「Music of Life」
CHAPTER2「悲哀の少女・前編」

CHAPTER2「悲哀の少女・前編」3

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 花蓮達は嫌な目つきをしながら、舞子を見る。三人の姿を観た舞子は目をそらした。

「舞子ちゃーん。制服見つかった?」
花蓮が不敵な笑顔で、舞子に聞く。
「そう、まだ見つかってないんだ。だったらずっとジャージのままね」
花蓮は舞子に対し、悪意に満ちた言動を言い放ち、それを聞いた一美と安恵が笑いだす。

三人が舞子に向けて憫笑してる最中、花蓮の右腕が何者かに掴まれる。花蓮が後ろを向くと妙子だった。

妙子は顔を強張せている。
「やっぱり、おまえらが制服とったんやろ?制服どこにあるか言え!?」
妙子は怒声を上げて、花蓮の腕を掴み、力を入れ始める。花蓮の表情が痛さで歪んでいく。
「妙子、勝手に決め付けるなよ!あたしらがやった証拠があんのか!」
安恵が妙子に絡みだす。舞子はその状況を見て、苦い顔を浮かべる。

「じゃあ何でまりりんのところに来るんか?昨日の事といい、おまえらがやったと考えてもおかしくなかろうが!」
妙子が更に力を入れる。花蓮が更に痛みで表情が歪む。

「妙子いい加減にするとよ!あたしらがやったって証拠あんのか?」
一美が妙子のブレザーの左袖を右手で掴みだす。

この状況に周囲が妙子達の方向に目を向け始めて、その様子を見ている一部の摩果と祥子は
「やばいよまか、あれ」
「構わない方がいいよ。下手したらうちらまで危害が及ぶかも知れないし、あたしらの関係も」
「そうだね」
祥子はそう言われて妙子達から目をそらす。

妙子達は一触即発の状態である。
「妙子、花蓮から手離せよ!制服が見つからんのやったら、もう燃やされてるんじゃなか?」
一美の発言に安恵は甲高い笑いを上げる。

妙子は怒りに震えるが、その時、妙子達の前に冴が姿を現す。
「あんたらまるで知ってるような言い方ちゃね」
冴が花蓮達に言った。

「あんた誰よ。関係ないでしょ?」
「あんた?君は2年でしょ?先輩達に対しての口のきき方知らんと?」
安恵が冴に絡むが、冴は不敵な笑みでかわす。
「先輩には関係なかでしょ?引っこんでてください」
一美は冴を睨む。

妙子と舞子は冴の突然の出現に驚いた表情だ。
「妙子ちゃん。手を離してあげるとよ」
「しかし」
「離してあげて!」
冴は妙子に口調を強くし、妙子はしぶしぶと手放す。

妙子から腕を離された花蓮は掴まれてた腕を振りながら、冴に近づいていく。
「それでは先輩。何で私達が制服のありかを知ってると思うんですか?」
花蓮が冴に冷ややかな笑みを浮かべる。
「燃やすって言ったからとよ」
「だからそれが何ですか?」
冴の言葉に一美が返す。

「知らないのなら、捨てると言う表現を使うとよ。燃やすと普通使わないとよ。燃やすと言ったのは、制服がどうなるか、事前に知ってたって事じゃなか?それにさっき私が舞子ちゃんと話してる時に、ドアの傍から隠れて見てたでしょ?視線を感じてたけど」
冴が腕を組みながら説明する。

一美と安恵に焦りの表情が見え始めるが、花蓮は動じない表情をする。
「ふーん。おもしろい推理ね。それだけじゃ私達が制服を隠したって事にならないわよ」
花蓮は冷ややかに返すが、冴は両目を広げ、顔を上げ、笑みを浮かべる。
「何で隠したって言うと?私は隠したって言ってなかよ!燃やすと言ったとよ。それが何で隠したって事になると?」
「いえだから、さっき隠したって言ったじゃないですか?」
花蓮は焦りを見え始める。

「花蓮。先輩は隠したとは言ってないとよ」
妙子は花蓮に強気で言い放つ。冴は笑顔を浮かべる。

「わ、私の制服、返して」
舞子が声を震わせながら三人に言い放った。
「だから知らんっていっとろうが!」
一美は舞子に怒声を上げる。

「制服ってこれですか?」
妙子達の前に美紅が舞子の制服を抱えて現れた。

妙子は美紅の前に走りだす。
「これどこにあったと?」
「焼却炉の前に捨てられてたよ。誰が捨てたかわからないけどね」
真岼が妙子にそう説明する。説明を聞いた妙子は美紅から制服を受け取り、舞子に渡した。

「あいつ!」
一美は舌打ちをしたのを観て、冴はそれを見逃さずに一美に顔を向ける。
「あいつって誰?誰かに頼んだと?」
「誰でもいいやろ!」
一美は冴に怒声を上げる。

美紅は花蓮達の前に立つ。
「貴方達、そういう事を誰かにやらせるんだったら、自分でやれば?」
「なんやあ」
美紅が花蓮達に笑みを浮かべ、一美が絡む。
「一美、ここは引きましょう」
花蓮が一美を制止し、ここを立ち去ろうとする。

妙子が花蓮が去ろうとする花蓮達に顔を向け、
「こら、ちょっと待て!おまえらまりりんに謝らんか!」
妙子が三人を追いかけようとするが、冴に制止される。

冴は舞子に顔を向ける。
「舞子ちゃん。この事を先生に言う?」
「いいえ、もう制服も戻ってきたし、いいです」
「そっか」
冴は舞子に笑顔を向ける。

立ち去ろうとする花蓮達に美紅は
「貴方達、その制服盗んだ子に制裁を加える気?だとしたら許さないわよ!」
美紅は三人に鋭い目を向ける。

一美、安恵はその目に血の気が引くが、花蓮は動じずに、
「楽しみね。あはははは」
花蓮は笑いながら、一美、安恵と屋上を去って行った。

美紅の前に誠良、武流、統哉が姿を現した。
「どうやらこりないみたいだな」
「どうするの誠良?」
真岼が誠良に聞く。
「あの三人に警告メールを送れ。それと武流。間倉の身が心配だから、おまえが影で見張ってて」
誠良は真岼と里実に警告メール、武流に影で香奈の見張りを頼んだ。

その日の放課後、花蓮、一美、安恵の携帯に警告メールが受信される。
”おまえらのやってる事は知ってる。我々はいつでもお前達の事を見ているぞ”と言う内容だった。

花蓮達はその事で、学校の階段の踊り場に集まってた。
「ねえ、やばいよ花蓮。昼の事もあるし、誰かに見られてるんだったら」
安恵があたふたとする。
「今更何怖気づいてるの?これを見なさい」
花蓮は携帯のサイトを見せる。

それは琴美が掲示板に書いた舞子に対しての賞金だった。
「昨日、サイトを覗いた時に観たの?私は舞子の事が1年の時から、気に入らなかったけど、妙子が近くにいてなかなかできなかったわ。コンクールで優勝して、丁度いじめようとって時にサイトでこれを発見したの?これは彼女を虐げるきっかけになるわと思ってね。それに賞金が100万よ。気に入らない奴を追い詰めて、金がもらえるなんて最高じゃない」
「そっか、だから舞子に対して、急に激しくなったとか?でもこんなの誰が舞子に賞金かけたとよ」
「それはわからない。でもこれほどの金をかけると言うのは、それなりの金持ちで舞子を怨んでる奴ね」
一美の質問に花蓮は笑みを浮かべながら答える。
「そうか舞子を追い詰めて、動画とかを送れば、金もらえるかもって事なのね」
安恵は笑いが止まらない。

「あたしは妙子の方が気に入らんけどな。舞子をやるにしてもあいつが近くとなるとそう簡単には?それはどうすると?」
「妙子のガードを外す方法があるわ。少し時間がかかるけどね」
一美は妙子の事で不安になるが、花蓮は大丈夫と言わんばかりの表情だ。

三人の話しを壁伝いに聞いてた音葉は携帯で、何者かにメールを送信する。宛先はDとなっていた。
三人はその場を去り、音葉もその場を去った。

花蓮の悪事は止まらない。
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~ Comment ~

NoTitle

すぐにポロっとボロを出す花蓮たち。
あまり賢い子達じゃなさそうなので、きっとすぐに悪事がばれますよね。
(すぐにバレて欲しいという願い、強し)
音葉は、どんな動きをみせるんでしょう。

limeさんへ

音葉は誠良達の仲間ですが、今は距離を置いてます。
今私は花蓮達の悪事が公になるシーンを描いてます。
この話からはまだだいぶ先ですけどね。

NoTitle

燃やそうとまでするとは悪質ですね;;
お金が絡んだせいで、いじめの欲望に
拍車がかかっちゃったんですね。
舞子ちゃん……負けないで;;

椿さんへ

コメントありがとうございます。
お金が絡むと人間おかしな方向へ行ってしまいます。
これを描いてる時は自分でも辛いと思いました。
第三者から観ると花蓮達は憎むべき存在ですが、こういうキャラがいないと物語が成り立たないのも事実です。
舞子の応援ありがとうございます。
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