「BLACK PARKA -ブラックパーカー-」
古都(みやこ)の女

古都(みやこ)の女-15

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樹里は肉やホルモンを次々と鉄板に並べる。
「なあ樹里、ゆっくり入れえや。あたしや葛沢さんの入れるところが無くなるやんけ」
「だって早く食べたいんだもん」
樹里は京香が注意するも、頬を膨らせて返す。

「いいわよ。私の奢りなんだし・・」
「そうよ京ちゃん。奢りなんだから、遠慮なくよ」
樹里はそう言って生の肉を焼き始める。
そんな樹里の行動を麻里は笑顔で見るも、何処か冷めた目をしていた。

焼き具合が丁度よくなり、焼けた肉を皿に次々と乗せた。
「いっただきまーす」
樹里は肉を次々と口に入れる。そんな行為に京香は、
「もっとゆっくり食べろや」
「ん?にゃんで(何で)」
「ものを口に入れながら話すなアホ!」
樹里は食べながら返した事に、京香は呆れながら返した。
「にゃっておははがふいてるんやもん(だってお腹がすいてるんだもん)」
「だからちゃんと食べてから話せや」
止まらない樹里の行為に京香は辟易する。

そんな二人を見ている麻里は大笑いする。
「あはははは。あんた達二人とも面白いね。二人とも芸人になったら」
「ほはらいななんて(お笑いなんて)・・」
「食べてから会話せい言うてるやろ!」
麻里の言葉に樹里は愛も変わらず食べた物を口にしながら会話をし、またまた京香に注意される。

樹里は口にある肉を喉に通してから、口を開く。
「お笑いなんて、ドリフかしくじり先生しか観ないよ」
「はい?」
樹里の的外れの言動に京香と麻里は目が点になった。

「Rit大と言うから、もう少し賢いかと思ったけどね」
「え?」
樹里の反応を見た麻里の言動に京香が反応する。

「ああ気にしないで。悪気はないの。私オブラートな表現が苦手だから、言動がきついって言われるの。でも本当に悪気がないから気にしないで」
麻里は自分の言動について正当化して述べる。

麻里が更に続ける。
「でも最近の大学はピンキリ激しいしね。私も勤めていた頃ってさ。名のある大学出ても、仕事はからっきしだし、プライドだけは一丁前に高いし、こいつら大学行って何してたんだって思っちゃうよ。私も会社辞める前までは主任だったしね。下にそんなのがいると苦労してたわよ」
「はあ。大変ですね」
麻里の愚痴と自慢話の混同に京香は相槌を打った。

樹里は麻里の話より、ライスを注文して、肉を焼いて、食べる方が大事のようだ。
会話は主に肉を焼き、食しながら、京香と麻里が対話している。

麻里が口を開く。
「それでさ。私が会社辞めるちょっと前なんだけど、仕事ろくにしない癖に、妙に回りから慕われてた奴がいたのよ。慕わられるだけならまだしも、仕事できないのはちょっとね。だから色々と指導しても全く進歩しなくてさ。まあ私もきつい事言っちゃってさ。その彼も彼女の事は手を焼いていたわね」
「その人どないなったんですか?」
京香はこの話題は美里の事だと察しながらも、初めて聞くような感じで聞き返した。

それを聞いた麻里が強張った表情を浮かべる。
「そいつ?厄介な事してくれたわよ!なんか精神的な病になったとか言って、私がパワハラしたって事になったのよ。それで彼氏にも責任が来てさ。まあ彼氏は異動になっただけで、役職付きだけど、私は閑職に追いやられたのよ。それで高かった年俸も下げられたし、嫌になったのよ」
麻里は感情を露わにし、真実を捻じ曲げて、正当化して返答した。
京香は元より食べる事に夢中な樹里も動きを止めた。

「あの・・・聞いてはあかんかったですか?」
「あ、ごめん大丈夫よ。さあ食べましょう」
「ええ」
麻里は気を取り直して、焼いた肉を舌鼓し始めた。

その後も京香と麻里の会話は続き、盛り上がっていた。麻里は感情を露わにする事はなくなった。樹里はほとんど会話に参加する事なく、食べるか携帯をいじっているだけで、早くこの会食が終わって部屋に戻りたいと心の中で思ってた。

約二時間くらいの会食が終わり、麻里がカードで支払いを済ませ、店から出ようとする三人。
「どうも御馳走様でした」
京香がお礼を述べ、樹里のぎこちないながらも頭を下げた。

そして樹里と京香は部屋に戻り、麻里も自分の部屋に戻って行った。


会食が終わり部屋に戻る樹里と京香。
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