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「Music of Life」
CHAPTER3「悲哀の少女・後編」

CHAPTER3「悲哀の少女・後編」5

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教室を出て行った誠良達は廊下を歩いていた。
「な、何で私のた、ために・・」
香奈が言葉に詰まりそうな感じで誠良達を見た。
「誰のためでもないよ。あいつが気に入らないからさ」
誠良はあっさりと香奈に言い放った。
「わ、私に構わないでって言ったじゃない!」
香奈は押し殺した声で誠良達に言い放ち、その言葉を聞いた美紅が香奈の手を引いて廊下を走り出した。

「おいグッピー!何処行くんだよ?」
誠良は周囲が授業中である事を配慮して小声で美紅に言った。
「な、何するのよ!」
「黙ってて!」
香奈は振りほどこうとするが、美紅は手を離さず、香奈を連れて廊下を走りだし、誠良と真岼はため息をつくも美紅の後を追った。

香奈を連れ出した美紅は人の気配がないところに着き、そこで足を止めた。ここは朝に誠良達が音葉と会話した場所だ。
「何でそんなに私に構うのよ。貴方なんか大きっらいって言ったじゃない?」
香奈は人の気配がないからなのか?少々大声で叫ぶ。
「それは本音で言ってるの?」
美紅は香奈の目を見て言い放ち、香奈は黙って目をそらした。

誠良は間に入ろうとするが、真岼に阻止される。
「二人だけにしてあげようよ」
真岼はそう言って、誠良と少し離れた場所に移動する。
「まさかあいつ!このためにわざと授業抜けるような真似を」
「さあどうだかね。こうなったのは成り行きだけど、グッピーにとったら香奈と二人きりになれるチャンスじゃない」
真岼は誠良にウインクした。

美紅は目を逸らしてる香奈を両手で、美紅の方に向けさせる。
「香奈は今、複雑な状況にいるのはわかる。そして今誰も信じられないと言うのもね。だから私がいくら言葉で言っても届かないんだろうと思ってる。だから香奈。これを貴方に」
美紅はブレザーの内ポケットから、教室から去る時に鞄から持ち出した封筒を出して、香奈に渡した。

「あいつ何渡す気だ?まさか愛の告白!」
「もう統哉みたいな事言って!」
誠良の台詞に真岼は呆れた。

香奈は封筒を持ったまま、無言で立ち尽くした。美紅が真剣な眼差しで香奈を見つめている。その顔を見た香奈は封筒を開けて、手紙を取り出し、香奈が両手で手紙を持ち、黙読をし始めた。
香奈が黙読をしてる間、周囲は緊張した空気が張り詰める。
やがて全部読み終えた香奈は、左手で口を押さえ涙を流し始める。

香奈の涙を流す姿を観た誠良達は美紅と香奈の下に走っていく。
「お、おい!おまえ何書いたんだよ?」
誠良は美紅に問い詰めるが、美紅は無言で香奈を見たままである。

「香奈どうしたの?」
真岼が香奈から手紙をゆっくりと自分の手に移した。
「なんて書いてあるんだ?」
誠良も美紅の手紙を見る。手紙はパソコンで書いたもので、日本語表現は少々おかしいものだった。

内容は香奈に対して、貴方は私を信じられないかもしれないけど、私は信じてると言う事。貴方がどんな仕打ちを受けたとしても、私は貴方の味方である事。香奈が私を否定したとしても私は貴方を否定しない。貴方が今苦しい状況にいても私には未熟かもしれないけど、貴方の悩み、不安を取り除ける存在でありたいなど、香奈に対しての思いが綴っていた。愛の告白とかは書いていなかった。

「へぇ泣かせる文章じゃない」
誠良は手紙の内容を美紅に褒める。
「誰が勝手に読んでいいって言った」
美紅が笑顔を浮かべたまま、手紙を真岼から取り上げた。
「グッピー。こんなのいつ書いたの?」
「昨日の夜に書いた。私なりに一生懸命考えて書いた。口で伝えるより、手紙の方がいいと思ってさ」
真岼の質問に答えるも、美紅は不安そうな顔を浮かべた。
「どうしたのグッピー?」
「香奈の心に届いたかどうか不安なんだ」
美紅が不安を吐露する。

「と、届いたよ」
香奈が涙を拭きながら、唇を歪ませている。
「香奈、どうしたの?そんな顔をして」
真岼が香奈に問うた。
「香奈は笑った時、そんな顔になるんだ」
美紅が笑顔で香奈の顔の意味を真岼に教えた。
“自分を押し殺した末に、笑う事を何処かに封じ込めた故の結果と言う訳か”
誠良は香奈の唇を歪ませて笑う原因を推察している。

「わ、わかってたよ。美紅さんが私に優しく接してると言う事が。美紅さんと話すと楽しいから」
香奈の涙ながらの言葉に、美紅は微笑した。
「でも本当に信じるべきかわからなかった。わ、私は友達に恵まれた事がなかったから。友達がどういうのか知らないから」
香奈は涙声で話した。

美紅はゆっくりと両手で香奈の両肩を乗せ、香奈の顔を見た。
「いきなり信じてくれって言われても無理かもしれない。でもこれから少しずつ話していって、心を開いてくれればいい」
美紅が涙を流しながら香奈に笑顔で語りかけた。

「昨日、貴方にあんな事言ってごめんね。どうしたらいいかわからなくて、つい貴方に当たってしまって」
香奈が涙を流しながら、美紅へ謝罪した。
「わかってる。わかってるよ」
美紅は顔を香奈に近づけた。

その行為を見た誠良は顔を歪める。
「おいグッピー。何やってるんだよ?」
誠良は美紅の行為を止めようとする。
「ソーリー香奈。また変な癖が」
美紅が我に戻り香奈に謝るが、しかし香奈は両手で美紅の顔を近づけさせた。
「え!香奈どう言う事?」
真岼が香奈の行動に驚き、美紅も驚愕した。

「これが美紅さんの友情の証なんでしょ?女の子同士でキスしたりハグしたりするのは今や珍しい事じゃないってネットの記事で書いてるのを見た」
香奈は唇を曲げる事はなく、両の頬を緩ませた笑顔になり、その顔を見た美紅は微笑んだ。

「この前みたいに額にして。口じゃ恥ずかしいから」
香奈は顔を赤くして、美紅に要求した。
美紅は恥ずかしいながらも、顔に触れている香奈の両手を外し、香奈の前髪を両手で分けて、香奈の額に優しく口づけをした。
誠良達は美紅の行為もそうだが、香奈の行動にも唖然とした。
美紅はゆっくりと額から唇を離し、二人とも笑顔で向き合い、美紅は香奈を抱きしめた。
誠良と真岼は二人の行為に目を丸くするも、二人の間に友情が芽生えて始めてると感じた。

美紅の想いが香奈に届く。
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美紅と香奈に友情が生まれ始める。
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