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「Music of Life」
CHAPTER3「悲哀の少女・後編」

CHAPTER3「悲哀の少女・後編」31

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「兄ちゃん何が可笑しいと?」
寛斗が笑ってる誠良に対して、隆矢と供に睨みながら近づいて行く。誠良は親指で下を見るようなしぐさを寛斗と隆矢に向ける。寛斗と隆矢は下を覗いたら、舞子が陸上競技場用のエバーマットの下に倒れていた。

「おーい。妙子、シノちゃん。こっち来てー」
隆矢が崩れ落ちいる妙子とシノに手招きする。いったいどういう事なのかと周囲がざわめく。
妙子とシノが柵から下を覗き、二人は涙を流す。

「ま、舞子ちゃん。良かった」
シノは両手で口を塞ぎ、涙声を震わせる。

「間一髪ね」
里実は胸をなで下ろす。その言葉を聞いた誠良は里実と寛斗達から少し離れた場所に移動した。
「里実、おまえ知ってる風だな?」
「うん。武流と統哉君に反対側からのドアから開けてもらった時に、音葉が舞子に万が一の事があるかもしれないから衝撃を吸収するマットを用意して、下で待っていろと言ったのよ」
「だからあの二人いなかったんだな。そういう事なら言ってくれないと」
「だってこの状況じゃ難しいでしょ?それに敵を欺くなら味方からって言うじゃない?カイがよくやる手でしょ?」
「フッ。そうだな。でも状況がわからないから、あいつらに連絡をとってみる。だが、その前に・・芳野。羽島先生。救急車の手配を」
誠良は携帯を取り出し、操作しながら妙子とシノに方に顔を向けた。

そう言われた妙子は携帯を取り出した。119に電話する。三回のコールの後救急センターに繋がる。
「はい119です」
「あ、あのまりりんが屋上から・・」
「貸して妙子ちゃん」
シノは妙子から携帯を取り上げ、状況を説明した。


誠良は下にいる武流に連絡をとる。
「堀本の様子はどうだ?」
「落ちてきたけど、ピクリとも動いてない状況だな」
「そうか。どういう感じで落ちてきた?」
「屋上から離れた感じだったけど、近くに木が立ってるじゃん。その木の枝に左腕と左足をぶつけてこのマットに落ちてきた感じ。一応マットは陸上用のマットを二つ盗ってきたし、体育用のマットも盗って来た。盗ってくるの苦労したんだぞ」
武流が疲れて様な声で誠良に言い返す。

「そうか。ありがとう。大変だったな。堀本は動かさない方がいい。今羽島先生と芳野が救急車を呼んだ。他の人間に観られないように、堀本が見える場所に隠れて。そっちに二人が行くかもしれないから、二人が来るまでそこにいて。姿見えたらすばやくそこから去るように」
「わかった」
武流はそう返し、誠良は電話を切った。

シノは電話を終えて、妙子に携帯を返した。
「妙子ちゃん。下に行くよ」
「はい」
シノは妙子と舞子が落ちた場所に移動しようとする。

「おい、おまえら行かせるな!」
一美が生徒達に阻止を促すも、数人の生徒しか動かない。
「何やってるとよ。そいつら行かせたらあたしらがやばくなるとよ。わかっとうとか?」
一美が更に阻止を促すも、動いたのは美波、竹森、武美、水穂他数名だけだった。

「おい、シノちゃんが行くのを邪魔するんやったら、俺らが相手になるとよ」
隆矢が美波達の前に立ちふさがる。
「シノちゃん。妙子。早く舞子のところに行くとよ」
寛斗が妙子とシノに舞子の下へ駆けつけるよう促す。妙子とシノは走って屋上を出た。

一美は生徒達を睨みつけた。
「おい逃がしたら、どがん事になるかわかっとうやろ?あたしら終わりなんとよ」
「もうこのクラスは終わりです」
一美は生徒達に訴えるが、音葉は反論する。

「ふざけんなよ音葉。おまえも同罪だぞ!そんな事もわからないの?」
「ええそうです。だからこそみんなで責任とるんです」
美波の意見に音葉は同調めいた返答をする。

「さあ誠良さん。里実さん。ここから去ってください。後は私が」
「おいおい。おまえ一人の問題じゃないだろ?」
「そうですが、貴方達は香奈さんを取り返すのが目的でしたので。それにここに長くいると教師側から変に疑われます」
「それはそうだが、こんな事になってしまっては」
音葉の忠告に、誠良は不測の事態に立ち去るのを戸惑う。

「ならばやる事はわかってるでしょ?」
「こいつらの悪行を公開する事だが、いったんみんなを集めなきゃならないし、すぐには出せないぞ。それに西寺もここには来なかったしな」
「それに関しては心配いりません。貴方達が雇い主と言ってる者が彼女の居所を見つけました。花蓮さんだけ罪を逃す事は致しません」
誠良と音葉は小声で話す。その時、一限目終了のチャイムが鳴った。

そして屋上から教師達が姿を現した。

「おまえらこんなところで何してるんだ?授業さぼって」
下條が眼鏡のふちを上げながら、冷やかに問うた。

「さあ誠良さん。里実さん」
「わかっているが、この状況じゃ難しいな」
誠良は唇を噛んだ。里実は誠良に隠れて見えない場所で携帯の液晶画面を指で弾いた。

「今誰かがここから飛びおりたと聞いたぞ。おまえらが関係してるのか?」
「そんな違いますよ。あたし達は飛び降りるのを止めに来ただけです!」
下條の問いに一美が反論する。そして睨みつけながら周囲の生徒に目で合図を送る。何人かの生徒が、下條達に一美が主張した通りの事を言い始める。

「この期に及んで言い逃れか?」
誠良がため息をつく。

「先生方違います。ここにいる人達は処刑ゲームとかと言って、一人の女子生徒にこの柵を乗り越えさせて、そこに立たせて、数十人で飛び降りるようにあおったんです」
音葉が一指し指で、舞子の立ってた位置を指して、下條に告げる。

「先生、こいつの言った事は嘘です。あおったのはこいつです」
美波が音葉を指さして、教師側に告げる。音葉は呆れた表情になる。
「ならばあちこちに散らばっている火薬のにおいやゴミはどういう事ったい?」
松生が前に出てきて大声で叫ぶ。
「下條先生。松生先生。これを」
優花が携帯を持って、下條と松生、数名の教師に携帯を見せる。

「これはどういう事かな?」
下條が優花の携帯を持って、その画像を周囲の生徒達に見せる。
携帯の動画は舞子に対して、生徒達が爆竹やゴミを投げてる動画だった。舞子の顔はモザイクで覆われていた。
「あんた達何をしたの?」
優花が生徒達に怒声を上げる。

焦りが出た一美は携帯を観て、そして周囲の生徒達に顔を向けた。
「みんな散れ!」
一美の一声で生徒達が右往左往に散る。しかしその場から動かない生徒も数名いた。そこには立足、その光景を腕を組んで静観している理代もいる。

生徒達が散らばったのを観て、音葉は誠良と里実に顔を向けた。
「誠良さん、里実さん。この隙に行ってください。私はできる限りの生徒達を止めてみせます」
「悪いな音葉。おまえに不利が働くようであれば、俺達がなんとかする」
「わかりました。雇い主が貴方達に接触をはかると思います」
「わかった。それじゃ行くぞ里実」
音葉と別方向に分かれた誠良は里実と供に屋上の出口を目指した。
教師数名と生徒数十名は分が悪く、振り切って逃げる生徒もいた。

寛斗と隆矢が生徒数人を倒し妨害している。しかし女子生徒には手を出せなかった。そこに戸元がやってきた。
「おまえらこんなところで何しおっとや?」
「ゲッ!こもちゃん」
寛斗は顔を青ざめて言い、隆矢は苦笑する。そして戸元に首根っこを掴まれ連れ出された。

音葉は竹棒を地面に捨て、素手で生徒達の逃亡を阻止するが散り散りに逃げている事もあり、ほんの数人くらいしか逃亡を阻止できなかった。

誠良と里実は群衆に紛れた感じで生徒達の逃亡を妨害を阻止しながら、屋上を出て行く。


この様子を別の部屋で観てたタブレットで観ていた花蓮は、タブレットに映し出された画面を閉じ、部屋から出て行った。
「ふう、失敗かあ」
花蓮が廊下を歩いてると、タブレットに見慣れないアプリがあるのを発見した。
「何かしらこれ?」
そのアプリを触れると、画面から声がしてきた。
「何処に行くとよ。西寺花蓮さん」
その声に驚いた花蓮だが、気を取り直し。
「貴方誰かしら?私は今忙しいので」
「私はDと言う者ばい。貴方とちょっと話がしたくてね」
花蓮は聞きなれない名前に眉を潜めた。


花蓮に接触してきたDとは何者か?
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