」
武流がそう言って、誠良達は306号室に入った。


一方、麻果と祥子は隣の307号室にいた。桐原は麻果の名字。峰島は祥子の名字である。
「まか、結構いいとこじゃない?」
「ここの部屋は栗村浩輔と言う人で、あたしの遠縁の親戚の伯父なんだ。仕事の関係でここを借りてて、今日はいないから好きに使っていいって」
「うん。ホテル行くよりいいわね。タダだし、結構いいマンションだし」
麻果と祥子はソファーに座って談笑してた。
「でもさっきキスしてたところ見たのは驚いたね。大胆って感じだし」
「いいんじゃない。それほど愛しあってるって事よ。さあしょこ。あたし達も愛しあいましょう。その前にシャワーを浴びようぜ」
麻果は祥子の手を引いて、バスルームに向かった。


誠良達が306号室に入った15分後、美紅と玉野は305号室に入り、ソファーに座った。
「いい部屋ね。貴方結構いいところ住んでるのね。私の教師の給料じゃ、こんなところ住めないわ」
「人間、住めるところがあればそれでいいと思いますよ」
「ルーシーさん。いい事言うわね。うちのところの馬鹿生徒と大違い」
玉野は猫かぶってるが、毒舌は健在だ。

「ねえ、貴方を観ると興奮するわ。早く私を抱いてよ」
玉野が美紅にやらしい顔でよってくるが、美紅は人差し指で玉野の唇を優しく押さえる。
「先に体を洗ってきたらどうです。日頃の疲れを落とすにはいいわよ」
「そうね。そうするわ。一緒に入らない?」
「私はここでシャンパンの用意をしておくわ」
美紅がそう言って、玉野は口笛を吹きながらバスルームに向かった。玉野がバスルームに入っていくのを確認した美紅は玉野の鞄から携帯を取り出し、メモリースティックを玉野の携帯の差し込み口に入れた。データコピーが終わった後、美紅が上着から携帯を取り出し、メモリーカードスティックを携帯の差し込み口に入れ、携帯のディスプレイにタッチして、隣にいる誠良達のパソコンルームにデータを送信した。美紅は玉野の携帯を鞄にしまい、無線小型イヤホンが入ってる右耳に右人差し指を当てた。
「カイ。データはそっちに来た?」
「ああ、来たぞ。玉野はどうだ?」
「なんか学校にいるのと大違いで、テンション高いわ。でも憎らしい事には変わりない」
「頼んだぞグッピー。破廉恥なところだけじゃなく、自分のやった行いも聞き出せよ」
「わかってるわよ」
美紅は誠良の指示をそっかなく返した後、台所からシャンパングラス二つと冷蔵庫から冷えたシャンパンボトルを取り出した。片方のグラスに興奮剤と自白剤の二つを粉末にして入れる。

その時、玉野がバスルームから、バスタオルを胸から腰も辺りまで巻いて出てきた。
「フラワーさん。シャンパンでも飲みません?冷えてますよ」
美紅は二つの薬が入ったグラスにシャンパンを注いで、それを玉野に渡した。

もう片方のグラスにもシャンパンを注ぎ、互いのグラスの乾杯させ、互いにシャンパンを飲みほした。
「はあ、いいわね。なんだか興奮してきたみたい」
玉野がやらしい目つきを美紅に向ける。

玉野に薬が効き始めて、美紅にうっとりとした表情を向ける。
「ねえ、ねえ、早く私を抱いて頂戴」
玉野が美紅に寄りかかってきた。
「いいわよ。それじゃベッドにいきましょう」
美紅が冷笑を浮かべ、カメラがたくさんついてる部屋に玉野を導いた。部屋に入った美紅と玉野はお互いを向き合い、玉野は美紅にとろーんとした目つきで見つめる。
美紅は玉野に笑顔を向けるが、内心では玉野への憎悪で満ちていた。

美紅は香奈を傷つけた玉野にどのような制裁を下すのか?
よろしければポチッと
にほんブログ村 小説ブログ 学園・青春小説へ
にほんブログ村
にほんブログ村 小説ブログ 長編小説へ
にほんブログ村






スポンサーサイト





総もくじ 3kaku_s_L.png 私事
総もくじ 3kaku_s_L.png BLACK PARKA -ブラックパーカー-
総もくじ 3kaku_s_L.png 短編、SS、読み切り
もくじ  3kaku_s_L.png はじめまして
総もくじ  3kaku_s_L.png 私事
総もくじ  3kaku_s_L.png BLACK PARKA -ブラックパーカー-
総もくじ  3kaku_s_L.png 短編、SS、読み切り
  • 【CHAPTER3「悲哀の少女・後編」17】へ
  • 【CHAPTER3「悲哀の少女・後編」19(R18)】へ

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【CHAPTER3「悲哀の少女・後編」17】へ
  • 【CHAPTER3「悲哀の少女・後編」19(R18)】へ