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「Music of Life」
FINAL CHAPTER「親愛の贈曲」

FINAL CHAPTER「親愛の贈曲」25

 ←FINAL CHAPTER「親愛の贈曲」24 →5月1日 夢の劇場にて。
舞子に続いて冷奈に口を開く。
「高城さん。私が琴美ちゃんから離れたのは仕方ないとは言え、琴美ちゃんからすれば何も言わず見捨てたのも同然です。だから私も琴美ちゃんにちゃんと伝えたいんです」
「羽島先生。琴美様が貴方の事を親のように思い、尊敬していた事は存じてます。でも今は琴美様にとって喫緊(きっきん)な問題なんです。手術を控えていますので」
「手術?」
「そうです。琴美様の心臓が快方に向かう手術です」
冷奈の言葉にシノや舞子は安心した表情を浮かべる。

冷奈が口を開く。
「琴美様は舞子さんの件が重大な結果を生み、非常に悔やんでました。羽島先生を思うあまりに舞子さんを傷付ける結果となってしまい、手術を受けるのも拒んでました」
「では今はどうなんです?」
シノが冷奈に問い、冷奈が続ける。
「納得はしてませんが、受けてもらう事になりました。舞子さんがこの病院に搬送される事はこちらでも把握してましたが、目を離した隙に琴美様が舞子さんを見かけて、その姿を見て自分の責任だといても立ってもいられなくなったのでしょう。それが逆にお身体に負担をかける事になってしまいました。この件はこちらの責任です」
「高城さん。琴美ちゃんは私を慕ってたのはわかります。でもどうしてそこまで私の事を」
シノが琴美の事を問う。

冷奈は呼吸を置いてから語り出す。
「先程も申したように琴美様は心臓に持病を持ちつつも、小さい頃に両親を亡くし、天涯孤独の身で施設や里親も転々としました。琴美様の持病がわかるとすぐに手放したり、ぞんざいな扱いを受けたりとかです。泰伸様に引き取られた後も常に人生の終わりと言うのが隣り合わせに心を閉ざしてましたが、羽島先生に出会う事で生きる気力が湧いたのです。しかし羽島先生がああいった事態になり、琴美様なりに羽島先生をなんとかしたいと言う気持ちがありました。しかし結局大学を去らなければならなくなってしまい、再び心を閉ざしてしまったのです」
「高城さん。やっぱり琴美ちゃんに合わせてください」
「ですが先程も言った通り、琴美様はお身体を安定させるために、一刻も許さない状態です」
「だからこそ。だからこそ。師である私がそばにいるべきなのです」
シノの頼みに冷奈は黙り込む。

寛斗が口を開く。
「おばちゃん。シノちゃんと琴美って人にあわせてやれよ!」
「こらっ!おばちゃんって言うな!失礼やろ!」
寛斗の言動にナツキが注意した。

隆矢が続く。
「おばちゃん。寛斗の言うとおりばい。合わせてやれよ」
「もうたかちゃんまで!」
ナツキは隆矢も冷奈に対しての態度に辟易した。

口を閉じていたが冷奈が口を開きだす。
「了解しました。でも条件があります」
「条件ってなんですか?」
「妙子ちゃん」
冷奈の返答に妙子が噛みつくも、ナツキが諌める。

「これから琴美さんに会わせます。琴美様の病室に入れるのは羽島先生と舞子さんだけです」
「えーー!俺らも入れんの!」
寛斗が嫌そうな顔で返答する。
「当然です。琴美様のいる病室は一般の方には入れないところです。一応極秘になっているところです。ついてくるのは構いませんが、羽島先生と舞子さん以外は指定区域外だけです」
「ええそれで構いません。ありがとうございます」
シノは頭を下げて冷奈に礼を述べた。続いて舞子も軽く頭を下げた。

冷奈は琴美の病室の場所をシノに教えた。
「ではそこに皆さん行ってください。貴方達が来る事は泰伸様に伝えておきます」
「よし行くばい!」
「こらっ!ひろ君!遠足に行くんじゃないとよ」
冷奈の指示で寛斗は張り切って行こうとしてナツキにまたも咎められる。

「あ、本山君と畑鏡君はちょっと・・」
「なん・・・?」
冷奈が寛斗と隆矢を呼びとめる。
「貴方達二人について検討しました。我々に対しての行為は許される者ではありません。訴追を起こしても構わない程です」
「え?そ・そつる・・?」
寛斗の言動に冷奈呆れ顔だ。

冷奈が言いなおす。
「訴えると言う事です。そうなったら今のような生活を送れなくなりますよ」
「だってあれは?」
隆矢が反抗する。
「だからと言って暴力を奮っていい訳ではありません。しかし今回は舞子さんの事で不手際があり、貴方達二人も妙子さんや舞子さんを思う気持ちの故にと言う事で、三日間の奉仕活動に留めておきます。貴方の知り合いの芳野警部にもそのように伝えます」
「ええ!何で?」
寛斗が嫌そうな顔をする。
「何でじゃないでしょ!暴力を奮って怪我させていい訳ないでしょ!」
「あんたらの部下が弱すぎじゃないと!」
隆矢が反論する。

冷奈はため息をつきながら語り始める。
「それに関しては異論がありません。ただ暴力以外にも貴方達に対処する方法はいくらでもあります。本山君の家族構成や畑鏡君の家族構成や停学になった回数も把握してます」
「へえどんなんか言って」
寛斗がからかいながら返すと、冷奈は寛斗や隆矢の家族や両親の職業などを述べた。

寛斗と隆矢は驚愕の表情を浮かべた。
「へぇおばちゃんすごいな」
「これくらいは序の口です。それと目上に対しての言葉使いも改めなさい。さあもうみんな行ったから、みんなのところに行きなさい」
隆矢が感心し、冷奈は二人に妙子達のところに行くよう促した。

冷奈は二人の姿を見えなくなったところで、違う方向に視線を移した。
「楷真君。そこにいるんでしょ?」
冷奈が呼びかけると誠良、真岼、美紅、香奈が姿を現した。


冷奈が誠良達と対面。
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~ Comment ~

NoTitle

シノさんと舞子ちゃん。琴美さんの心を救えるでしょうか。
物語も終わりに近付いている感じですね。
楽しみですが寂しさもあったり。
でも最後までしっかり読ませていただきますね!

椿さんへ

この話は舞子、琴美、シノがメインですから、琴美の心を救えるのは音楽的に関わった人間達ですからね。
物語も終わりに近づいてますが、自分が遅筆のおかげで、近づいてるようなそうでないような(笑)。
やっと終わると思えば、寂しさもあったりしますね。
こちらも最後まで描き切れるよう頑張ります。
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