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「BLACK PARKA -ブラックパーカー-」
古都(みやこ)の女

古都(みやこ)の女-5

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外資系金融会社GBグループ。電子流通部門で何やらチーフの古木(ふるき)が女性に叱責をしている。
「いつまでかかってるんだね?この書類は昨日までと言っただろ!」
「え?チーフ。これは明後日までと言いましたけど・・」
「昨日までだ。ちゃんと聞いてなかったのか?」
「昨日聞いた時は明後日までと言いましたけど・・」
「昨日までだ。ちゃんと聞いておけ!」
古木の叱責に沈む女性。
そんな女性に冷笑を浮かべる一人の女性、葛沢麻里(くずさわ まり)。

女性が沈んだ表情で自分の席に戻って行く。
「ねえ美里。私が頼んでた書類のコピー。まだなの?」
「え?それデスクの上に置いてますけど・・」
「これじゃないわよ!何やってるの!」
「え?それだと言ったじゃないですか?」
「こっちじゃないわよ!何やってるの?」
麻里が美里にオフィス内に響くほど、罵声を浴びせる。
「全く昨年の売上がトップで表彰されたなんて、上にへつらったんじゃないの?化けの皮が外れたのよね」
麻里が美里に嫌みを続けた。

美里がしょぼんとしながら、麻里に頼まれた書類をコピーにしに行った。
麻里の行為に周囲は何も言えず、静まりかえっている。

美里はGBグループに入社4年目である。研修期間を経て、トレーダー部門で実績を上げ、社から表彰され、今年の異動で電子流通部門に配属された。
電子流通部門に配属されても、実力を発揮した。しかし麻里がそれに嫉妬し、嫌がらせを始める。
チーフの古木は本来中立に立つものだが、実は古木は妻子ある身ながらも、麻里とは不倫関係なのだ。

古木も美里の実力を認めつつも、実力が左右する外資系の金融部門。いつ地位を脅かされるかわからない事から、美里の実力を落とすため、無理難題を美里に提示し始めた。
与えられた仕事に少しでもあると叱責し、麻里も自分の面倒な仕事を美里に押し付け、定時過ぎてもこなせない仕事量を与え、おまけに残業しすぎだと嫌みを言ったりする始末。

19時を回り、次々と帰宅していく中、美里は仕事をこなしていた。
「美里。まだ仕事がここまでしか終わってないの。仕事役に立たないわね」
「す、すいません」
麻里の嫌みに美里は下を向いて謝った。麻里は沈む美里をこき下ろしがら退社した。

麻里も実力はそこそこあるのだが、仕事はほどほど手抜きする方だった。
麻里は父親が政治家の有力者と言う事もあり、多少の事では問題にされず優遇されている。

美里は長時間労働にこういった嫌がらせが数カ月も続き、うつ病になっていった。
美里はほどなくして、欠勤が続き、睡眠薬を過剰に服用して自殺を図った。

この事は表に出る事はなかったが、古木は監督不行き届けで減棒処分となり、麻里は減棒を並びに事務職に異動となった。
しかし二人ともちゃんと指導したのに、美里がちゃんとしないからと言い分を並べるだけだった。

それから一カ月後、仁羅京香はGBグループに派遣されていた一人の女性にバーで会っていた。
京香は調査会社の人間になり済まし、スーツもきちんと来て対面した。
女性は派遣会社を通して、GBグループの電子流通部門に配属され、IT金融のメンテナンスを行っていた。

女性から詳細を聞いた京香が口を開く。
「なるほど。そないな事があったんですか?」
「ええ?美里さん。心身ともに崩されて、自殺を図ったと聞いて。美里さん若いのに、仕事もできたし、私のような派遣にも丁寧に接してくれて・・」
女性は涙を流しながら、京香に語る。

「それでその後、貴方も急に退職を強要されるようになったと?」
「ええ。美里さんのように嫌がらせされる事はなかったですけど、急にチーフから呼び出されて、外資系だから、急に退職になる事はありえる事でしょうけど、私のような派遣は組織があるので、ちゃんと猶予決めなければいけないのに、チーフから言いくるめられて、退職させられました」
「派遣会社の方はどう反応しましたか?」
「急な退職強要に多少抗議しましたけど、何しろ大きな金融機関だから、逆らえなかったのでしょうね。表向きに契約解除でしたけど、実際は嫌がらせですね」
「そうですか?ブラックですね」
「そう。ブラックですね・・」
京香の言葉に女性は下を向く。それからも京香と女性の会話は続いた。

「私達はこの件をある筋から極秘に調査しろと言われました。会社の事を話しづらいと言う人間が多数でしたので、今回の調査のご協力に感謝します」
「ええ。もうあの会社とも関係ないですから・・」
「これは謝礼金です。この事は表に出しません。今日はありがとうございました」
「え?いいんですか?」
「ええ。協力してくれた謝礼と言う事で」
京香は札束の入った封筒を渡し、一礼をして、その場を去った。封筒の中身は三万円が入っていた。

京香は京都に戻り、携帯にコンタクターからのメールが届いた。


コンタクターから京香に
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