FC2ブログ

「Music of Life」
CHAPTER2「悲哀の少女・前編」

CHAPTER2「悲哀の少女・前編」2

 ←CHAPTER2「悲哀の少女・前編」1 →CHAPTER2「悲哀の少女・前編」3
 焼却炉の前に香奈が立っていた。焼却炉の燃え盛る炎の熱風に長い髪が揺れ動く。

「今日は何も言って来ないこないから、どうしたのかと思ったよ」
美紅が腕を組んで、香奈に声をかける。香奈は焼却炉の炎を見つけてる。
美紅が香奈に足に歩み寄り、香奈は両手に抱えているものを美紅に見えないように隠そうとする。美紅は香奈の肩を掴んで、美紅の方向に振り向かせる。美紅と一瞬目が合うが、香奈は目をそむける。

美紅は香奈の抱えているものを見て驚く。
「これ、制服じゃない!誰のなの?」
美紅が香奈を問い詰めるが、香奈は下を向いて何も答えない。

「そういう事ね」
真岼が二人の前に姿を現した。里実も一緒だ。

「舞子の制服が無くなったって騒ぎがあったみたいだから、追ってみたらあんたが持ってたのね?それどうする気なの?」
里実が香奈にゆっくり近づく、香奈の身がすくみはじめる。

「制服を燃やす気なの?あいつらにそう言われたの?」
真岼が香奈に詰めより、左手で香奈の右腕を掴む。
「あいつらは香奈に罪を着せる気よ」
里実は香奈に諭す。
「これを燃やさなかったら私がやられるから」
香奈が震えだす。
「どうして?自分さえ良ければそれでいいの?」
真岼が香奈に口調を荒げる。
「そ、そういう訳では・・」
「じゃあどういう訳なの?」
真岼が香奈の肩を揺らす。

美紅がその状況を観て間に入る。
「まゆ、もういいじゃない。言えない事だってあるのよ」
美紅は熱くなりかけてる真岼を制止する。

「ねえ、この制服返そう」
美紅が香奈に両手を差し出す。しかし香奈は震えながら拒む。
「心配しないで、貴方の事は言わないから。ね」
美紅が両手を差し出し、香奈に笑顔を向ける。その笑顔を観た香奈は下を向きながらも、舞子の制服を美紅にゆっくりと渡した。

受け取った美紅はお返しにと香奈にジャムパンを渡す。
「はいこれ、お昼まだでしょ?」
「ありがとう」
香奈は下を向きながらも美紅に礼を言って、足早にその場を立ち去る。

美紅が香奈の去っていく姿を観て、
「まゆ、里実。早めに手を打たないと、あの子が」
美紅は心配そうな表情を真岼と里実に向ける。
「わかってる」
里実はそう返して、三人は屋上に向かう。

一方屋上では妙子と舞子が昼食を取ってた。そこに冴が近づいて来る。
「舞子ちゃん制服どうしたと?」
冴が舞子の制服について聞く。

妙子が表情を変わて応答する。
「まりりんの制服どっかに隠されたんですよ」
「先生には言ったと?」
「次の授業があたしらの担任の授業だったけど、まるでその事に触れたくみたいな感じで、しかも制服が無くなった事、まりりんが悪いとか言うし」
「そっか。隠した人の心当たりはあると?」
「ない訳じゃないけど、証拠がないし」
妙子は沈んだ表情で返した。

冴が舞子に顔を向けて問い始める。
「制服はいつなくなったと?舞子ちゃん」
「は、はっきりと覚えてないんですけど、体育の時間で着替えるまではありました」
「着替えて教室を出たのは、いつ頃?その時、誰かいた?」
「覚えてないですけど、まだ何人かいたと思います」
舞子の答えに、冴は両手を閉じ、右手の指を三本くらい動かす。

その様子に妙子は首を傾げる。
「あのお先輩、どうしたんですか?」
妙子が冴に奇怪な行動を心配する。

冴は顔を上げ、両手を見開き、口を開く。
「妙子ちゃん、体育の時間は誰も遅れて来んかったよね?」
「え、ええ誰も遅れては来なかったですけど」
「誰かまでは検討がつかないけど、制服を取ったのは、他のクラスの生徒ばい」
「ええ!どういう事ですか?」
冴の発言に妙子は驚いた表情をする。

「だって体育に誰も遅れてこんかったんでしょ?妙子ちゃんの教室から運動場までそれなりの距離がある。休み時間中に移動しなければならないからね。誰かに観られないようにするなら、皆が教室を出てからにしなきゃいけない。だとしたら教室で授業の場合はチャイムが鳴って先生がすぐに来る訳じゃないから、その間に取りに行って隠す時間もある。次の授業に間に合うようにするには隣のクラスに絞られる。ただ妙子ちゃんのクラスの人間の中に手引きした人間がいるやろうね」
冴の推測に妙子は納得したように頷く。

「隣と言えば5組ばい。誰かはわかる気がする」
妙子は右拳をぐっと握るが、違う方向に目線をやると、寛斗と隆矢が他の女子生徒に絡んでるのを観て、怒りの形相で走っていく。その姿を観た舞子と冴は相変わらずだなって表情をする。

「じゃあ私も行くね」
冴は舞子に手を振って立ち去り、舞子が会釈する。
冴がその場を去って、少し歩いたら三人の女子生徒とすれ違った。花蓮と一美と安恵だ。三人は舞子の前にやってきた。

舞子に危機が!
花蓮達は今度は舞子に、
どんな嫌がらせを仕向けるのか?
よろしければポチッと。
にほんブログ村 小説ブログ 学園・青春小説へ
にほんブログ村
にほんブログ村 小説ブログ 長編小説へ
にほんブログ村
スポンサーサイト





総もくじ 3kaku_s_L.png 私事
総もくじ 3kaku_s_L.png BLACK PARKA -ブラックパーカー-
総もくじ 3kaku_s_L.png 短編、SS、読み切り
もくじ  3kaku_s_L.png はじめまして
総もくじ  3kaku_s_L.png 私事
総もくじ  3kaku_s_L.png BLACK PARKA -ブラックパーカー-
総もくじ  3kaku_s_L.png 短編、SS、読み切り
  • 【CHAPTER2「悲哀の少女・前編」1】へ
  • 【CHAPTER2「悲哀の少女・前編」3】へ

~ Comment ~

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

鍵コメAさんへ

この物語で不運に見舞われる人達は、決して一人ではないと言う事なんですよ。
危害を加える人間もいれば、支えてくれる人間もいると言う事を描いてます。
多くの人間が一人の人間を攻撃しても、一人でも支えてくれる人がいれば、生きようと思いますからね。

R指定は自分の範囲内で決めました。どういう内容かは観てもらえればわかります。

NoTitle

私は相当治安の悪い学校にいたので分かります。

制服がなくなるというのは実はものすごい大事です。
はっきり言って冗談じゃ済まされないことなんですよね。
制服は学校の秩序のもとであり、県の秩序のもとであり、社会の秩序のもとである。制服が盗まれるという行為は県に喧嘩を売った。そういう意味なんですよね。。。。

この事件をきっかけに、週に2回以上、警察が見回りに来ることに・・・・。

・・・ま、それで盗難事件がなくなるほど、
甘い中学校ではなかったのですが。

未だに、卒業式や運動会にパトカーが当たり前のように駐車されているのを思い出す。。。

本当に私のツボを押さえている素晴らしい作品です。

LandMさんへ

>本当に私のツボを押さえている素晴らしい作品です。
そう言っていただけるとは嬉しいです。

この出来事はLandMさんの過去を思い出させたんですね。本当に大変な学校だったんですね。

今はこういった事が起これば学校側が隠すでしょうね。査定とかあるみたいですし、校長の能力とかが問われるでしょうからね。

この作品は一件平和に見える学校も裏を返せば、どす黒い部分があると言う事を描いてます。

警察が来ると言う事はよほどの事だったんですね。
だから学校選択制と言うのがあるんでしょうね。うちの県はありませんけどね。田舎の学校ですから、人数少ないし、そう言ったのは起こりにくいのかもしれませんが・・。

まあいずれこの学校にも警察が介入してくる事になるでしょう。とんでもない事件が起こるので・・。
管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【CHAPTER2「悲哀の少女・前編」1】へ
  • 【CHAPTER2「悲哀の少女・前編」3】へ