「BLACK PARKA -ブラックパーカー-」
古都(みやこ)の女

古都(みやこ)の女-13

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電話の相手は麻里からだった。
「もしもし」
『金田京子さんですか?』
「ええ、そうです」
『財布の落とし主の葛沢です』
「見つかったんですか?それは良かったです」
京香は麻里の財布が届いた事に安堵する。

『さっきぶつかった子ね。あの時は急いでたので、気が立っていたので、あんな態度をとってごめんなさい』
「いえいえ。財布が無事貴方の元に戻った事に安堵してます」
『財布の事には感謝してるわ。それにさっきの事もあるし、何かお礼させて』
「いえいえ。そんなお礼やなんて・・」
京香は遠慮がちに返す。

『これがなかったらどうしようかと思ってたし、今一人だし、何かしたいのよ。だからお礼させて』
「お礼ですか?どういったものです?」
『このホテルのラウンジの三階にレストランがあるの?晩御飯まだでしょ?だからお礼に奢ってあげようと思って』
「いやあそんな。ええんですか?」
『いいわよ。貴方一人なの?』
「いえ。連れが一人。女の子なんですが・・」
『だったらその子も連れて来なさいよ』
「では連れに聞きます。少しお待ちください」
京香は携帯の通話口を左手で塞いで、携帯でゲームをしている樹里を呼んだ。

「おーい樹里。葛沢麻里から電話が来てるで」
「え?来たんだ?」
樹里は携帯ゲームを中断して、あっけにとられた表情で、京香に顔を向ける。
「葛沢麻里がな。晩御飯奢ってくれるって」
「ええ!本当に!」
「ほんまや。あんたも来てええって言ってんで」
「じゃあ行く行く」
樹里は麻里の誘いに歓喜の表情を浮かべる。

樹里の了解を聞いた京香は再び携帯を耳に当てる。
「行く言うてます」
『決まりね。じゃあ7時に祇園亭と言う店に来て。そこの入り口で待ってるわ』
「わかりました。7時にそちらに伺います」
そう告げて通話をOFFにした。

京香は樹里の方に顔を向ける。
「よし!今から葛沢麻里と食事や」
「わあ。何をご馳走してくれるのかな?」
「祇園亭言うてたな。何の店やろ?」
京香は携帯にアクセスして祇園亭を検索し始めた。
「何か焼き肉屋みたいやで」
「私、焼き肉好き」
「まあ匂いとか気になるけど・・でもここ高いで」
京香はタブレットに記載されている料金プランを樹里に見せる。

「えー!一番安いコースで15000円!」
「ここのホテルが高級クラスのようにレストラン等も高級店ばかりや。だからそんな値段なんやろうな」
「本当にこんなに高くて奢ってくれるのかしら」
「葛沢麻里は会社を依願退職しても、その経験を生かして独自でも株で儲けてんねん。ここは彼氏の古木の予約やけど、あいつも金をそれなりに持ってるから大丈夫やろ」
樹里の不安に京香が麻里のデータを用いて不安を和らげる。

「とこでな樹里。あたしが偽名使ってるようにあんたにも使ってもらうで」
「なんて名前にするの?」
「これや」
京香は樹里に身分証を提示した。
「Rit大学文学部。木坂樹里(きさかじゅり)!変わったの名字だけじゃん」
「偽名使うにもそんなに変えん方がええ思ってな。あたしはあんたの事樹里呼んでるし、あんたはあたしの事を京ちゃんと呼んでるやん。偽名言うても頭の中でもわかっててもつい本名で言ってしまう事があんねん。だからあたしは今回は誰かと組むんやったら名前を少しだけいじる事にしてんねん」
京香は樹里に偽名の理由について説明をする。

更に京香は樹里に注意を促す。
「それとな。色目使こうたらあかんで。変に思われたら仕事がやりにくくなるからな」
「はーい」
「じゃあもう7時やで。支度して行くで」
「それはいいけど、いつまで変装しておくの?」
「ここを出て葛沢麻里を捕獲するまでや」
樹里と京香は支度をして部屋を出て祇園亭に向かった。


樹里と京香が麻里との対面に向かう。
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