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「Music of Life」
FINAL CHAPTER「親愛の贈曲」

FINAL CHAPTER「親愛の贈曲」2

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真岼が口を開く。
「貴方の意見はわかりました。しかし何故我々の事を何処で知ったのでしょうか?」
「”D”と言う人物からメール、電話が来たのよ。私は高城さんや泰伸様のやっている裏の仕事は詳しくは知らないけど、この”D”と言う人物は何かで聞いた事はあるからね」
「我々に頼む前に高城さん達に相談しなかったのですか?」
「したわよ!でも“他人の家庭や生活に介入する事はできない”と言われたわよ。私も探偵とかに頼んで自分で調べようと思ったけど、料金が高かったしね。それで”D”と言う人物から貴方達の事を紹介されたわ。連絡があった時は驚いたけどね」
琴美が腕を組みながら頷いた。

実は誠良達には冷奈から電話、メールでこの事を聞かされていた。琴美の恩師の女性が家庭内でトラブルがあり休職となっている事。仕事先にも尾行されたり、家でもほぼ軟禁状態で旦那や義母にDVあるいは罵声などを浴びせられる事を資料や動画で拝見していた。
この事には冷奈も重くみていたが、旦那の父、義母の夫、谷尾菊蔵は名門宝明(ほうめい)学園の理事長であり、この女性の旦那、勝司(かつし)との結婚は筑城大学との学校間の協定のようなものであり、いわば政略結婚のようなものだ。
この女性と勝司、義母久代(ひさよ)とのトラブルが明らかになれば結婚に関わっていた筑城大学の評判などにダメージを与える事になり、女性も筑城大学の関係者であるため、被害者であっても筑城大学での仕事、音楽の仕事が難しくなるのだ。

泰伸と冷奈は所属する秘密制裁ネットワーク(Secret sanction network)通称SSNの組織力を用いて、盗聴、盗撮、ネットハッキングを行い、菊蔵が不正利益、不正献金の証拠を上げている事をつかんだ。同時に勝司、久代が女性に虐待じみた行為を行っている動画も上げている。
しかし女性とのトラブルを元でこの一家を抹殺を避けたいと思い、別の理由で抹殺するよう指示があったのだ。

冷奈は琴美に知られず誠良達に美紅を通して依頼してきたのだ。だから琴美との接触がなくても誠良達はこの案件を実行するのだが、今回は琴美がきっかけで調査をして発覚したのだし、何よりこの恩師の女性を助けたいと言う思いから、琴美と接触し、琴美の依頼に対する思いを確認してから、依頼を承諾してほしいとの事だった。
報酬の多くは冷奈から支払われるため、琴美からはそれほど報酬は受け取るなとも言われている。

琴美が更に続ける。
「それで金額はいくらなの?」
「すいません。まだ受けるとは言ってませんけど・・」
琴美の強引な姿勢に真岼は顔をしかめた。
「貯金は30万くらいあるわ。それでどう?」
「うーんそれでは安いですね」
琴美の要求に美紅は笑顔で否定した。

「等承担。被说几乎把钱从高城不拿掉!(おい待てよ。高城さんからあまりお金を取るなと言われてるだろ!)」
「正用这个行情告诉据说便宜。(この相場で安いと言う事を教えてるだけよ。)」
誠良は中国語で美紅の言動をたしなめ、美紅は中国語で返した。
琴美は英語はわかるが、中国語は理解できず、誠良と美紅の会話は自分には言えない事を話してると感じ、あまりいい顔はしなかった。

「じゃあこれでどう?」
琴美は荷物に持っていた紙袋から高級そうなバックをテーブルに置いた。
「ワオッ!エルメスのバックよ。これ結構いいものなのよね」
美紅はバックを見て、目がキラキラしている。

真岼がテーブルにあるバックを見て琴美に視線を向ける。
「これ大事な物じゃないんですか?」
「そうよ。泰伸様から大学の入学祝いに買ってもらったものよ。高価なもので申し訳ないと思うけど、先生の事思うと背に腹は代えられないわ」
誠良は琴美の強引さを見て、悪い環境から泰伸と出会い、恵まれた環境に変わった事で、琴美の心理状態の変化がついていけず、人の思う気持ちが極端な方向に行っていると感じた。

「わかりました。お引き受けしましょう」
琴美が恩師を想う気持ちは本物だと理解し笑みを浮かべる。
「ええ本当。ありがとう」
琴美は笑みを浮かべ、誠良達に感謝の意を述べた。

誠良が続ける。
「貯金の30万は結構です。このバックを依頼料として受けましょう」
「そう。わかったわ」
「それと琴美さん。依頼は引き受けますが、先生が戻ってくるのは別ですよ」
「う、うん。わかってる」
誠良の忠告に琴美は納得いかない表情ながらも、了承した。

「では我々はこれで」
「頼んだわよ」
誠良はそう言って席を立ち、真岼、美紅も席を立った。琴美は三人に期待の言葉をかけた。

誠良がカフェテリアを出る際、琴美がカプセル型の薬を水で飲んでいる光景を見て疑問に思ったが、すぐに前を向きカフェテリアを出た。

誠良達が琴美の依頼を受理する。
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