FC2ブログ

「短編、SS、読み切り」
愛欲の時間(とき)

愛欲の時間(とき)①

 ←あらすじ 登場人物 →愛欲の時間(とき)② R18
私はシャワーを浴び、体の隅々を覆った泡を洗い流している。いつもの事だが、今回はいつも以上に身体を洗っている。それはある人物と長い夜を過ごすためだ。

自分の体を丁寧に洗っているのは、相手に不快な思いをさせないためでもある。
体を洗い終え、風呂場を出て、バスタオルで体を拭き、ドライヤーで髪を乾かした。
体を拭き、髪を乾かし終え、私は下着を付けずにバスローブを羽織り、脱衣場を出た。

脱衣場を出て、リビングに向かうと、一人の男が座っていた。私の彼で供に過ごす相手だ。
「風呂空いたよ」
「うん」
彼は立ち上がって小さく微笑み、ゆっくりと脱衣場に向かった。

「しっかり体を洗っておけよ」
私はすれ違い様に彼の尻を軽く叩いた。
「うん。わかってる」
彼は照れながら返答した。

私は脱衣場に向かう彼の後ろ姿を見て、体が疼いた。
彼の後ろ姿は服を羽織ってもわかるように、女性のように色気があり、華奢な体つきだ。
私は同性愛者である。幾度となく男を抱いた。職場では男らしく振舞い尊大な人物でもベッドでは女性のように喘ぎ、私に体を預けてきた。

私の好みは男でも女性のように色気があり、かつ抱かれる事を好む者だ。
私も40を過ぎ、中年の部類に入り、最近では中年も好むようになってきた。抱かれる事を好む中年は衰えはするものの、肌とかの手入れは気を使っている。そんな相手に私はそそられるのだ。
彼も40を過ぎたばかりだが、大学で美術の講師をしている。美術関係だからかどうかはわからないが、美しさにこだわり、やがて自分自身に反映した結果なのだろう。

私は彼を脱衣場に入っていくのを見届けた後、自分の寝室に入り、煙草を加え火をつけ、ベッドに座り、彼を待った。

私の仕事は企業、民事の弁護士である。企業間のトラブルや民事では離婚訴訟、果ては学校内のトラブルも担当している。色々な案件を掲げ、多忙な毎日だ。

今は夢富町と言う地方にいるが、大都市にいる頃は芸能関係などの案件も手がけた事がある。
昔はネットのような情報ツールもなく、同性の相手を探すにはこういったつてを使い、情報を得て、仕事帰りやオフの時にハッテン場やゲイタウンに行き、行きずりの男を抱いた。

よく公園などで行為をしている人間を見かけるが、私はそういうのは好まない。何処の誰かは知らないが、行為に及ぶ時は必ず二人きりになれる場所。ホテルやマンションを利用する。
女装バーにも足を運んだが、ただ単に女装したいと理由で色気もない人間もいたりして、失望した事もあった。
そういったところに足を運び、更に関係が発展して付き合った男もいたりもしたが、様々な理由で長くは続かなかった。

彼との馴れ初めは現在はネットでも同性愛者専用のサイトがあって、そこで知り合った。よくこういったサイトは危険だと言う事を耳にする。
だから私は弁護士のつてを使い、自分でどういったサイトかを調べたり、相手の事も案件として興信所を使い、調査する。

彼もまた同性愛者で男との関係もそれなりにあった。でも相手は既婚者だったりして、長くは続かなかったようだ。

同性愛者にも既婚者はいる。同性愛者だと言うのを隠し、様々な理由で結婚をする人もいるのだ。私もそんな相手を抱いた事がある。そういった人間はその時だけ自分でいられると言うらしい。

私もこういった職業だからか、結婚の話は来た事はある。でも断ってきた。勿論同性愛者だからと言うのもあるが、結婚して家庭に入ると言うのが、私には性に合わないからだ。

矛盾はしているが、それは同性相手にも当てはまる。私もかつては愛した人がいて、供に過ごした事がある。毎日のように愛し合った。でも時間が経つに連れ、互いを求め合わなくなり、いつしかすれ違うようになった。そして相手は私の元を去った。

よく既婚者で体を求め合う回数が時と供に減ると聞くが、それは同性同士であってもある事なのだ。
勿論それでも関係を続けるカップルはいる。私はセックスは好きだが、身体だけでなく、心も通わせるものだと思ってる。
私はその相手と別れた後は浅く広く、会いたい時に会い、身体を重ねる時は身体を重ね、その二人だけの時間に愛そうと決めた。

彼とは最初はメールでやりとりし、そして電話で会話するようになり、そして初めて会った時に、彼の熟してなお美しさに目を奪われた。
唇を交わす事はあるが、まだ体を重ねてはいない。互いに多忙と言う事もあったが、彼は歳を重ね、自分の体を見せる事に抵抗があると言っていた。

私も歳を重ねたと言うのもあり、時間あればジムに行って体を鍛えている。セックスには体力がいるし、歳を重ねる事にそれを感じてきてるからだ。
私も彼がその気になるまで、体を重ねる事を控えた。
互いに何度か会い、そして互いの時間が供に合い、彼が私に体をささげたいと告げた。
一緒に風呂に入り、彼の体を洗いたかったが、彼はまだ自分を見せるのに抵抗があった。だから別々に入った。でも彼がじらす姿も可愛らしく思えた。

私は半分以上になった煙草を灰皿に揉み消した。男を抱くのは実に1年ぶりだ。彼もここ数年抱かれてないらしい。

私はゆっくり彼を待った。今は彼は丹念に体を洗っているのだろう。私に愛してもらうために。
そして20分後彼がバスローブ姿で私の寝室に入ってきた。
私はゆっくりベッドから立ち、彼の元にゆっくり駆け寄った。


二人の愛欲の時間が動き出す。
よろしければポチっと。
スポンサーサイト





総もくじ 3kaku_s_L.png 私事
総もくじ 3kaku_s_L.png BLACK PARKA -ブラックパーカー-
総もくじ 3kaku_s_L.png 短編、SS、読み切り
もくじ  3kaku_s_L.png はじめまして
総もくじ  3kaku_s_L.png 私事
総もくじ  3kaku_s_L.png BLACK PARKA -ブラックパーカー-
総もくじ  3kaku_s_L.png 短編、SS、読み切り
  • 【あらすじ 登場人物】へ
  • 【愛欲の時間(とき)② R18】へ

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【あらすじ 登場人物】へ
  • 【愛欲の時間(とき)② R18】へ