FC2ブログ

「Music of Life」
CHAPTER3「悲哀の少女・後編」

CHAPTER3「悲哀の少女・後編」30

 ←CHAPTER3「悲哀の少女・後編」29 →CHAPTER3「悲哀の少女・後編」31
「あんた達どきなさいよ!」
真岼は行く手を阻む生徒達に怒鳴り声を上げるが、生徒達は無言でゴミや爆竹を誠良達を投げつけた。美紅は香奈に当たらないように、覆いかぶさるようにしてかばう。

「おい!この事動画に流すぞ!いいのか?」
誠良は右手で携帯を向けて威嚇する。生徒達は止まるが一人の男子生徒がライターで爆竹に火をつけようとするが、誠良は携帯を右の内ポケットにしまいながら、その男子生徒にすばやく駆け寄り、右手でライターを持っている手を掴み、爆竹を取り上げる。

「何すんだよ。返せよ!」
生徒は怒声を上げるが、更に誠良はライターを取り上げ、爆竹に火をつけて、誠良達の行く手を阻んでいる生徒達に投げつけた。爆竹は弧を描きながらパチパチと鳴り響きながら地面に落ちて行く。

「うわああ」「キャー」
男子、女子の悲鳴が上がり、四方八方に散っていく。屋上のドアの出入り口が見えた。
「さあ、間倉を連れてここから早く出るんだ。屋上の事を先生達に知らせて!」
「OK。サンクス。カイ」
美紅は誠良にウインクをして、真岼と供に香奈を屋上から出た。

「こらあ、逃がすんじゃなか!追いかけろ!」
屋上から出た真岼達を観て一美は散っていく生徒達に指示をする。追いかけようとする生徒達を誠良は阻止しようとするが、二人の男子と一人の女子をにがしてしまう。誠良はドアの前に立ちふさがり、行く手を阻む。

「Convey that there are three guys running after Satomi, eyebrows by an email(里実、まゆ達を追っかけてる奴が三人いる事をメールで伝えてくれ)」
誠良は里実に大声で英語で伝える。

里実は携帯を取り出し、すばやくタッチをする。
“カイが三人くらい逃がした。そっちに追ってくる人間がいる。ルートを変えながら保健室に向かって”と真岼の携帯に送信した。

里実は携帯をブレザーを右の内ポケットにしまい、音葉に近寄った。
「音葉!舞子がやばいよ」
「わかってます」
里実と音葉は身構え生徒達に突進していく。音葉は前に出て竹棒で次々と生徒達を倒していく。

「姉ちゃん強かね。」
応戦している隆矢が感心するが、音葉は無視するも先へ足を踏み入れる。

妙子は投げつけられた爆竹をよけそうとして尻もちをついてしまう。その隙を見逃さなかった数人の生徒達に蹴りを入れられる。それを観た音葉は竹棒を地面に置き、隆矢の右腕を両腕で掴む。
「おい姉ちゃん。何掴んでるとよ。俺に気があるとか?」
隆矢がにやけながら返すも、音葉は隆矢の右腕をねじ込んで、隆矢の体ごと妙子に群がってる生徒に投げつける。隆矢は叫びながら群がってる生徒に投げつけた。生徒達は隆矢がぶつかった衝撃で倒れて行く。
「私は貴方なんかに気がある訳ないでしょ」
音葉は隆矢に向けて吐き捨てる。

「おいおまえ。隆矢に何するとよ!」
隆矢が投げ飛ばされたのを観て、寛斗は右手で音葉の左肩を掴む。音葉は掴んでる寛斗と右腕を捻じ曲げ先程と同じ要領で群がってる生徒に投げ飛ばす。
「うわあああ」
寛斗は叫びながら、体ごとぶつかり生徒達は倒れて行く。
「私はおまえと言う名前ではありません」
音葉は寛斗に地面に置いた竹棒を拾いながら言い放った。

「音葉えげつないよ」
里実はこの光景を見て苦笑した。
「妙子さん。舞子さんへの道が開きはじめました。早く羽島先生と向かってください」
音葉に告げられた妙子は少し遅れて走ってくるシノと供に舞子の下へ向かった。

舞子は左手で柵を持って、爆竹やゴミを浴びている。制服が爆竹の関係で焦げてる箇所も数か所ある。舞子は妙子とシノがもみくちゃにされながら向かってくる姿を見て、自分のせいで傷ついてると思い、涙を流した。

「たえ、先生。ごめんなさい」
舞子は泣き顔を妙子とシノに向けた。そして投げつけられた爆竹が足元に落ちてしまい、舞子の足元で火花が散り、足を滑らせた拍子にもう片方の手も離してしまい、体が屋上からゆっくりと離れ、下へ落ちていった。

「まりりーん!」
妙子が落ちて行く舞子に手を伸ばしながらも叫ぶも、姿が見えなくなり崩れ落ちる。
その光景を見た生徒達は爆竹やゴミを投げるのをやめ、混乱状態となる。

「ま、まりりん。そ、そんな。うううううう」
妙子は崩れ落ちながら涙を流す。

「ま、舞子ちゃん。そ、そ、んな」
シノも崩れ落ちて涙を流す。

「くそー!」
寛斗は地面を蹴りながら叫ぶ。隆矢は無言で立っている。誠良は両眼を閉じ、顔を振る。

「お、おまえらがまりりんを殺したとよ!」
妙子が立ちあがり、涙を流しながら生徒に叫ぶ。しかし生徒は無言のままだ。

「違うとよ!おまえのせいとよ妙子。おまえがあたしらにした事忘れたとか?花蓮やあたしらを殴り、怪我させたから、おまえの変わりに舞子が生贄になったとよ。クラスを乱すものとして」
一美が立ちあがり、勝ち誇った表情を見せる。

「暴力振るったのは悪いと思っとっちゃけど、あんたらが日頃からまりりんに嫌がらせするからっちゃろ?」
妙子が涙ながら一美に反論する。

安恵が一美のところに走っていく。
「一美やばいよ。これは」
安恵が一美におろおろしながら一美に言った。
「大丈夫ばい。学校はこういう事にデリケートばい。事件があると保身に走るけんな」
「でもこれはやばいよ」
「おろおろするな。あいつが勝手に飛び降りたとか言えばいいとよ。クラスのみんなもそう思っとうよ」
一美は安恵にそう言い放つ。

「私はそうは思ってません」
その言葉に周囲は声のする方向に向く。それは音葉だった。

「音葉!どういう事ったい!おまえもクラスの乱す者か?」
「フッ。クラスを乱してるのは貴方ではないですか?一美さん。そしてここにはいない花蓮さんも」
音葉は鼻で笑う。

「花蓮は舞子の自殺を止めようとみんなに言ったとよ。おまえも聞いとっちゃろうが!」
「なら花蓮さんは今どこにいるのです?花蓮さんが今どうしていないか?疑問に思わないんですか?」
音葉は鋭い目を一美に向ける。

一美が反論しようとしたが、美波が音葉の前に来て先に口を出す。
「音葉。今それどころじゃないでしょ?私達やばいんだよ。そんな事もわからないの?」
美波のとげのある言い方に、音葉は鋭い目を向け、竹の棒の先で鋭く左腹を突いた。美波は倒れこみ、苦悶の表情を浮かべる。

倒れこんだ美波の下に竹森がやってくる。
「おい蒲生!なんて事するとよ。この事バレたら俺達やばいとよ。おまえは今クラスを乱す者ばい!」
竹森が倒れこんだ美波の体を支えながら、睨みつける。

「クラスを乱す者。笑止な!本当にクラスを乱してる人間は貴方達です」
音葉は鋭い目を生徒達に向け、更に言い放つ。
「高校生にもなってああいう事をやればどうなるかわかってるでしょ?それなのに流されて一人の人間を攻撃する。そしてこのような取り返しのつかない事態になれば、どのように罪を逃れるか画策する。まさに愚鈍!まさに低俗!このクラスの乱れた象徴をそのまま表してます」

「ふざけんな」「そうよ。あんな事なるなんて思わなかったのよ!」
音葉の言動に、生徒中から非難の声が上がる。

「貴方達が花蓮さんや一美さんの事が怖くて、意見できないのも仕方ありません。クラスと言う空間は狭いものですし、空気を読んで生活するものです。しかし今回のような事は一美さんの指示とは言え、下手したらどのようになるかわかっていたはず。しかし誰も反対の声を上げなかったのは、流されるふりをして一美さん達を利用して、自分達が楽しみたかった。そうではないんですか?」
音葉の意見に一美は意外そうな顔をした。生徒からの反論はあったがさっきよりは少なかった。

「香奈さんが何のために抵抗したんですか?香奈さんは貴方達よりも苦しい立場にいたんですよ。それを見てなんとも思わなかったんですか?私に反論があるなら言ってみなさい!」
音葉は目に涙をため、生徒達に言い放った。面と向かってはなくとも小声でひそひそと話してる声は聞こえてきた。

その様子を見た誠良は音葉に近寄った。
「音葉。こいつらこんなもんだよ。それよりも堀本の事が」
「ええ、そうです。舞子さんの安否を里実さんと確認をしてください」
「わかった。里実。来て」
音葉は言われた誠良は里実と供に屋上の手すりまで走って、下を覗いた。
「フッ。フフフフフ。ハハハハハ」
下を覗いた誠良は顔を震わせながら笑った。


誠良の笑いの意味とは?
舞子の安否の状態は?
よろしければポチッと
にほんブログ村 小説ブログ 学園・青春小説へ
にほんブログ村
にほんブログ村 小説ブログ 長編小説へ
にほんブログ村
スポンサーサイト





総もくじ 3kaku_s_L.png 私事
総もくじ 3kaku_s_L.png BLACK PARKA -ブラックパーカー-
総もくじ 3kaku_s_L.png 短編、SS、読み切り
もくじ  3kaku_s_L.png はじめまして
総もくじ  3kaku_s_L.png 私事
総もくじ  3kaku_s_L.png BLACK PARKA -ブラックパーカー-
総もくじ  3kaku_s_L.png 短編、SS、読み切り
  • 【CHAPTER3「悲哀の少女・後編」29】へ
  • 【CHAPTER3「悲哀の少女・後編」31】へ

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【CHAPTER3「悲哀の少女・後編」29】へ
  • 【CHAPTER3「悲哀の少女・後編」31】へ