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「Music of Life」
CHAPTER2「悲哀の少女・前編」

CHAPTER2「悲哀の少女・前編」21

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屋上には更に教師がやってきて、下條もその中にいて、体格の良さそうな松生と言う教師もいる。
「何の騒ぎだね?」
下條が冷たい感じで皆に問う。
花蓮が意識を失って壁に寄り掛かってるのを見て、松生は走っていった。
「おい、大丈夫か?」
松生は花蓮の肩を揺らしながら呼びかけた。花蓮は意識を取り戻しかけ、目を開ける。

下條が他に傷だらけの生徒達を見て、隆矢が倒れてるのには意外な表情をした後、周囲の人間に問い始めた。
「喧嘩って訳か?誰が誰としたんだ?」
「あたしがやりました」
妙子は舞子の胸元から顔を離し、下條に言った。
「誰とやったか察しがつくがね。西寺、衛原、石岡とだな」
下條は一美、安恵の顔を向ける。
「あたしら何もしてないのに、妙子が殴ってきたとよ」
一美が下條にそう訴える。

一美の言い分を聞いた冴が舞子のところに行く。
「舞子ちゃん、携帯貸して」
舞子は壊された携帯を冴に渡す。近くにいたシノと優香は舞子の携帯を見て、ヒビの入った液晶画面を見て驚愕する。

シノと優香に携帯を見せた冴は下條の方へ顔をやる。
「下條先生、妙子ちゃんが怒ったのは、彼女達が舞子ちゃんの携帯を壊して、謝らなかったからです」
冴が下條に舞子の携帯を見せて訴える。
「誰が堀本の携帯をこわしたんだ?」
下條は眼鏡のフレームを右人差し指であげて問うた。

「言ったらどう?二人とも」
里実は腕を組みながら、白状をさせる。
「事故だったんです。香奈が携帯落としたから」
安恵はまだ自分が悪くないような言い分をする。

誠良が安恵の言い分にため息をついた後、武流に向かって小さく頷く。
武流はブレザーのポケットから一美の携帯を取り出し、動画で一美が香奈を押して携帯を落としてるところを下條に見せた。

その動画を観た一美は、
「あんな押しで携帯落とすなんて、香奈もどうかしてるとよ」
「全く次から次へと自己弁護できるな。君達は」
一美の言い分に誠良が頭を抱えながら呆れる。

「間倉、押されて携帯落としたのか?」
下條が香奈に問う。美紅が香奈の方を見る。

香奈は唇を震わせながら、下を向く。
「は、はい、そうです」
「強く押されたか?」
「そ、そんなに強く押されなかったと思います」
「落とした拍子に携帯が壊れたと言うのか?」
下條の問いに、香奈は小さく頷く。

香奈の返答を観た美紅は、香奈の前に立つ。
「香奈、何言ってるの?違うじゃない!その後、誰かが踏んで壊れたんでしょ?」
香奈の返答に、美紅は両手を香奈の両肩に乗せ、強い口調で訂正させるも、香奈は目を逸らした。

「さっきの言った事と違うな。誰が踏んで壊したんだ」
下條が誠良達に問う。

「か、香奈が落としたはずみに、あ、あたしが踏んでしまったんです」
安恵が声を震わせながら証言した。
「わざと踏んだのか?」
下條が眼鏡のフレームを上げながら、安恵に問い詰める。
「い、いえ事故なんです」
安恵が下を向きながら言った。
「全く!まだしらを切るつもりですか?」
音葉は一美と安恵を睨む。

「下條先生。まりりんは、まりりんは彼女達に以前からいじめにあってるんです!」
妙子が舞子の現状を下條に訴えた。
「と言う事はお前達が嫌がらせをして、芳野が怒ったと言う訳かな?」
下條は安恵と一美を見た。妙子が「そうです」と答えた。

「事故だって言ってるでしょ!いじめとか何の事よ!」
安恵がまた言い訳をする。
「じゃあ、俺達を殺そうとする事についてもしらを切るつもりか?」
誠良が二人に睨みを利かせる。

「ちょっと待って、楷真君達も喧嘩したん?」
優香が驚いて誠良達のところにやってくる。
「ええ、でも俺らは堀本の事とは関係ありません」
誠良が優香に答える。
「香奈・・間倉さんの事で彼女達と揉めてました」
真岼が優香に言った。

真岼は更に続ける。
「堀本さんの携帯を壊したのを、香奈がやったとでっちあげようとしたんです」
「だから香奈が落とさなかったらこうはならなかったと言ったでしょ?」
安恵はこの期に及んで、まだ自分に非がないと言い張る。

冴が武流のところにやってきた。
「武流、携帯の動画見せて」
武流は一美の携帯を渡した。冴は一美が香奈を押した映像を観て、表情が曇る。

「先輩どうですか?」
「確かに体ごと押してるけど、これじゃ強く押したのかどうかこれではわからんちゃね」
冴が動画を見て、武流の質問に答えを言った後、武流に携帯を返した。
「久杉、携帯返せよ!」
一美が武流に怒声を出すが、その言葉に耳を傾けずに武流は親指で操作して出てきた画面を下條と優香に見せる。
メールの内容は「全員、屋上に来い。やってほしい奴がいる」だった。

そのメールを見た優香は、
「衛原さん。これどういう事?」
優香に携帯の内容を見せて、問い詰める。
「いやだから、その・・」
一美は言葉が詰まった。

武流が持ってた携帯を誠良が取って、液晶画面を指で操作した。数秒後に周囲のあちこちから着信音が聞こえる。着信音が鳴った途端、何人かは一斉に逃げ出す。
美紅を除いた誠良達は逃げ出す何人かを捕まえる。誠良は竹森を捕まえた。全員は捕まえられなかったが、捕まえた中には水穂も武美もいた。

誠良達は下條と優香の前に連れてきた。
「堀本の事は俺達に関係ない!だが、俺らに牙を向こうと言うなら、話は別だよな?」
誠良は捕まえた人々に、静かに言い放った。

下條が竹森達に問う。
「君達はどういう訳かな?」
「何の事かわかりません」
竹森が答える。

「おまえらも嘘つくつもりか?芳野と俺達をやろうとしたんじゃなのか?」
誠良が竹森のブレザーの襟を掴んで、鋭い目を飛ばす。

「だから何の事かわからないって言ってるでしょ?」
水穂が声を大きくして主張する。
「じゃあ何で逃げたの?やましい事がなければ逃げなくていい筈よね?」
里実が水穂達を問い詰める。

「竹森、君は俺に対して、恨んでると言ったよな。一年のクラスマッチの時の事で」
誠良は冷ややかな口調で竹森を問い詰める。

誠良の台詞に優香が反応した。
「竹森君、その事は楷真君と仲直りしたはずよね?」
「ええ、そうですよ。あの時の事は楷真君と仲直りしてます。こいつ何言ってるのか、わかりませんよ」
竹森は苦笑しながら、しらを切る。誠良は彼らの反応を見て、口裏合わせをしてるかのような気がしてならない。

「衛原とは何の関係かな?君達は」
下條が問い、武美が口を開く。
「ただの友達ですよ。屋上に来たのもこまってる事があると思って来たんです」
「そうかな?寛斗君と隆矢君が話してる時にはすでに君達二人はいたっちゃないと?」
武美の返答に冴がつっこみ、武美が焦りの表情を出す。
「それに顔の傷や制服についた汚れはどういう訳たい?」
冴が更に問い詰める。

下條が周囲に目をやる。
「やはり喧嘩があったと言う訳だな?君達、そういう事があったと言うのに、ただ傍観してたと言う訳かな?」
下條は冷ややかに誠良達の出来事を傍観していた生徒に問うた。
「それだけ人数おったのに、何やってるんか?もう昼休みが終わるぞ。みんな教室入れ!」
松生が生徒達に怒声を言い放ち、その言葉を聞いた生徒達はぞろぞろと屋上を去っていく。

「さて君達は生徒指導室に来てもらおうか?」
下條は眼鏡のフレームをあげながら言った。下條の他にも数人の教師が来た。
「西寺さん。大丈夫」
教師の一人が花蓮の肩を揺らし、花蓮は立ち上がるも意識が朦朧とする。隆矢はすでに起き上がり、寛斗とその場を去ろうとしたが、下條に見つかり、教師達に掴まれ生徒指導室に連れて行かれた。怪我が目立つ妙子、一美、花蓮は教師達に保健室に連れて行かれた。
怪我の程度が軽い者や、無傷の人間はそのまま生徒指導室にいった。誠良達、舞子、香奈、安恵、一美の仲間は誠良達に捕まった人間だけ、直接生徒指導室に教師と供に向かった。

生徒指導室へ。メインキャラが初の勢揃い。
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