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「短編、SS、読み切り」
京に咲く二つの華

第一話「出会い」

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京都・銀閣寺。春日和だが、まだ冷たい寒さが残っていた。金閣寺の敷地内の金閣寺垣をカルメンと言う女が一人で歩いている。

カルメンは薄茶のロングストレートヘアに端正な顔立ち、スラっとした身長に、すれ違う男性の観光貨客から目線を浴びていた。
「私を観るのはいいけど、男目当てじゃないのよ!」
カルメンはすれ違う男性観光客の視線に振り向きもせず、金閣寺垣を昇っていき、夕佳亭に辿りついた。

夕佳亭の中の畳に腰を下ろそうとしたが、一人で歩いている若い女性の姿が目に入った。
「おお」
鼻の下を伸ばし、カルメンは女性のところに駆け寄っていった。
「お嬢様。お一人ですかあ?」
「え、ええ」
カルメンの突然の呼びかけに、女性は戸惑いの表情を浮かべる。

「お一人でしたら、私と一緒に回りません?ユーはベリーキュートだし」
カルメンは女性にウインクをしたが、女性はひきつった表情となる。
「あ、あたし彼氏おるからええです。下に待ってはるし・・」
女性は苦い顔を浮かべながら、カルメンに丁重に断る。
「え?彼氏おるって?折ってどうすんの?」
カルメンの勘違い的発言に周囲はクスクスと笑う。
そんなカルメンに夕佳亭から一人の女性が笑いながらも、魅入るような視線を向け、カルメンもその視線を感じてた。

「もう堪忍してください」
女性は恥ずかしながら、カルメンの下から立ち去っていった。
「堪忍してください・・・?あ!ちょっと・・Wait a minute. Cutie pie(ちょっと待って!かわい子ちゃん)不去!(行かないで!)」
カルメンは英語、中国語で女性を引きとめようとするが、女性は足早に去ってしまった。
「It was a precious cutie pie(せっかくのかわい子ちゃんだったのにな)」
カルメンは頬を膨らまして、夕佳亭に戻っていった。

夕佳亭の畳に座ろうとしたら、一人の薄茶のロングヘアで40代くらいの女性が座っていた。カルメンの姿を見た女性は先程の行為を右手で押さえて笑い始めた。
「あー。ソーリー。ソーリー。変なとこ見せちゃってすいません」
カルメンは右手で頭をかきながら、頭を下げた。
「あははは。いやいや観てておもろかったから」
女性は右手を口から離して笑った。

顔から右手が離れたのを見たカルメンは女性の顔をじーと見始めた。
「え、何?何?」
女性は笑うのを辞め、カルメンの行動に一歩引いた感じとなった。
「さっき私の事見てませんでした?」
カルメンはニターとしながら、女性に問うた。
「そ、そりゃあ。あんたがおもろかったからや!」
女性は顔を赤くしながら答えた。
「おもろかったって何ですか?」
カルメンの問いに女性はガクっとした。
「おもしろいと言う事や!」
女性は苦笑しながら叫び気味に答えた。

「ああ、そう言う意味ですか?地方言語ってわかりづらくて」
「あんた外人さん?」
「そうですよ。香港出身でカナダ在住です」
「その割には日本語うまいやん?」
「うまいって?日本語っておいしいですか?」
「そんな意味ちゃうわ!アホ!」
カルメンの問いに、女性は顔を真っ赤にしてつっこんだ。

「話すのが上手って事や」
「ああ、その意味ね。私日本人の友達結構いる方ですから。それでさっきの質問。おもしろかったから私を見てたと言うのもあるけど、本当は別の意味で見てたんじゃないんですか?」
カルメンは人差し指を静かに女性に向け、女性は黙って下を向いた。
「貴方、もしかしてそうなんでしょ?私そういうのってわかる方なんです」
カルメンの言葉に、女性はゆっくりと顔を上げ、カルメンに顔を向けた。

カルメンと女性の出会い。
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~ Comment ~

こんばんは

こんばんは

短編・官能系とうかがい、気になってやってきました。

仕事のためPCを開くのは夜中の0時過ぎ。

ゆっくりと官能系を堪能させていただきますね(´∀`)

尾道貴志さんへ

コメントありがとうございます。
僕も仕事とかもあったりして、夕方くらいしかPCを開くことができませんね。
そういう事もあって、なかなか進まないと言うのがあります。
ゆっくりと読んでくださいね。

NoTitle

おや、新作ですか。なかなか言葉の掛け合いが愉快ですね。
ゆっくり拝見させていただきます。

青井るいさんへ

返事が遅くなってすいません。
これは息抜きプラス今やってる話の実験的な段階で書いたものです。
登場人物も少ないし、長編よりも楽な感じですが、キャラがあんまりいなかったらさみしいような気がします。
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