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「短編、SS、読み切り」
性友(せいゆう)の契り

性友(せいゆう)の契り①

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私はとある省庁でキャリア官僚を務めている。一流大学を出て入庁し。出世のために日々忙殺される日々を送っている。それなりに実績を出し、出世をしていった。そして見合いであるが、妻と出会い結婚し、娘も生まれた。
家族のために働き、同期のライバル達に負けじと実績を出した。実績を出し、周囲から認められ、更に地位が上がる。地位が上がればライバルも減るが、その分責任が増し、心身共に疲弊し、やがて家族を顧みない事となり、家族との会話もなくなっていった。
私はその生き方に疑問を感じるようになった。

そんな時、仕事である男と知り合った。その男は企業や金融など多方面を手掛ける弁護士であり、私の仕事にもだいぶ助けられた。私もしだいに心を開き始めた。
とある時、私は彼がある場所によく行く事を知った。それは同性を求めるエリアの事だ。
私はそれを知った時、自分の奥底に封じ込めた何かが湧き始めた。

私は同性愛者である。少年期の頃から同性が気になっていた。でも当時は同性愛に寛容ではない時代。ネットもなく情報を収集するのは簡単ではない時代で、高校まで自分の中に留めて置いた。

大学に入り、同性愛者が集うエリアに足を伸ばし、やっと自分らしく生きられる場所が見つかった。恋人もでき体の関係も結んだが、将来を考えると、やがてそのエリアにも足を運ばなくなっていった。

それから時が経ち、同性愛に対して世間に受けいられるようになっては来ているものの、まだまだ根付いているとは言い難い。特に私のような堅い職業に就いているなら尚更だ。
だからこそ十何年も自分の性癖を奥に押し付け、同性愛の世界から離れていた私にとって、彼との出会いは真の自分をさらけ出す機会となった。

ある時、私はとある高級ホテルに彼を呼びつけ、二人きりになり、彼に自分が同性愛者だと告げた。
彼は少々驚いたが、お互い自分らしくいれる相手同士、距離が縮まるのは早く、そして彼に抱かれ、十何年封じ込めた思いが一気に解放された。
それからの私は彼との時間も許す限り、二人きりになれる場所で、彼と供に過ごし、彼と体を重ねるようになった。

彼は過去との経験から、特定の恋人は作らない主義で、私とはセックスフレンドのような関係になるのだろう。
私も若い頃ならモヤモヤ感が起こり、彼を独占しようとしていただろうが、これでも妻子ある身だ。だからこそバランスよく距離をとった関係を築いている。

彼が私の他にどんな男と関係を結んでいるかは私は聞かないし、彼も話さない。
彼と二人きりになれる時だけ、私は彼と恋人になり、愛し合えばいいと思っている。

彼とこのような関係になってから、じょじょに私の心境に変化が起こり始める。
家庭を顧みず、仕事に没頭し、出世や地位のために生きる事が全てではないと思い始めた。

以前は職業柄、妻に身だしなみ等などを強要したりして、妻との喧嘩も絶えなかった。娘がいるのと、出世に響くから、離婚までにはならなかったけど、だんだんと家族との会話が無くなっていった。私も仕事に忙殺されていたと言うのもあるが、家にも帰らなくなり、家族間との距離が開いていた。

でも彼との出会いにより、自分らしく生きる事を見出し、仕事も控えめになり、休日もきちんととるようになり、家族との会話を少しずつ増やし、ジムに通い運動するようになった。それから隠れてだが、彼を意識して肌の手入れをするようになった。

彼は色気のある男性が好みだ。私は自分でもわかるくらい肌が白く、産毛が目立たない方だ。子供の頃は女性みたいだと気にする事はあったが、今では彼が綺麗だと言ってるくれるし、色気あるこの体に感謝しているが満足はしていない。
40代後半の中年だし、腹が出てないか、白髪はないかとか、ムダ毛はないかと気にしたりもして、ムダ毛処理もしたりしている。

ジムに通うのもただ単に健康のためでなく、セックスのためでもある。
彼は抱く側であり、精悍な体つきをしている。彼はセックスの時、「セックスには体力が必要だから」と言うのが口癖だ。

抱く側の彼はさまざまなやり方で攻めてきて、抱かれる側の私はそれを受け止める。
常に攻める彼は体力を使うと言うのもわかる。でも私も彼の行為を受け止めるために、体力が必要なのだ。体力なければすぐに果ててしまい、彼との行為の時間も短くなってしまう。だからこそ彼の思いをより長く受け止めるためでもある。

それにセックスもコンディションがよくなければできない。何事でもそうだが、心と体に余裕があるからこそ、仕事や恋愛や家族サービスにも取り組める。
セックスもそうだ。愛を求めあうには、体だけ繋がるだけでなく、心も繋がっていく。
どちらかが欠けていれば、セックスは成立しなくなる。

彼とは頻繁に会えるわけではないが、彼をいつでも受け入れられるよう、常に万全の準備をしているのだ。誰かに言われたからではなく、自分で導き出したものだ。

私が仕事に没頭し、家庭を顧みず、さまざまな事を犠牲にしたのも、自分の性を封じ込めていたからかもしれないと思っても見た。
彼との出会いで色んな事の見方が変わり、気持ちに余裕が出てきた。だからこそ私にとって彼はかけがえのない存在である。

ある時、私は上司に呼ばれた。気持ちに余裕ができ、仕事も控えめになったのだが、出世にも興味をしめさなくなった。そんな私に地方への転勤が命じられた。役職は就くのだが、事実上の左遷で、出世コースから外れる事になる。

娘は大学に進学して家を出たし、大学は国立だし、学費の余裕もある。自分のやるべき事がある訳だし、気にする事もなかった。この事は妻に話すつもりだ。

私は家族にカミングアウトするつもりはないが、ある時妻のとある秘密を知り、これを機に、自分の事を切り出そうかと思うようになった。


妻の秘密をきっかけに
自分の性をカミングアウトをする決意をする。
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