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「Music of Life」
CHAPTER3「悲哀の少女・後編」

CHAPTER3「悲哀の少女・後編」4

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舞子は一美達ら4組の何人かに囲まれて何処かに連れ出された。やがて人の気配がなくなり、コンクリートのレンガに囲まれた倉庫が見えてくる。

一美はブレザーのポケットから鍵を刺してそのドアを開けた。倉庫の中にはごみ袋が無数に積まれてあった。
「舞子、ここに入るとよ」
一美が中に入るよう促すも、舞子は無言で下を向く。
「何やっとうとか?早く入らんか!」
一美は舞子の右腕を掴み、他の生徒も舞子を中に押し込んだ。

舞子を中に入れた途端、一美はドアを閉めた。
「ちょ、ちょっと開けてよ!」
舞子はドアを叩きながら叫び、ドアの叩く音と舞子の叫び声と一美達に響いた。

「おまえはゴミ同然だから、この中に入ってろ!」
美波が憫笑しながらドアの向こうにいる舞子に叫んだ。
「よしもう行くぞ。授業に遅れるったい。おまえ、鍵持ってろ!無くすなよ!」
一美が倉庫の鍵をある人間に手渡す、それは香奈だった。香奈は無言で鍵を受け取り、ブレザーの右ポケットに入れた。
一美達と香奈は別々にその場を去り、一美達の見えない場所で音葉がその様子を見ていた。

香奈が音葉の方向へ歩いてくる。音葉は香奈とすれ違う瞬間に右手ですばやく鍵を抜き取った。香奈はそれに気付かず歩いて行った。

音葉は倉庫の方へ目を向けた。閉じ込められてる舞子を助けてあげたいと言う気持ちがあるが、今助ければ香奈に責任を負わせられる事を避けたいと言う考え、舞子が現時点ではクラスで居場所がないと言う考えがあって、この場はあえて黙認する事にした。
音葉は一美達が行った事を納めた動画を誠良達とDに転送した。
「さて私も急がなければ」
音葉は足早にその場を走り去った。やがて三時間目のチャイムが鳴った。


誠良達は音葉から転送された動画を観ていた。
「全く一美達なんて事するんだろうね」
真岼は顔を強張らせた。

その後、音葉からのメールが誠良達の携帯に受信した。
”鍵は私が取っておきました。舞子さんを倉庫から出せない事は申し訳ないと思っております。でも今舞子さんを出せば、香奈さんに責任が行きます。だから一美さんの制服のポケットに忍ばせる工作を行っておきます”
と言う内容のメールだった。
「と言われても間倉に責任を負わせずに、衛原達にどうやって責任を負わせるかだな」
誠良は右手を顎に乗せて考える。

美紅は無言で誠良達と離れ、一人で席に座って、携帯の動画を見て顔を強張らせていた。クラスのみんなは美紅が元気がないのを心配している表情だ。
「ねえ美紅にもメールが届いてるだろうし、彼女変な行動起こさなきゃいいけど」
里実が美紅の方を見て、心配そうな顔を浮かべている。
「さっき休み時間になって間倉が出て行ったの見て、あいつ相当浮かない表情をしてたよな。その間倉もまだ戻ってきてないし。次はあの馬鹿玉野の授業だぜ」
武流が両手に頭を乗せた。

その玉野が教室に入ってきて、誠良達は自分の席に座った。
起立、礼をした後、玉野が授業を始める瞬間、香奈が教室に入ってきた。
「間倉さん。遅刻よ!」
「すいません」
香奈は小さく頭を下げた。
「何やってたの!私の授業聞く気ないの!」
玉野が香奈を罵り始め、誠良達のクラスは思い空気に包まれる。美紅はその玉野に鋭い目を向けた。

「貴方が遅れたから私の授業が遅れてのよ。悪いと思わないの!」
玉野が時計を指さしながら、香奈に冷やかに言い放ち、香奈は下を向いた。
誠良は“授業遅らせてるのはおまえだろうが”と心の中で思い、顔を強張らせる。

「貴方は昨日も生徒指導室でうちのクラスに迷惑をかけたわね。だから私の授業に迷惑をかける訳なんだ?」
「け、決してそういう訳では」
玉野の冷やかな台詞に、香奈は小声で答えた。
「いいわ。貴方みたいな人は私の授業を聞いてほしくないわ。出て行きなさい!」
玉野は香奈に教室を出て行くようにクラス中に聞こえるように言い放った。

納得のいかない美紅が机を両手で叩き、席を立った。みんなは一斉に美紅の方を向いた。
「なんなの?留学生さん。私に文句あるの?」
玉野は美紅の方へやってきた。
「留学生さんって?私の名前を覚えてないんですか?」
美紅は微笑を浮かべる。
「何よその馬鹿にした言い方は!中国人はこれだから」
玉野は美紅に冷やかな笑みを浮かべる。
「中国人だからって何ですか?」
美紅は鋭い目を向けた。
「だってそうじゃない?何かあると中国人は日本を責めるじゃない!馬鹿じゃないかと思うよ」
玉野の台詞に、クラス中が凍りついた。

「確かに中国人は日本に対して責めてるところはあると思います。だからって中国人全部がそうだと思ってほしくありません!」
美紅は強気で玉野に詰め寄った。
「同じじゃない!私の授業邪魔してるところがね。私が日本人だからでしょ!」
玉野は美紅を睨みつけた。
「日本人だからどうとかじゃなくて、先生がどうだかって事じゃないですか?」
美紅は大声で玉野に更に詰め寄った。

「先生、もう授業始めませんか?」
この状況を重く見た誠良は打開するために、横やりを入れる。
「何よ楷真君。貴方に関係ないでしょ!」
玉野は誠良を睨みつけた。
「ありますよ。私だけじゃなく、このクラスに。そういう無駄話する暇があるんだったら、授業始めてください」
「無駄話って何よ!こいつらが原因じゃない!」
玉野は怒鳴りながら美紅と香奈に一指し指を向けた。

誠良は玉野のそんな行動にため息をついた。
「何よその態度は?そうか貴方も私の授業を妨害する気ね!いいわよ!楷真君も間倉さんも留学生さんも教室から出て行きなさい!」
玉野がクラス中に大声で叫び、誠良は玉野の行動に呆れる。

「他に私の授業を聞く気ない人はいないの?」
武流や統哉が立とうとするが、誠良が右手を出して制止する。
「玉野先生。そんなに気が立ってるのは貴方の恋人とうまくいってないからですか?」
真岼が席を立ち、玉野に冷やかな表情を浮かべた。

玉野は焦った表情になるも、真岼を睨みつけた。
「貴方も出て行きなさい!」
玉野が大声で真岼に叫んだ。
「玉野先生。貴方がそんな態度で授業するなら、俺は聞く気ないから」
誠良は玉野にそう吐き捨て、美紅と真岼に顔を縦に振り、席を離れる。
美紅は鞄から封筒を取り出し、ブレザーの胸ポケットに入れた。
三人は香奈と供にクラスから出て行った。

玉野の授業をボイコットした誠良、真岼、美紅。
美紅が取りだした封筒の中味とは?
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~ Comment ~

No title

玉野先生、本気で何がしたいんだか……。
もう何かの工作員にしか見えないですよ。

ライトさんへ

玉野先生は自分が気に入らない生徒がいたら、何かにつけて難癖つけるんですよ。

しかも気の弱い生徒ばかりね。玉野先生は自分が一番と思ってるから、決して自分が悪いと言う事を認めようとしない。しかし自分が解決できない問題は見て見ぬふりをして、更に助長させる。性質が悪いです。

今回の事で誰かさんが相当怒ってます。

何かの工作員?どうでしょうかね?
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