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「Music of Life」
CHAPTER3「悲哀の少女・後編」

CHAPTER3「悲哀の少女・後編」7

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誠良達は学校内を移動していた。誠良はまず音葉に携帯で玉野と揉めて、真岼と美紅、そして香奈と供に教室を出て行った事。寛斗と隆矢が倉庫の鍵を力任せにこじ開けて、舞子を救出した事。シノに舞子の他に、自分達の存在を知られてしまった事をメールにして送信した。後に武流と統哉と里実には教室内での出来事以外の事をメール送信した。やがて二時間目終了のチャイムが鳴った。

二時間目終了と供に誠良達は自分の教室の近くに来たが、4組の教室の前に寛斗と隆矢、シノが立っていて、舞子がシノの後ろに隠れてる感じだ。それを見た誠良達は隠れた。
「やべぇ、シノさんがいるよ。さっきの事どう言うよ」
「シノさんは舞子の事で来たんだよ。でも香奈も関わってるからね」
真岼は香奈に聞こえないように、誠良に言った。

少し後ろに美紅と香奈がいる。
「わ、私が舞子を閉じ込めた事に関わってるんだ」
香奈の言葉に、誠良は知っていながらも知らない風に装って、驚いた顔を浮かべる。

「香奈、どういう事か話して」
美紅の問いに、香奈は話し始めた。一美に携帯でメールで一時間目が終わったら、ゴミ置き場倉庫に来るように言われ、そこで待ってたら、一美や一美のクラスの何人かが舞子を連れてきて、倉庫に閉じ込めた事、そしてその鍵を一美から預かってると言った。
「その鍵は昨日から紛失してると聞いたけど、香奈はその鍵を盗って来いと言われなかった?」
「それは言われなかった。舞子の事は突然だったから。倉庫に閉じ込める事も知らなかった」
真岼の質問に香奈はそう答え、誠良達は香奈が鍵を盗って来いと言われてないのは本当だろうと思った。

4組のクラスの人間達が戻ってくる。シノは顔を強張らせ、4組の面々に近づいていった。
「あんた達、堀本さんを倉庫に閉じ込めたでしょ?」
4組の面々は一度は一端足を止めるが、すぐに何も言わず教室に入っていった。しかし一美や美波やこの件に関わった者達は青ざめた顔を浮かべていた。その顔を見たシノは一美達に近づいていく。
「衛原さん。堀本さんをゴミ置き場倉庫に閉じ込めたでしょ?」
「し、知りません」
一美は声を震わせながら、教室に入ろうとしたが、隆矢に左腕を捕まれる。
「おい待つとよ。そげな足早に去るとは後ろめたい事があるんじゃないとか?」
「何の事いおるとか。離さんね」
一美は大声を出して振りほどこうとするが、隆矢は離さない。

「羽島先生。今度は何ですか?」
玉野が5組から出てきて、シノに呆れ顔で言った。
「玉野先生。堀本さん、今度はゴミ置き場倉庫に閉じ込められたんですよ」
シノが顔を強張らせて、玉野に詰め寄った。
「堀本さんが自分で入ったんでしょ?その鍵昨日から紛失してたし、堀本さんは昨日盗んで勝手に入ったんじゃないですか?」
「はあ!あんた何言ってると?」
寛斗は玉野の返答がカンに触り、睨みつけた。

「玉野先生!あの倉庫の鍵は外しか開けられないようになってるんですよ!中からは鍵がかけれらないんです。その事は知ってるでしょう?」
シノの返答に玉野は一瞬、間を置き、
「堀本さんが誰かに頼んで鍵をかけたって事でしょ?堀本さん変わったとこあるからね」
玉野の冷やかな笑みを浮かべて、シノと舞子を馬鹿にする。

「おまえ殺すぞ!」
寛斗が鬼の形相で玉野に掴みかかる。周囲がざわめき始める。
「本山君辞めなさい!」
シノが寛斗の肩を揺らしながら、寛斗に訴える。
「このババア。殺してやる!」
寛斗はシノの訴えを聞かず、玉野の胸倉を掴む。玉野は冷やかな目で寛斗を見ている。
「寛斗。ここはシノちゃんに免じて、引いてやるとよ。あいつみたいに停学になりたくなかろう」
隆矢は笑顔で寛斗を説得した。寛斗は納得いかないながらも玉野の胸倉を離す。

「羽島先生。私は次の授業があるんで、もう行きますね」
玉野が吐き捨て、去ろうとすると、誠良が玉野の前に立った。
「何よ。楷真君。退きなさいよ」
「そいつらとは関係ないけど、俺は貴方に話しがあるんですよ」
誠良は玉野に鋭い目を向ける。

“誠良、どうして出て行くの?そうか!”
真岼は周囲を見回した。玉野に一美達がいる。音葉が工作に成功したなら、この状況ならと、誠良なら何をすべきか察した。離れたところで音葉がブレザーの右ポケットを軽く叩いて、誠良に見せている。
誠良は一美のブレザーの右ポケットに入っていると理解した。

「話って何よ?」
「さっき俺らに言った事、謝ってもらえないでしょうかね」
「あんた達が勝手に出て行ったんでしょ!」
「貴方に出てけって言われたから出て行ったんですよ。それに貴方が留学生さんと言った人に、自分の国の悪口を言ったじゃないですか?その事で謝ってくださいよ」
「言った覚えなんかないわよ!」
玉野はその場を去ろうとするが、誠良は右手で玉野の右腕を掴み、思いっきり振るって玉野を一美にぶつけた。一美の体にぶつかった途端、小さな金属音が聞こえてきた。耳のいいシノはその音を聞き逃さなかった。

「楷真、おまえ何しよるとよ!」
一美は誠良を睨みつけ、誠良は不敵な笑みを一美に返した。
「おいおい兄ちゃん。危なかろうが」
隆矢は呆れるような表情で言った。誠良は右手ですまないと隆矢に示す。

シノがすぐさま一美に駆け寄り、一美のブレザーの右ポケットに手を入れた。
「な、何するとですか?」
一美は右手でシノの体を押す。シノは離れ際に、右ポケットから手を抜いた。シノの手には鍵らしきものがある。
「こ、これ!昨日紛失したゴミ倉庫置き場の鍵じゃない!貴方達なの?堀本さんを閉じ込めたの?」
シノは一美達を睨みつける。
「そ、そんな馬鹿な。なんであたしのポケットに、あ、あるとよ」
一美が青ざめた表情を浮かべた。一美の周囲にいる人々も意外な展開に驚愕の表情となっている。

「玉野先生、これでわかったでしょ?堀本を閉じ込めたのはこいつらだと」
誠良は玉野に冷やかな言動をした。
「だから何だって言うのよ。誰かが衛原さんのポケットに入れたのかもしれないでしょ!」
「いいや。こいつは鍵を見た瞬間、何で自分のポケットにあると言ったんですよ!そういう風に言うって事はこれが何の鍵か?知ってたからなんですよ」
誠良の言葉に一美は目をそらし、玉野は無言になった。

「もう言い逃れできんとよ」
隆矢は一美の左腕を締め付ける。
「衛原さん。貴方なのね?」
シノは一美に詰め寄る。

一美はそらした先に香奈の姿を見た。
「香奈、裏切ったのか?」
一美は香奈に大声で叫び、香奈は美紅の後に隠れた。

その言葉を聞いた真岼は一美のそばに近づく。
「裏切ったってどういう事なの?香奈に何かさせたの?」
「おまえには関係なかっちゃろうが!」
真岼は問い詰めるが、一美は突き放すように大声で返した。

「衛原さん!貴方はなんて事したの!」
シノは怒声を上げながら右手で一美の左肩を揺らし、一美は唇を噛みしめ、シノを睨みつけた。

「あのなあ衛原、間倉が裏切ったってどういう事かな?あいつに全部罪をかぶせようとしたのか?」
「あ、あいつに鍵を預けたとよ。何であたしのポケットに入ってたか、わからん」
「おまえ、本当は鍵を預けるふりして、自分で持ってたんじゃないか?」
「本当に預けたって言っとろうが!」
一美は強気で誠良に言い返した。

「間倉さん。本当なの?」
シノは香奈に問うた。
「え、ええ、預かりました」
香奈は下を向いて答えた。

香奈の答えを聞いた誠良は、
「あれ、おかしいな。それじゃ何で衛原の制服のポケットに入ってたんだろうね」
「し、知らんとよ!誰かが入れたとよ!」
「じゃあそれを証明する人いるかな?」
誠良は一美に不敵な笑みを浮かべた。

誠良のすぐ近くに武流、統哉、里実がその状況を見ている。音葉も一美のうろたえてる姿に冷やかに笑みを浮かべている。そして冴が遠く離れた場所に、この状況を両腕を組みながら観察していた。

追い詰められいく一美。
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