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「Music of Life」
CHAPTER2「悲哀の少女・前編」

CHAPTER2「悲哀の少女・前編」13

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寛斗と隆矢は洋介と対峙してた。
「おい、おっさん!琴美って奴に会わせろよ!」
寛斗は洋介に強い口調で言うが、洋介は沈黙のままだ。
「おっさんって!草又さんはまだ20代後半だぞ」
茶髪男は寛斗の態度に苦笑する。

寛斗は一歩前に出た。
「無視か?ならば力ずくでも、会わせてもらうばい!」
寛斗は洋介に右ストレートを放つが、洋介は左手で寛斗の右腕を掴み、左手を思いっきり振った。
「うわああああ!」
洋介は寛斗を体ごと放り投げ、叫び声と供に寛斗が吹っ飛ぶ。寛斗の体が樹木に当たり、寛斗は樹木を背にしたまま、ずり落ちてしまった。隆矢はその光景に唖然としている。妙子と冴は目を逸らす。

「やるっちゃね。パワー勝負なら負けんとよ!」
隆矢が渾身の左ストレートを放つが、またも洋介に右手で掴まれてしまう。洋介は寛斗と同様、振り飛ばそうとしたが、隆矢が右ストレートが洋介に向かってきた。洋介は右腕で隆矢の左腕の位置を体ごと動かし、隆矢の右ストレートが外させた。
「やばかあ!ぐへぇ!」
洋介の左足の蹴りが、隆矢の腹に命中する。隆矢は両手で腹を押さえ、その場で沈んでしまう。洋介は無表情のままだ。

「まあこの程度だな。草又さんにかかれば」
ピアス男は安心したような表情だったが、その瞬間、寛斗が洋介めがけて走ってきた。
「草又さん。後ろです」
茶髪男が洋介に大きな声で注意を促すが、寛斗はその瞬間、右フックを放つ。洋介は左で掴もうと手を伸ばすが、その瞬間、寛斗は右フックをひっこめ、左フックをを放つ。洋介は寛斗の左フックを左足で回避すると供に前蹴りを放つ、その瞬間、寛斗は右足で後ろに下がるが、前蹴りを腹に食らってしまう。
寛斗は立ったままだが、左手で腹を押さえている。

「おい、おっさん!」
隆矢が右拳を振り上げ、洋介に放つが、右腕を掴まれてしまう。しかしその瞬間、隆矢は左フックを放ち、洋介の腹に命中する。しかし隆矢は青ざめた表情をする。
「なん、このおっさんの腹!堅かね!」
次の瞬間、洋介の左フックが隆矢の顔面に放たれ、隆矢の口から血が飛び出す。隆矢はそのまま倒れる。

「隆矢!」
妙子は隆矢に向かって叫ぶ。冴は唇を噛む。

「終わりだな。もう一人の奴も、そろそろか」
ピアス男は腕を組む。寛斗が洋介に突進する、洋介の右拳が放たれるが、寛斗はかわす。しかし、左拳が寛斗に向かってきた。それも瞬時にかわす。洋介の連続攻撃に寛斗は俊敏性を保ち、かわし続けるが、寛斗に反撃の機会を与えなかった。

「あいつ、運動神経がいいが、このままだと草又さんにぼこられるのも時間の問題だな」
茶髪男が不敵な笑みを浮かべる。
その予見通り、洋介の拳が寛斗に当たり始める。それと同時に寛斗はじょじょに動きがにぶくなる。
洋介が動きの鈍った寛斗に渾身の右ストレートを寛斗に放った瞬間、洋介の右手の甲に何かが刺さる。隆矢が右手で弾いたピックだった。
隆矢は痛みで歪んだ表情をしながら立ちあがり、右手がピックを弾いた後のように、親指と人差し指が伸ばしたままになっている。寛斗はこの瞬間を逃さぬと右足でスイングを利用した蹴りを放ち、左わき腹に当たった。洋介は一瞬よろめくが、すぐに左ストレートが寛斗の顔面に命中した。寛斗はその場で倒れた。

「決まったな」
ピアス男が笑みを浮かべるが、寛斗が立ちあがるのを見て、すぐに驚いた表情になる。
「あいつ、立ちあがった。それにもう一人も奴も立ったままだ」
茶髪男は二人に驚く。

寛斗と隆矢は劣勢ながらも、二人の顔は闘志にあふれ、笑みを浮かべていた。
「おっさん。俺らは本当は2対1は好きじゃなかとよ。タイマンを好む方でな。だが、おっさんを見た時、2人じゃないと勝てんと思ったばい。悪く思わんでよ」
「そうたい隆矢。こんなに燃える喧嘩は久しぶりっちゃね」
隆矢の言葉に寛斗も続く。

「全くあの二人は何が楽しくて、喧嘩するんやろうな」
妙子は二人の行動に呆れる。
「まあ男の子だからね。私は喧嘩とかわからんけど、あの二人は言葉じゃなくて体でぶつかっていく事によって、人と言うのがわかるんやないかな。喧嘩慣れしてると言うのがあるけど、あの二人考えながら戦ってるって感じばい。二人で戦って息が合ってる感じだし」
「どうですかね?ただの脳みそが筋肉になってるだけのような気がしますけどね」
冴の分析に、妙子は腕を組んで答える。
「でもあの二人が勝てる相手じゃないのは確かっちゃね」
冴は腕を組んで頷く。

「草又さん。もう終わらせてくださいよ」
茶髪男が洋介に叫ぶ。洋介が茶髪男に一瞬気をとられた。その隙を逃さなかった隆矢は左ストレートを洋介に放つ。洋介は右腕で隆矢の左腕を掴む。しかし隆矢はそのまま、洋介の体を寄せて、アッパーの要領で、右拳を放ち、渾身をかけた右拳は洋介の腹に命中する。
渾身をこめた一撃だったのか、洋介は膝をつき、隆矢は掴まれた左腕を離す。その瞬間、寛斗が回転をかけた右ソバットを洋介の顔面に放った。回転の勢いをまともにくらった洋介は、その場で倒れる。

「草又さん!」
茶髪男は洋介に心配するような表情で叫ぶ。寛斗と隆矢は手ごたえありの表情だ。しかし、洋介が首を振りながら起き上がった。寛斗と隆矢の表情は口をぽっかり開いたままだ。茶髪男とピアス男は胸をなで下ろす。

「少しは効いたな」
洋介は首を振りながら、二人に無表情な顔を向ける。
「おっさん。しゃべれたと?」
隆矢が洋介の声に驚く。
「当然だろ。草又さんは口数が少ないだけだ」
ピアス男は二人に反論する。洋介が立ちあがり、二人に鋭い目を向ける。

「キャー!喧嘩よ」
通りかかった中年女性が悲鳴を上げる。
「草又さん。ここは引きましょう」
茶髪男は洋介の下にやってきて説得する。ピアス男も遅れてやってきて、この場を去ろうとする。

「おい何処に行くんか?勝負はまだついてなかよ!」
寛斗は洋介達に叫ぶが、洋介達から反応がない。

寛斗と隆矢のところに妙子と冴がやってくる。
「二人ともここまでばい。警察が来たらやっかいな事になるとよ」
「まだ終わってなかとよ」
「あのまま続けてもあんたら二人に勝ち目はなかとよ」
冴は二人を説得するが、二人は譲らない。

妙子が寛斗と隆矢の前に一歩出て、
「おまえら、伯父さんに喧嘩した事知られてもいいと?」
妙子の言葉を聞いた二人は苦笑する。

「君達、この事や琴美様の事は忘れろ。いいな!」
茶髪男は寛斗達に忠告した後、その場を去った。

去るのを見届けた四人は、
「さあ、私達もいくばい」
冴の言葉で、寛斗達もその場を去った。

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~ Comment ~

NoTitle

強い人が出てきましたね。渋くてカッコいい感じですが。
琴美ちゃんは想像以上に大人に囲まれて生活しているようですね。
お嬢様みたいだけど、自分の生活がないのかな? と思ったり。
あんな書き込みをしてしまった彼女ですが、
その環境とこれからどうなっていくかが気になります。
寛斗くん、隆矢くん、相変わらず良いですね。

椿さんへ

寛斗と隆矢は常任離れした強さを持ってますが、何も考えず、無鉄砲ですからね(笑)。
いくら常任離れした二人でも、草又はプロですから、叶わないんです。

琴美は端から観れば、かなり恵まれた生活をしてますが、ある事を抱えているため、少々歪んでしまっているのです。だから状況判断が低下し、ああいった書きこみをしてしまったのです。
これからどうなるのかは?先を読んでみてください。
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