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「Music of Life」
CHAPTER2「悲哀の少女・前編」

CHAPTER2「悲哀の少女・前編」31

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 武流は皆の見えないところで、小型のビデオカメラを向け、一美達を監視していた。
ふと違うところに目を向けると、わずかながらも音葉の姿が見えた。「何故音葉がここに?」と思いつつも、一美の監視を怠る訳にもいかず、音葉を静観する事にした。

「鍵をちゃんと取ってきたか?」
安恵の問いかけに、美波は唇を緩め、ブレザーのポケットに手を突っ込む。しかし鍵がない事に気づき、しだいに美波の表情が青くなっていく。その表情を見て理代は心配そうな表情を浮かべている。

「あれ、そんな、そんな!ない!ない!」
美波がブレザーを脱いで、あちこちのポケットを探るが鍵がない。

「おまえらちゃんとやったのか?」
安恵は怒声を上げ、美波は顔を強張らせた。
「やったに決まってるだろ?あんたにそんな事言われる筋合いはないよ!」
「そうばい。あたいも一緒やったんだから」
美波の反論に、理代も続いた。

「おまえら二人して、さぼったんだろ?何で鍵がないんだよ?」
「どこかに落としたみたいなんだよ!」
「そんな嘘が通ると思ってるのか?」
「あんたに言われたくないね。屋上でビービー泣いてた奴に!」
安恵と美波の口論は激しさを増し、美波は挑発的な言葉を投げかけ、安恵が美波を睨みつける。

「もうその事は良か!今日集まってもらったのは、話があるから集まって来てもらったとよ」
一美が制止に入り、本題に入ろうとする。
「その前に昼の事はどういう事ばい?下手したらあたいらまでやばかったとよ」
理代が一美に昼間の事で詰め寄る。
「仕方なかよ。妙子があそこまでやるとは思わんかったし、楷真達まで絡んで来るとは誤算やったとよ」
一美が昼の事でそのように説明した。

「俺は別に楷真がいた事はラッキーやったけんど」
竹森は腕を組んで、笑顔が語った。
「でもあんただって楷真に言いように振り回されてたじゃない?おまけにあたしの事殴ってたし!」
安恵が竹森に恨みの込めた目で見る。
「あれはあいつがよけた拍子に、おまえに当たっただけばい!事故だったとよ!」
竹森が強い口調で反論した。

「そうよね。安恵はそれで大声出して泣いてたよね?」
美波は安恵に冷ややかな視線を送る。
「ふざけるなよ!美波!」
美波の挑発的な態度に、安恵が美波のブレザーを掴む。
「辞めろよ!揉めてる場合じゃなかっちゃろ?」
理代が制止に入り、竹森、武美、水穂も制止に入った。

「全く!これじゃ話できんやろ!おまえらに頼む仕事があるとよ」
一美がみんなに大声で呼びかける。
「仕事って何するの?どうしてメールで言わないの?」
武美が一美に質問する。
「あたしらと花蓮がやってる事はもう知っとうな?あたしらは今舞子を追いこんでるとよ。だが今回の事で花蓮は怪我してしまったし、あたしらも玉野がああでも、下條やシノやユッキーに目をつけられてる状態ばい。だから今回はあんたらにも動いてもらうとよ。武美と水穂は安恵と同じクラス。理代と美波と竹森はあたしと一緒のクラスだし、メールより口で伝える方が早いと思ってな。後の人らはあんたらが知らん奴やから、あえて顔を知るべきではないと思ってな」
「でも知った方が良かっちゃない?現に生徒指導室に連れていかれるまで、この二人は知らんかったし」
竹森は武美と水穂の方を見た。

竹森の言葉に水穂が一美に口を開いた。
「そうよ。竹森君がまさか一美のチームの一員だった事なんて、びっくりしたくらいだから」
「もう知ってしまったっちゃろ?それに今回は人手がいる。大勢だと先公達も特定されにくいしな」
「本当にそう?今日の昼にされたじゃない?あんたが久杉って人に携帯取られたから、特定されたんでしょ?」
「携帯取られた事はあたしのミスやけど、特定される前にそこから逃げとけよ!それかバイブにするか電源切るとかしてな!」
「周りに人がいたし、先生も何人かいたし、下手な事はできなかったのよ。逃げようとしたけど、楷真君達に捕まったし」
水穂が一美に反論した。

「あたいもさっき美波には言ったけど、楷真君達ってなんか隙がないっちゃん」
「確かに楷真達ってなんか普通の高校生と違う感じだよね」
理代と美波が感心したように言う。

「感心してる場合か?うまくいくかおまえらにかかってるんだぞ」
安恵は理代と美波に強い口調で言い放つ。

武美が安恵の言葉に反応にし、一美に提案を出す。
「じゃあちゃんと確認しておこうよ。生徒指導室の時だって一美がヘマしたじゃない?」
「ああ!それはおまえがヘマしたからっちゃろ?口を滑らせてな」
「つい言ってしまったのよ!悪かったと思ってるし、一美だって喧嘩の事認めたじゃない?下手したらあたしらまで停学だったのよ!」
武美が興奮した感じで、一美に強い口調で言った。
「結局停学にならなかったじゃない。いじめの事まではばれなかったし、結果オーライよ」
安恵が腕を組んで勝ち誇った感じで武美に言った。

「玉野があんな感じだからそうなったっちゃけどさ。あたいもあの先輩見てて、楷真君達と同じような感じがしたとよ。話す事に隙がなかって感じやったとね」
理代が冴の事をそのように評価する。

美波が腕を組んで口を開いた。
「香奈はどうするの?もう使えないよ」
「あいつは元から使えないよ。でもあたしらは香奈の弱みを握ってるしさ。それに香奈はあんたらの事は知らんし、捨て駒にできるから、わかっててもあたしらに従うしかないのさ」
美波の質問に、安恵が不敵な笑みで答える。

一美が口を開く。
「花蓮の容態はわからんけど、一応あんたらの事は伝えておく。花蓮に何かあった場合は、あたしが代わりを務める事になっとうからな」
その事に竹森が口を開く。
「それは構わんちゃけど、堀本を追い詰めて自殺なんてされたらやばいぞ!警察が出て来る事もあろうしな」
「万が一そうなったとしても学校と言うのはいじめを隠したくなるものとよ。教育委員会は保身に走るだけばい」
竹森の質問に一美が笑みを浮かべた。

一美は事の伝えを終えた事により、みんなに口を開いた。
「これで解散する。明日の事は今夜メールで伝えるつもりばい!明日から気合い入れてやれよ」
「一つ言っておくけど、あんたらのためにやる訳じゃなかよ!」
理代が一美に強く主張した。
理代の主張に安恵はめくじらを立てようとするが、一美が制止する。
話を終えた一美達はバラバラにその場を去っていった。


一部始終を見てた武流は「なるほど」と不敵な笑みを浮かべ、イヤホンを耳から外し、カメラの動画をチェックした。一美達の打ち合わせの動画がうまくいってる事を確認すると顔を上げた。しかし音葉の姿はすでになかった。


音葉はその場所を離れ、周囲がいない中で、先程の一美達の会話を携帯の動画に撮っていたのを観てた。その動画を「D」と言う送信先に添付して送信した。

一美達の企みが発覚。
それに対し、誠良達は?音葉の動きとは?
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鍵コメlさんへ

彼女らもしつこいですからね。って言うかこりてません。普通だったらあんな事になれば止まるもんですが、中毒みたいになってるんです。

武流と音葉がこの情報を手に入れる事もこの問題の打開策に繋がります。
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