「Music of Life」
CHAPTER3「悲哀の少女・後編」

CHAPTER3「悲哀の少女・後編」3

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舞子はシノに付き添われて、教室に向かっていた。まだ顔や髪や制服に濡れた跡があるが、だいぶ乾いてはいた。

少し離れた後ろに誠良達が歩いてる。誠良は武流に一美の動画を見せてもらい、それを見ながら歩いてる。
誠良が顔を上げると舞子とシノが2年4組の教室の前に立ち止まっていた。
誠良達は舞子が入りづらいのかと思い、近づいていくと、そこに机と椅子が廊下に出ていて、しかも汚されていた。
誠良は動画を見て、一美が言った「次の仕事がある」と言うのはこういう事だと察した。

舞子は自分の机と椅子の前に下を向き、体を震わせ、涙を浮かべていた。
「誰なの?誰がこの子の机と椅子を出したの?」
シノが怒りの形相で4組の教室に入っていった。
4組の人間達は一瞬静かになるも、それを無視して騒がしくなる。
「誰がこんな事したの?」
シノが更に怒声を上げる。

そこに玉野がやってきた。
「なんですか羽島先生?そんな大きな声を出して!うちのクラスになんの用です?」
玉野が冷やかな感じでシノに語りかけた。
「玉野先生!堀本さんの机と椅子が廊下に出されてるんですよ!貴方のクラスの人間の誰かじゃないですか?」
「うちのクラスの人間がやったなんて決めつけないでください!昨日だって堀本さんに嫌がらせしたのは別のクラスの子だったでしょう」
玉野はシノにきっぱりと反論した。

「今回もそうだったとしても無理があります。だいたいどうやって別のクラスの人間が他のクラスに入って、机と椅子を出すんですか?」
「放課後かあるいは真夜中に忍び込んで運び出したかもしれないじゃないですか!」
玉野は冷やかな笑みをシノに向けた。

誠良はありえなくもないが、玉野が的外れな主張をしてるのは目に見えてる事だと思った。

「堀本さんが私のクラスに入りたくない意思表示とも言うんじゃないですか?」
「またそんな事言って、この事から目をそらす気ですか?」
玉野の意見にシノは怒りの形相で反論した。
「私のクラスの事を詮索しないでくれませんかね」
玉野はシノに吐き捨てる言葉で放った。

違う方向から武流の声がする。
「はーい。どいてどいて」
武流と統哉が濡れた雑巾を持ってきて、汚れてる机と椅子を拭いた。
少々汚れが残る机と椅子だったが、拭き終わった机と椅子を武流と統哉は4組の教室に運んだ。
「堀本、おまえの席ここでいいんだな?」
統哉の問いに、舞子は小さく頷いた。

「ちょっとあんた達、何勝手に私のクラスに入ってきてるのよ!関係ないんでしょ?」
玉野は二人に言い放つが、二人は無視して、舞子の机と椅子を所定に位置に置いた。その様子を一美や美波は強張った表情を浮かべている。誠良はこの二人の表情を見て、彼女らの仕業だと確信した。

「早く出て行きなさい!」
玉野は二人に怒声を上げる。
「へいへい」
統哉はニタニタしながら、玉野に返事しながら教室を出て行った。その返事に玉野はムッとした。

「舞子ちゃん。大丈夫?」
シノは小声で舞子に問いかけ、舞子は小さく頷き、い足取りで教室に入り、席についた。
「羽島先生。貴方も授業があるでしょう。早く行ったらどうですか?」
玉野の冷やかな言動に、シノは何も言わず、舞子に心配そうな表情を送りながら、その場を立ち去った。
音葉は別の方向から教室に入り、誠良達は自分のクラスに向かった。

誠良達は自分のクラスに入ると、香奈が席について座ってた。美紅が声をかけようとすると、香奈は目をそらした。それに対し美紅は沈んだ表情を浮かべる。
「グッピー行くよ」
それを見た真岼が美紅の肩に左手を乗せ気遣った。美紅は肩を落としながら席に着いた。誠良達も各々に席に着く。

和世の朝礼が終わり、一時間目の授業を受け、休憩時間となる。
誠良達はいつものように集まるが、美紅は自分の席に座ったままで、右手で携帯を見ているだけだった。
「グッピー。香奈の事で元気ないみたいね」
真岼が心配そうな表情を浮かべる。
「とにかく俺達がやる事は決まってる。まずはそれが先だ」
誠良はそう言ってブレザーから携帯を取り出し、液晶画面を親指で弾きはじめる。
教室は美紅が元気がないのが影響して、クラスの活気がわかない。

一方、舞子のいる4組では、次の時間は教室を移動するため、準備をしてた。舞子も準備をしていたが、一美達が舞子のそばにやってくる。
「舞子ちゃーん。あたしらに何か言う事ないとよ?」
一美が右腕を舞子の肩にかけた。
「え、言う事って?」
舞子が怯えながら返した。
「昨日あんたの友達に殴られた顔や腹が痛いんやわ。どう責任とってくれるとよ!」
一美が肩をかけた左手で、舞子の左頬をはたき始めた。
「そ、それは、そ、そっちが」
舞子は言葉に詰まりながら返す。
「ああ!あたしらが何と?」
一美が舞子に怒声を上げる。

「おいみんな!昨日あたしらが妙子に殴られたのは、あたしらが悪いって言ってるとよ。どげ思うと?」
一美がみんなに呼び掛けるも、クラス中は沈黙する。

一美は舞子の肩から右腕を離し、みんなに顔を向けた。
「おいおまえら!誰のおかげでこのクラスがでかい面ができると思っとうととや?花蓮のおかげちゃっろうが!その花蓮がこいつの友達に理不尽に暴力を振るわれ怪我したとよ。こいつに責任取らせようと思わんのか?」
一美はみんなに怒声じみた感じで問いかけた。
「そ、そうだと思う」
クラスの何人かがそれに同調してしまう。
音葉はこの様子を静観し、一美の言葉に同調したのではなく、花蓮の影響によるものだと悟った。

「何人かはあたしについてこい!ほら舞子。あたしらに付き合ってもらうよ」
一美は再び舞子の肩にかけ、連れ出そうとする。
「だ、だって授業あるし」
舞子が小声で反論した。

「そんなの関係なかっちゃろうが!いいから来い!」
一美は舞子の髪を掴み、連れ出そうとして、クラスの何人かも一美についていった。美波も理代も竹森も一緒にいる。
その時、理代の携帯の着信音がなって、携帯を取り出し、メールを開封し、メールの内容を見た理代は立ち止まり、表情を強張らせた。

「理代、何してるとよ!いくばい!」
一美が理代に呼び掛けるも、理代はその場から動こうとしない。
「ごめん。あたいパスするばい。あんたらだけでやって」
「ちょっと理代ちゃん。何言ってるの?行かないと!」
美波が理代の手を引こうとするが、振りほどき睨みつけた。

美波は理代の反応に驚愕の表情を浮かべる。
「理代ちゃんどうしたの?」
美波は理代の反応に困惑気味になる。
「もうほっとけ。行くぞ」
竹森が美波の手を引いた。その光景を見た理代は、歯ぎしりしながら竹森と美波に鋭い目を向けた。
「理代の奴!」
一美は理代の行動に腹を立てて舌打ちをするが、舞子を連れて行く事を優先した。

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