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「短編、SS、読み切り」
性友(せいゆう)の契り

性友(せいゆう)の契り⑧

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私は部屋で彼に妻にカミングアウトした事を電話で話してる。
「妻に自分の事を話したよ」
『それでどうだった?』
「やっぱりそうじゃないかと思われてたみたい。妻も同性愛者だった」
『君の読み通りだったと言う事だな』
私は妻と同性愛者だと何処で自覚したか、彼との馴れ初め、そしてセックスの事を話した。

特にアナルセックスの事を話して、妻が心配してたと言ったら、彼が笑い始めた。
『はははは。でもいい奥さんじゃないか。君の事を心配してくれるんだから』
「そうだけどな。あんな大胆な事言ってくるとは思わなかったよ」
妻のこれからを思い、自分の事を洗いざらい話したが、妻のそんな一面に少しばかり戸惑っている。

『きっと奥さんも欲求不満だと思うよ』
「そうだろうな。妻は私の裸を偶然とは言え、ちら見をしたみたいだけど、それを見てうらやましがってたしな」
『そりゃ君は綺麗な体をしてるからな』
「君が色気のある男が好きだからね。自分もそれに合ってると思うし。でも悪いと思ったりもする。妻にも女と言う意地がある訳だしな」
『色気と言っても男としての色気だからな。君が体まで女になったら愛する事はないだろうしな』
「そうだな。体まで女になるつもりはない。妻も妻なりに頑張ってるよ。ジム行ったり美容行ったり、僕も偶然だが、妻の下着姿を見た時、白くて綺麗だったよ。やっぱ女だな」
私は私なりに妻の事を褒めた。

「ところで君は僕が長い休みをとるって言って、家族旅行にでも行ったらと言ったよな?」
『ああ言ったよ』
「それ妻に言ったら、君と過ごすべきだと言ってきたよ」
『奥さんわかってくれてるね。ただここちょっと忙しくてな。時間とれなくてね』
「無理にとは言わないよ。君には君の都合がある訳なんだし」
私は彼に抱かれたい気持ちは常にある。ただ心情的に余裕がないと体が重ねる事ができないと言うのが、お互いの考えだ。

『君はいつまで休みなんだ?』
「まだ具体的には決まってないけど、あそこには自分の仕事は減っていってるし、居場所も縮小してる感じだしな。一週間くらいはいけると思う。後は引き継ぎと自分の引っ越しだけすればいい訳だし」
『奥さんはついていかないのか?官舎だろ?』
「妻には自分の人生を歩いてほしいと言っている。ついていくかどうかは妻が決める事さ」
私は互いに性を告白して、妻が自分の人生を歩むんだったら、離婚する事もありだと思った。娘の事もあるが、それはうまく説明すればいいと思ってる。
だが私の事をからかい気味に言ってくる妻を見て、あの調子だと別れる事はないだろうと思った。

『奥さんに言って君がここまで晴れやかになるとはな。そんな君に会いたくなってきたよ』
彼のその言葉を聞き、私は心が躍り始める。
「でも大丈夫なの?仕事忙しいんじゃ・・?」
彼の言う事は勿論嬉しいが無理はさせたくない。

『ここ最近ずっと仕事詰めだったしな。君と話して休む事も必要だと思ってな。ここ二カ月くらい会ってなかっただろ?君を抱きたいと思っててな』
「え?本当に。僕も君に抱かれたいよ」
彼の“抱きたい”と言う言葉は私にとって心が晴れる言動だ。

『今すぐは無理だが、今月中にどこか空けておくよ。君とできるだけ長く過ごすためにな』
「じゃあ休める日があったら教えて。こっちも休みとるから。じゃあ愛してるよ」
『私も愛してるよ』
そう言って通話を終了した。

彼とはセックスが主で会う事が多い。彼と会うのは初めて抱いてもらって以来、一か月に一回、二回だったが、だんだんと頻度が減っていった。それに会って基本的にはセックスが主だから、夜に会って談笑して抱き合って、朝を迎えて、そのまま別れる事が多い。

場所はだいたい彼が用意してくれる。最初は私が誘っただが、それ以降は彼に任せている。互いの都合がつけば会う事になる。ただ会うのは実質半日くらいだ。互いに多忙と言うのがあるのだろう。
以前までは妻には出張と言って、彼のところに行っていた。もう出張だと言う事はないだろう。
今回彼がどれくらい時間が獲れるかわからないが、今まで長く過ごせるのは確かだ。
私は彼の事を考え心が浮かれていた。

後日、私は仕事の引き継ぎを行い、休みを申請して許可が通った。時期が来ての人事異動ではないから送別会はなかった。官庁は色々と多忙だからそう言う事をしてる時間はないとわかってるし、何より私自身彼に会える事が何よりなのだから。

後日、彼から連絡があり、二日くらいなら休みが獲れた事がわかり、私もその日ならOKと告げた。
彼と会う日取りが決まり、次の赴任先の引っ越しも荷物は向こうに送った。妻は官舎を出て別のところに暮らす事が決まった。娘には互いに同性愛者とは告げてないが、別居する事は告げるも、仲違いした訳ではないと強調し、帰って家族と過ごしたいなら、それは供に合わせると告げた。

そしていよいよ彼に会う日がやってくる。私はその日をずっと待ち望んでいた。


彼との時間に向かおうとする男。
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