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「Music of Life」
CHAPTER4「各々が奏でるソナタ」

CHAPTER4「各々が奏でるソナタ」28

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屋上には武流、統哉、里実、音葉、冴がいた。
タブレットから冷奈が話す。
「通信はこれで終わるわ。泰伸様には私から報告を入れておくわ。それと冴、”家族契約”が間もなく終了するけど、どうするの?」
冷奈の言葉に四人はじっと冴を見た。
冴が笑みを浮かべながら語りだす。
「考えた結果。みんなと同じセーフハウスマンションに移ります。私を世話してくれた人には”お世話になりました”と言っておきます」
「そうわかったわ。警察には事情聴取の内容は録音してるし、これ以上貴方達の素性について調べる事はないと思う。でも向こうが必要以上に貴方達の調査を始めた場合はこちらに任せるように言ったわ。後で楷真君達にも伝えておく。引き続きこの件の対処を行ってください」
「わかりました」
冴が返答し、冷奈は通信を切った。

「さあ行くとよ。あれっ?武流と統哉は?」
「あれ、そういえば。あ!」
冴が武流と統哉が近くにいない事に焦り、里実と音葉が周囲を見回し、里実が二人を見つけて声をあげた。武流と統哉は屋上の柵に乗り出していた。

里実と音葉が二人に向かって走っていった。
「ちょ、ちょっと二人ともなにやってるのよ?」
里実が二人に怒った表情で問う。
「だって見ろよ。校門にあんなにマスコミが来てるんだぜ」
武流は遠くいるマスコミの連中に指を指しながら里実に返答した。
「お。俺達も映ってるかな?うほほーい」
統哉は遠くにいるマスコミに右手を振ろうとし、武流もそれに続こうとした。
「貴方達!さっき高城さんに言われたばかりでしょ?目立つ事はするなって!」
音葉が怒りの形相で二人に迫った。
「へ、へい。すいやせん」
統哉は苦笑いをしながら右手で頭をかき、武流は苦笑を浮かべた。
四人は再び冴の下に向かった。

冴はタブレットを眺めている。
「生徒はほとんど下校したっちゃね。校門はほとんどマスコミに張られてる。だとしたら裏門しか出るしかないとよ。でも駐輪場からそこそこ距離があるっちゃね」
「かと言って。自転車に乗らない訳にはいかないでしょう。あれば今回の件の対象者とマスコミに見られる可能性があります」
冴の考察に音葉が意見をした。

「こういう時のために変装道具を持参したわ。ウェッグとメガネだけどね」
里実は鞄からいくつかのかつらや伊達眼鏡を取り出した。
「おおそれいいねえ。里実ちゃん」
統哉は感嘆しながら、かつらや眼鏡を取り出した。
冴は気の進まない表情を浮かべたが、妥協してかつらと眼鏡をかけた。音葉は眼鏡をかけているので、長いウェーブ状のかつらを頭から被った。
「うぷくく、音葉。そんな髪型笑えるよ」
武流は変装した音葉を嘲笑した。
「貴方達も間抜けに見えますよ」
音葉はキリッとした目線で武流に返した。

全員変装を終え、冴が口を開く。
「今度こそ行くとよ。時間差で校舎を出るとよ。私は一人で出ると。みんなはそれぞれ自由に出て。マスコミにはなんも喋らんようにね」
冴はそう言って変装したまま屋上を去った。3分後に武流と統哉。里実と音葉はペアになり、それぞれ別の屋上の出口から出た。


一方誠良達は上履きに履き替えた後、人気のない場所から学校を出て、学校から500m離れてる小さな公園にいた。白蘭との待ち合わせポイントが誠良の携帯に送られてきたのだ。

待ってる間、香奈が口を開く。
「美紅さん。こ、こんな私をた、助けてくれてあ、ありがとうございます」
香奈は言葉に詰まりながらも謝辞を述べ、美紅に頭を下げた。
「い、いいのよ。一応仕事だから。でも本当に助けたかった理由は?」
美紅は真の理由を述べようとし、誠良と真岼に軽く頷く。二人は美紅と香奈が見えるところに離れたところに移動した。

香奈が聞き返す。
「本当に助けたかった理由は何?」
「そ、それは因为喜欢你。(貴方の事が好きだからよ)」
美紅は大事な部分を中国語で告白し、香奈は拍子抜けた表情を浮かべた。
「あ、ソーリー。ソーリー。ちゃんと言うわね」
美紅は言い直そうとするが、香奈は小さく笑顔を浮かべた。
「I like you, too. As the person who loves.(私も貴方が好きです。愛する人として)」
香奈の返事に美紅は驚きと嬉しさで笑顔を浮かべた。

「谢谢(ありがとう)。でもいいの?私本当に不安だった。言ったら嫌われるんじゃないかって?」
「私もごめん。中国語専攻してるけど、難しくて英語の方がいいかなって」
「OKOKよ。すごい上手なイングリッシュだったよ。でもどうして受け入れてくれたの?」
美紅の問いに香奈の小さく口を尖らせながら語りだす。
「だ、だって。いつも美紅さん。わ、私にやらしい事してくるもん」
「あはは。ソーリー。私の悪い癖ね」
美紅は頭をかきながら照れる。
「で、でも美紅さんは嫌らしい事しても愛情を感じるもん。いつも話してると楽しいし、胸やお尻を触られても心地よかったから」
「サンクス。でも二人でもっと先に行って二人の華を咲かせたいと思ってる」
「うんわかってる。でも美紅さんの事好きだけど、今は色々ありすぎて、まだ気持ちの整理がついてないんだ」
「そうだね。香奈の気持ちの整理がついてから、二人で楽しみましょう」
美紅はそう言って右腕で香奈を抱き寄せた。

しばらくすると黒いステップワゴンが公園にやってきて、白蘭が運転席から降りてきた。
「美红先生。诸位。去吧(美紅様。皆さん。さあ行きましょう)」
誠良達はステップワゴンに乗り込む。誠良と真岼は美紅と香奈の様子を見て、事の成り行きを察した。
みんなが乗ったステップワゴンは公園を走り去った。

美紅と香奈の気持ちが互いに通じる。
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~ Comment ~

NoTitle

おおー美紅ちゃんと香奈ちゃんの気持ちが通じ合いましたね!
良かった良かった(^o^)

これからみんなは事後処理の打ち合わせ、でしょうか?

椿さんへ

ついに美紅と香奈が通じ合う事ができました。これをずっと書きたかったです。
二人が通じ合うまでもっと苦難を描きたいと思いましたが、これはあくまでもサイドストーリーなので、自分的には描いた時にあっさりと行った感じです。

これからは事後処理ですね。今のところみんな別行動だから、そのままになるかもしれません。

NoTitle

愛は言葉でなくても通じる、
単純な言葉だから。
そういうのはいいですね。
(*^-^*)

LandMさんへ

確かに愛は言葉ではなく、行動で通じるものがありますね。
美紅の行為に香奈は愛情として受け取ったのでしょう。
まだまだこれからですが、美紅と香奈の愛を描ければいいと思います。
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