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「Music of Life」
CHAPTER3「悲哀の少女・後編」

CHAPTER3「悲哀の少女・後編」14

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一美達は屋上の奥に集まっていた。他の生徒からは見えにくい場所だ。
「理代、話って何と?」
「一美、あんたは呼んでないけど、まあ良かよ」
一美の問いに理代はブレザーの内側の胸ポケットから携帯を取り出し、ディスプレイを親指でタッチして動かした。

そして画面を美波に向ける。その画面を見た美波は青ざめた顔を浮かべる。
「これどういう事!美波?」
「いや、それは、その」
理代が鬼の形相で問い詰め、美波はあたふたしている。

「それがなんなんだよ!」
それを見た安恵が横から口を出した。
「ふざくんな!この動画を送った張本人が!嫌がらせのつもりか?」
「ちょっと待ってよ!あたし送ってないよ!」
理代の怒声に対し、安恵は反論した。
「じゃあ何であんたのアドレスで受信されてるとよ?」
理代の返答に安恵は自分の携帯をブレザーから取り出した。
「え!なんで?なんで?」
安恵は携帯のディスプレイを見て、理代の携帯への動画添付のメールの記録が残っていた事に青ざめる。

「安恵、本当に送ってなかと?」
一美が安恵の携帯の記録を見て、心配そうに問うた。
「本当だって!本当に理代の携帯にメール送った覚えがないのよ!」
安恵はみんなに弁解する。

一美は理代に鋭い視線を向ける。
「本当に理代にこのメールを送ったとしても、この動が何とよ?竹森と美波がキスした動画っちゃろうが!これの何が気にいらんとよ?」
一美が動画について理代に問うた。

理代の携帯に送られてきた動画は誠良が二時間目が始まる前に送信したものだ。
昨日武流がデジカメで盗撮した竹森と美波の動画であり、安恵の携帯のデータを手に入れてた誠良達は安恵のメールアドレスになりすまし、なおかつ安恵の携帯と相互作用を起こすため、安恵本人が送信しなくても、安恵の携帯から発信される事になるのだ。

「おい美波!どういう事か説明してもらおうか?」
理代が美波を問い詰め、美波の顔がひきつっている。

「内原!美波が俺と付き合ったっておまえに何の関係があるとよ?」
竹森が間に入る。
「竹森君。美波といつからこういう関係とよ?」
「つい最近ばい。だからそれが何って聞いてるとよ」
竹森は理代が怒る理由は理解できず首を傾げた。

理代と美波は一線を超えた関係なのだ。しかし美波は最近、竹森に心が傾きだしたのだ。

理代と美波のそういった関係は周囲は知らないのだ。理代は本当の事を隠しつつ語り始める。
「竹森君。あたいはあんたに気があったとよ。美波があんたに気があったのは薄々わかってたけど、一言言ってくれたら良かったとよ」
「そがな事で怒る事か?だったらおまえが言えば良かったやん!言ったとしてもおまえと付き合うのは遠慮するっっちゃけんな」
竹森は理代に反論する。

「理代、美波に先を越されただけだろうが、そんな事で呼び出したのか?」
安恵は理代につっかかるが、理代は安恵の胸倉を掴む。
「安恵!メールを送った張本人がよくそげな事言えるっちゃね。あたいに対しての嫌がらせっちゃろうが!」
「何の根拠もないのに言ってくんな!ボケ!」
安恵は理代に悪態をついた。
悪態をつかれ、勘に触った理代は右拳を安恵の腹に思いっきり放った。安恵は腹を押さえて沈み、すすり泣きをする。続いて理代は右足を振るって安恵を蹴った。
「痛いよ!」
安恵は声をすすりながら泣きだした。

「理代!やりすぎじゃなか?」
一美は安恵のそばに駆け寄り、理代を睨みつけた。
「安恵、嘘つくんじゃなかよ!一美あんたも香奈に鍵を渡したって嘘っちゃろうが?」
「ああ!」
一美は右手で理代のブレザーの襟を掴む。理代は右手で一美の右を捻じ曲げめ、一美は苦悶の表情を浮かべる。

理代の様子を見ていられなかくなった美波が間に入る。
「理代ちゃん、いい加減にしなよ!」
「美波、どうして竹森君と付き合おうって決めたとよ!」
理代は美波に鋭い目を向けて問うた。

一瞬黙りこんだ美波だったが、すぐに鋭い目を理代に向ける。
「そんな事何であんたに言う義理なんかないじゃない!そんな事もわからないの?」
美波は理代に激高し、口調が攻撃的になった。

理代はそんな美波を冷やかな目で見る。
「あんたって自分の言い分をいつも上から目線で、柔らかく表現するのが下手っちゃん。だからそれで誤解を招き、友達を失うとよ。もっと言い方と言うのがあるってさんざん言ったっちゃろうが!それを心得ないから中学の時、さんざんだったやん。そのたんびにあたいがどれだけ釈明したと思ってるとよ!自分が一番正しいと思ってると?」
「そうは思ってないよ。そんな事何であんたに言われなきゃいけないのよ!あたしは自分の言ってる事が全て正しいと思ってないけど、間違ってるとも思ってないわよ!それに自分の言動に対して全ての人に配慮なんてできる訳じゃない!理代ちゃんに対してだってできる訳じゃない!」
「あたいとは付き合いが長いのにできないって事か?よくわかった」
理代は捻じ曲げた一美の腕を離して壁に叩きつけ、右腕を大きく振り、美波の腹に打ち込んだ。美波は両手で腹を押さえ、せき込む。

「内原おまえ!」
美波がせき込んでる姿を見て、竹森は理代に右足で蹴りを放とうとするが、理代は左手でさらりとさばき、両手で竹森の右腕を捻じ曲げ、その要領で竹森を投げ飛ばし、地面に叩きつけた。竹森は叩きつけられた衝撃で苦悶の表情を浮かべた。竹森のその姿を見た美波は理代を睨みつける。理代が美波に向かおうとした瞬間、
「もういいんじゃない理代」
別の方向から声がした。理代が振りかえると、花蓮が立っていた。

みんなは花蓮の姿に驚き、理代以外は喜びの表情を浮かべる。花蓮の顔は妙子に殴られ、両の頬にガーゼを張り付けており、痛々しく見える。
「花蓮大丈夫か?心配したとよ。理代がおかしいとよ。不満たらたら述べるし、あたしらにこげな事して来るし」
一美が花蓮に理代の事を話した。
「理代、話してもらうわよ。どうしてこういう事態になったの?」
理代は竹森と美波の関係の動画を送りつけたのは安恵であって、安恵の携帯にその記録が残っている事。美波が竹森と関係を結んでいる事について黙っていた事。一美と安恵との関係がうまくいかず、舞子へのいじめに関しても乗り気でない事を話した。

「ふう、理代がこの仕事に乗り気じゃないのはわかるわ。貴方は強い人とやりあうのが好きだからね。でもね、舞子に関しては一美や安恵だけじゃ足りないのよ。先生達に目をつけられ始めたからね。玉野先生だってもう駄目みたいだし。だから貴方達の力が必要なのよ」
「仮にあたいは舞子が憎くても、一美や安恵と組むなんてまっぴらばい!美波とももう組みたくなかね!」
理代は花蓮にそう主張した。

「あたしらももう理代とは組みたくなかね」
「そう、わかった。美波、あんたはどうするの?」
花蓮は美波に問う。美波はしばらく沈黙するが、
「竹森君が花蓮につくなら、そうするわ」
美波の返答を聞いた花連は竹森に顔を向ける。
「竹森君。貴方はどうするの?」
「あんたについていくとよ」
「決まりね」
花蓮は笑みを浮かべ、理代に目を向けた。

「わかった。花蓮悪いけど、他の仕事させてくれない?こいつらとはうまくいく自信がなかやけん」
「いいわ。なんかある時は頼むわ」
「すまんちゃね花連。美波、悪いけど、あんたとは絶交ばい!人を気遣えない言葉使いしかできん奴とはうまくやっていけん。竹森君、美波と仲良くね」
理代は吐き捨てる感じで、その場を去った。理代の姿を見た美波はわるびれた様子はないが、竹森は苦い顔をしている。

「花蓮、理代もやっちまうとよ。玉野と一緒に」
「理代は必要な人材よ。それにああいうタイプはおもしろいじゃない。それに玉野先生もまだ利用価値があると思うわ。昨日母が校長に抗議したから、玉野先生はクビにはならないわ。それに妙子や妙子の家族に裁判を起こすと脅してるからね」
一美の提案に花蓮は却下するも、妙子への恨みは忘れてなかった。

「香奈はどうするの?あいつ今留学生とベッタリよ。楷真達も近くにいるし。それに舞子はシノにどっか連れていかれたし」
「香奈については後でいいわ。舞子がどこにいるかわからないが、羽島先生といる事は確かよ。場合によるが、羽島先生ごとやってしまいなさい」
「先公はまずいんじゃないか?」
「ばれずにやるのよ!ただし舞子から離れてない場合のみよ」
花蓮は一美達に冷笑を浮かべる。


この会話を盗聴アプリで聞いてた誠良達は理代を離脱させる事に成功を喜ぶも、花蓮が戻ってきた事が更にやっかいだと思った。

やがて昼休みが終わり、午後の授業が終わる。終礼を迎えた後、誠良、真岼、美紅、香奈は和世に呼ばれ、玉野と揉め、授業をボイコットした事で叱責されたが、玉野に暴言を吐かれた事については考慮すると言った。誠良達4人は学校を出る。
校門もくぐる寸前で美紅は香奈と別れ、誠良と合流をし、冷菜と会うために、自転車をこぎ始めた。

理代が離脱も、花蓮が復帰。
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