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「Music of Life」
FINAL CHAPTER「親愛の贈曲」

FINAL CHAPTER「親愛の贈曲」31

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誠良が二人に問い続ける。
「神里さんや高城さん達の動きを制限するために、ここまでする必要はあったのか?あんたらも俺らと同じなら、対象者だけを狙えばいい筈だ。こんな大まかな事をしなくてもな」
「本来ならそう。でも今回の“依頼人”の計画は大規模なものなのよ。その内容は教える気はないけどね」
誠良の問いに、和世は冷笑を浮かべて返す。

和世が続ける。
「世の中と言うのは理不尽なものよ。目に見えるものから、目に見えないものまで。例えば今回のいじめ問題にしても、学校は表沙汰にしないわ。したら貴方達も困るでしょうけど、他の例では加害者はのうのうと学校に来ているし、何も生活に変化が起きない。これは学校に限らず、企業、家族間、地域の付き合いなど、トラブルはある。それが火種となり、やがて人生を狂わされたり、あげくの果てには生命を脅かす事にもなる。戦場や裏稼業ならまだしも、表でしかも、なんのつても持たない人間がこういった真似事をするもんだから、“依頼人”はこの現状に嘆いているわ」
「そのために俺達がいる」
「貴方達がやる事は所詮、対象者の人生を壊すだけでしょ。ここにいる谷尾さん達はこれで改心した?貴方達の事を話したら、復讐に燃えたわ。貴方達は“生かさず殺さず”がモットーだけど、生きていればこういう輩はまた同じ事を繰り返すわ。だから“依頼人”は“生かしもしない”そして“殺しもする”と言う方針を抱いている」
「その“依頼人”と言うやらにそこまでしてやる義理はないだろ」
誠良は和世の語る“依頼人”の方針を否定する。

和世が更に続ける。
「その“依頼人”の方針に感銘を受けたと言っておきましょうか。法に触れないからって、非人道的行為を行う輩を生かしておくのも頂けないとね」
「だとしても今回の事はルールを逸脱してるんじゃないか?」
「だからさっきも言った通り、貴方達の様な人間がいるんだから、仕方なかったのよ。堀本さんが無事で安堵してるし、琴美さんだって心臓の手術を受ける事になったんでしょ。強いて言えば今回の事は貴方達が招いたと言ってもおかしくないんじゃない?」
「話を聞く限り、遠まわしに言えばそうかもしれないが、今回の事は許されないぞ」
誠良が和世の意見に反論する。

和世が笑みを浮かべ話し続ける。
「なら楷真君。貴方にも罪がないと言えるのかしら?」
「そりゃこういう仕事は世間では許さないだろうよ。だが時には必要だからやるだけだ」
「貴方達もそうやって同じような意見でしょ。でも貴方にも隠してる事があるんじゃない?」
「どういう意味だ?」
「ここにいる間倉さんはどうしてここにいると言える」
「それは成り行きだし、あんたら勝手に連れてきたんだろ?」
「本来なら楷真君、河奈さん、張さんの三人で会う予定だったのよ。でも貴方達と間倉さんに意外な接点があったからね」
和世の言葉に誠良と麻岼が浮かない顔を浮かべる。

美紅が二人に問い始める。
「え?どういう事。高校より以前に香奈と会った事があるって事が意外な事?」
「I not.Miss Chan(そうじゃないわよ。張さん)。間倉さん。貴方のご両親はどうしてるかわかるかしら?」
和世は美紅に英訳で返答した後、香奈に顔向け、問うた。
「え?」
香奈は和世の問いに驚いた表情を見せる。

そのタブレットの動画を見て、驚くべき光景が映っていた。
タブレットの動画は女性がガムテープで口を塞がれ、手足が縛られている。そして水のようなものをかけられる。
「(貴方は人としての罪を犯したので、死ぬ事になります)」
声の主はエフェクトがかけられ、性別が判明しない。
女性は「うーうー」と首を振りながら怯えている。
やがて火が付いている紙のようなものが女性に投げられ、女性の体が一気に燃え上がった。

この動画を観た誠良達は体を震わせた。
「そ、そんな。お母さーん!」
香奈が響くくらい大声で、タブレットに向かって叫んだ。
香奈はしゃがみこみ、涙を流し始めた。

美紅は香奈にかけよって、香奈を抱きしめ、下條と和世を睨みつけた。
「当做了什么杠杆!(何てことしたの!)」
美紅は涙を流しながら、二人に怒声を上げた。
「Assumed it any lever; do appear? She received the proper judgment.(何てことしたのって?彼女は当然の裁きを受けただけよ)」
和世は美紅の怒声にさらりと英語で返した。

和世が続ける。
「さてと。次はお父さんの事話そうか?」
「よせ!もうよせ!」
「ふふん。楷真君。話の流れからすると、間倉さんの心情を察して、止めたいんでしょうけど、本当はそうじゃないでしょ?」
「彼女の心情を察してだ。もうこれ以上彼女苦しめるな!」
和世の意見に誠良は必死に反論をする。

和世は沈んでいる香奈に顔を向ける。
「ねえ間倉さん。貴方のお父さんって自殺したのって本当だと思う?」
和世の問いに香奈は顔を上げなかった。


和世が口にする香奈の父親の死の真相とは?
そして誠良達との関わりとは?
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~ Comment ~

NoTitle

香奈ちゃんのお母さんがまさかそんなことに……!(゜o゜)
そしてお父さんの死にも裏事情がありそうな感じですね。そしてそれが先生の言う『意外なつながり』……??
どんどんいろいろなことが明かされてビックリしてます。続きも楽しみです!

椿さんへ

この展開は驚くでしょうね。でもこの展開はずっと前から考えてた事です。
漸く形に出たものです。本当はこの話でやるべきか考えましたが、物語の展開上、出す事にしました。
「意外な繋がり」と言うのは更に絶望する事になるかもしれません。
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