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「Music of Life」
CHAPTER2「悲哀の少女・前編」

CHAPTER2「悲哀の少女・前編」25

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「じゃあ最初から楷真君達をやるつもりやったの?」
和世が一美達に強い口調で問い詰める。
「いえ最初は妙子だけでしたけど、楷真達もついでにやろうと思って」
一美は下を向きながら説明した。

シノも一美を問い詰める。
「それじゃ堀本さんへのいじめも認めるのね?」
「いえ、いじめはやってません」
一美の言葉に優香が反応した。
「衛原さん!ここまで来て、その事を認めるないつもりなん?」
優香が一美に強い口調で迫った。
「だ、だってやったって証拠は?」
安恵が優香に強い口調で言い返す。
「わ、私がやりました」
香奈が下を向きながら、トーンを大きくしながら発言した。

みんなが香奈の方に向き、美紅は両目をつぶって顔を振った。
誠良は香奈がこう発言した事について、やはり香奈に罪を着せて終わりって事にするつもりだと思い、香奈がこう発言した事に安恵と一美が笑みを浮かべていたのを見逃さなかった。

「間倉さん。本当なの?あの人達にやれって言われたんじゃないの?」
シノは香奈を問い詰めた。

「羽島先生。もういいじゃないですか?間倉さんがやったって言ったんだから」
「玉野先生。私は間倉さん一人でやったとは思えません!」
玉野の言葉に、シノは反発した。

シノは舞子の下に駆け寄った。
「舞子ちゃん。本当に間倉さんだけなの?貴方をいじめたの?」
「い、いえ。西寺さんもいました」
舞子は小さな声で答えた。

「それは遊び心だって、衛原さん達だって言ったでしょ?」
玉野はシノに冷ややかな言動で言い返した。
「衛原さん!石岡さん!やったって事認めなさい!」
シノは安恵と一美に大声で怒鳴りつける。

玉野がシノを嫌な目つきを飛ばした。
「舞子ちゃんか?羽島先生。貴方、堀本さんに寄りすぎてるんじゃないですか?だから親身になってかばってるんじゃないですか?」
「そんな!私は生徒のために」
「生徒のため?堀本さんのためじゃないんですかあ?」
「このままじゃ間倉さんだけがやった事になるじゃないですか!」
「ふう、羽島先生。貴方、この学校に来る前、一年間休職してたそうですね?」
玉野の言葉に妙子と舞子と優香は驚愕する。
「そ、そうですけど・・。」
「何でしてたかは知らないけど、学校から逃げたんでしょ?どうせ」
玉野の辛辣な意見にシノは口を閉じてしまう。

シノの反応を観た優香が玉野に詰め寄った。
「玉野先生、今そんな事関係ないじゃないですか!」
優香が玉野に肩を震え上がらせる。
「雪重先生。さっきも言いましたけど、貴方の受け持ってたクラスの人間がここに何人かいるんですよ。彼らが一年の時、どんな教育してたんですか?教師になってそんなに経ってないから仕方ないのかもね」
玉野の見下した言い方に優香は歯ぎしりをする。

それを見た誠良は玉野に言い放ち始める。
「いいえ玉野先生。ユッキーは僕らにとってはいい先生でしたよ」
「ユッキーって、舐めた言い方ね」
「まあそう聞こえるでしょうね。自分はユッキーって愛称こめて言ってましたよ。確かにこの人は若いし、未熟なところがあるかもしれないです。でもこの人はちゃんと生徒の事を思ってる人だと感じました。僕はこの先生が一年の時、担任で良かったと思ってますよ」
誠良の言葉に、優香は笑顔を浮かべる。
「私もそう思います」
真岼も続き、里実、武流も続いた。「私(わたくし)もです」と音葉も続いた。
「ユッキーの授業って良かったし、結構楽しめるっすからね」
統哉は左目を閉じて、優香に笑顔を向ける。
「俺もそう思うばい」
寛斗が腕を組んで言った。
「俺もユッキーの授業は楽しみやったちゃね。なんか少年みたいな感じで」
隆矢の言葉に、優香はずっこけそうになる。
「あたいもそう思うっちゃね」
理代も賛同し、竹森も賛同した。
「みんな、もういいから、うん」
優香は照れながら場を治めようとした。その反応を観た玉野は嫌な顔を浮かべた。

「それで間倉さん。どうして堀本さんに対して、そういう事をしたん?」
和世が香奈に問う。
「わ、私にはな、何もない。な、何もできない。でもほ、堀本さんはひ、人にはない才能がある。だ、だからうらやまし、しくて、つい制服をか、隠したり、きょ、教科書に落書きしたりしました」
香奈は下を向き、涙を机に落し、どもりながらも告白した。

冴は香奈の言動を聞いて、”本当なんやろうけど、なんか言わされた言い方ちゃね”と思った。

「クラス違うのに、どうやってばれずにそんな事できるん?」
和世が香奈に問う。
「体育の時間とか、みんないなくなるからその時に」
香奈が下を向きながら答えた。

松生が一美と安恵のところに駆け寄った。
「おい、おまえらが言って、やらしたんじゃないんか?」
松生が安恵と一美を問い詰める。
「なんで、いちいちあたしら疑うんだよ!」
安恵が松生を睨む。

「間倉が一人でやったとは思えんがな」
下條が眼鏡のフレームを上げながら呆れた顔をする。
「下條先生。私のクラスの人間疑うのは辞めてくれませんか?」
「大事だと思うんでしたら、クラスの問題にちゃんと取り組まないと」
下條は玉野に冷ややかな口調で語った。
「バスケ部を廃部した張本人から、問題に取り組めなんて言われたくないですね!体罰でもして問題にされたから、廃部になったんでしょうが」
玉野が下條の過去を切りだし、下條は玉野に冷ややかな視線を送った。

「またそうやってそうやって問題をすり替える」
冴は呆れ顔で玉野に言うが、玉野は無視した。

武流がこの事に口を開き始めた。
「先生、何も知らないんですね?」
「何がよ」
「下條先生は被害者なんですよ。体罰をやってたのは、三年、二年の先輩、一年の一部って事?主従関係をいい事に権力を振りかざして、指導の下、暴力を振るい、それを先生が知ったから、レギュラーメンバーであっても体罰を加えた人間をメンバーから外したのさ。それを納得いかなかった先輩達が暴力を先生にふるい、それで先生自体が大会出場を取り消したのさ。それが何故か教育委員会にばれて、一年間の主な大会の出場停止になったんだけどね。まあそれでバスケ部は事実上の廃部。俺は最初バスケ部だったからね」
武流の玉野にそう説明する。
「なんだ、そんな事か」
玉野はそっけない態度を取って、下條は小さく笑みを浮かべる。

下條は眼鏡のフレームをあげながら、一美と安恵の方を観た。
「君達、いじめはしようがしてなかろうが、堀本の携帯壊したのは事実だろ?その事については謝るべきだが」
「あんたらも楷真君達に喧嘩をしかけたでしょ?その事を謝りなさい」
和世は武美や竹森達に問う。

「間倉さんは堀本さんに謝りなさい」
和世に言われた香奈は舞子の前に行き、
「ご、ごめんなさい」
香奈は涙を流しながら謝り、舞子は小さく頷いた。そのやりとりを観た妙子は香奈のやった事を許せないと感じながらも香奈の気持ちもなんとなく感じとってた。
安恵と一美は舞子の前に出て、携帯壊した事を謝罪したが、反省が見えない顔だ。
誠良達と竹森達は互いに謝罪をしたが、心が通じ合ったないのは明らかだ。

「貴方達も謝りなさい!」
シノに言われた寛斗と隆矢は竹森達や教師達に平謝りをした。

妙子は不本意な表情を浮かべて、一美と安恵のところにいった。
「怪我をするくらい殴ってすいませんでした」
妙子は安恵や一美に深く頭を下げた。

一通りの謝罪を終えると、下條が妙子に口を開き始めた。
「芳野、悪いが校長室に来てもらう。堀本をかばったのはわかるが、怪我をさせるほど殴ったのはいただけないんでな」
「わかっています」
下條の言葉に妙子は納得して、それを観た舞子は浮かない顔をした。

「おい、妙子が停学なら、こいつらやって一緒じゃなかよ」
寛斗が納得しない表情だ。隆矢も無言で同様の考えだ。
「ほらいくぞ」
戸元は寛斗と隆矢を掴んで、生徒指導室を出た。

みんなはそれぞれ、生徒指導室を出た。教師は持ち場に戻り、生徒達は自分の教室に戻る。妙子だけ下條と松生の付き添いで校長室に行った。舞子はシノの付き添いで教室に戻った。

誠良達は冴と供に生徒指導室を出た。


生徒指導室での話し合いは終了。
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~ Comment ~

NoTitle

生徒指導質の会話は読んでいて皆言いたい放題でモヤモヤしました。生徒も先生も言いたい放題でちょっと逆に笑ってしまった。
寛斗の最後の言い分はもっともですね。
けど、この問題って謝ってはい終わり。とはいかなさそうな。根本の解決には成ってない気がするですよね。僕も幼いの頃、喧嘩して大人にお互い謝って……と言う事を幾度か経験しましたが、常々何か違うと思ってたんですよね。まあ、謝ってその後も仲良くなった友人もいますけどね。

青井るいさんへ

本来なら先生の言い分を生徒が聞くって感じですけど、これは先生同士での言い合いもありますからね。普段はそんな事はないですけど(笑)。

玉野のせいで、場が混乱した原因と言ってもいいでしょう。優香は若いと言うのもあるし、生徒思いだからこそ、生徒の前でも玉野と対立したんですけどね。

寛斗がああいうのも最もですし、この問題は結局、根本的に解決はしてません。一美達側がひたすら隠すし、玉野自身が保身のためか、うやむやにしましたからね。まあ学校側にも問題があるんでしょうけど・・。

子供の喧嘩って大人が必ずしも出てきますからね。確かに常々何か違うと私も思ってましたけど、それは自分の意志で謝ってる感じがしないからでしょうね。

NoTitle

下條先生カッコいいですね。
公平に場を仕切ってくれる先生がいてくれて安心できました。
でも、妙子ちゃんやっぱり処分がありそうですね……。
「悲哀の少女」まだまだ長いし、舞子ちゃんのことがやはり心配です;;

椿さんへ

下條は少年マガジン連載のバスケ漫画「DEAR BOYS」の下条薫をモデルにしてます。
冷やかな性格だが、それが生徒に対する思いが何処かに秘めていると言うのが、好きでこの作品にも違う形で出してみようと思いました。
この先生だったらこの問題にどうやって対処するのかな?って思い、このように描きました。

妙子は舞子のためと言え、派手にやりすぎましたからね。確かに一美や安恵は停学にはならなったかったので、納得いかないでしょうが、この「悲哀の少女」はまだまだ続きますので、彼女らの裁きはまだまだ先となります。
舞子もまだまだ試練が続きます。
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