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「Music of Life」
FINAL CHAPTER「親愛の贈曲」

FINAL CHAPTER「親愛の贈曲」43

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“依頼人”が話しを続ける。
「今回は私達のサポートなしになるけど、大丈夫?」
「不安やけど、やるしかないやん」
「標的についての個人情報は既に貴方のタブレットに送ったわ。携帯の番号だけで居場所等はわかるわね?」
「ああ任せとき。ん?今回の標的以外にも誰か入ってるみたいやな」
京香は今回の標的以外にも、他の標的が添付されてるファイルに気付き、指でタップする。

「ん?こいつはあの担任教師とちゃうん?あの不埒な動画観たで。あんたらの仕業か?」
「いいえ。これは私達じゃないわ」
「あんたらやないとしたら、あいつらって事やな」
「そういう事よ」
京香の問いに“依頼人”はあっさりと返す。

「その標的は時を置いてから実行して」
「せやな。もう社会的に抹殺されている事やし。こいつはええんとちゃうん?」
「標的の父親は教育界に顔を効く人物よ。教師に復帰できなくてもおそらく数千万単位の退職金は得られると思うわ」
「そうなったら裏ネットのユーザーは納得いかんわな。そないなったらやれと言う訳か」
「この標的は樹里さんに勧めるべきよ。それじゃ頼んだわよ」
「樹里に勧めえってどないな意味や」
京香は“依頼人”の発言を受け、タブレットを操作し、その画面を見た京香は驚愕の表情を浮かべる。

「こ、これは樹里と玉野花代が接した事がある・・って事か?」
京香は顔を見上げるも、そこに“依頼人”の姿はなかった。
「相変わらず消えるの早いな。樹里をここに来させなかったのもこういう訳か」
京香はその場を立ち去った。

京香は公園の駐車場に向かい、駐車場に停車しているシエンタの方向に向かう。
助手席には黒いパーカーを羽織っている日堂樹里(ひどう じゅり)の姿があった。
樹里は煙草を吸いながら、携帯で動画を見ている。

京香は運転席のドアを開けて、運転席に座る。
「おまたせ。ん?何観てんねん?」
「玉野先生の不埒な動画。結構笑えるね。あははは」
樹里は動画の内容に爆笑してたものの、少し浮かない表情をしていた。

京香は先のファイルで樹里と玉野の関係を知り、樹里の表情を察する。
「しゃあないやん。この先生何したか知ってるやろ?いじめを助長したんや。結果的にいじめはクラス全体に広がった。でもこいつはその責任とろうとせんかったんや」
「だからこの動画は公開されたのね。これをやったのは“依頼人”?」
「いいや。これをやったのはあいつらみたいやな」
「そうなの。玉野先生。ここまで堕ちる前に私が“休暇”を与えてあげたかったのにな」
樹里の発言に京香は玉野と樹里の関係性を知ってるので、驚かなかったが、抹殺の候補になっている事を話せなかった。

京香は玉野の事を知らないふりして問い始める。
「あんたこいつ知ってるんか?」
「うん。私がこの“仕事”をやる前に、私の高校の先生だったのよ。この時から変だったけど、私もある意味歪んでたし、なんか惹かれあってた感じだった」
「惹かれあっとった?」
「うん。二人きりになった時があってね。毒舌ばかり言ってたけど、私と話してる内に互いに心が開いてね。冗談で貴方を抱きたいって言ったら、目が輝いていたわ。玉野先生が標的なら私が是非とも“休暇”を与えたいなって思ってる」
「そうかいな。まあええわ。そんな事より仕事や」
京香は玉野の話題を遠ざけるように、“依頼人”からの依頼指令の話題に移り、タブレットを取り出して、画面をタップする。

京香は画面を樹里に向けながら、口を開く。
「標的は石岡安恵とその母泰子や」
「おお女子高生に熟女ですかあ」
「あんたの好みの相手や。だが今回はおばはんのサポートはないで」
「ええ!何で?」
「今回、“依頼人”やおっさんと大きな戦いをするらしいわ。だからうちらだけで考えてやらなあかん」
「京ちゃん。プランの方は考えてるの?」
京香の発言に樹里は不安そうな表情を浮かべる。

京香はタブレットを操作しながら口を開く。
「石岡安恵と母の泰子はタブレットで携帯の位置を確認すると現在自宅や。今回の件で学校を退学し、別の場所でやり直すつもりや。おそらく引っ越しの準備をしてるやろう。業者に扮して拉致して、KP(キラーポイント)で殺る。遺体は献体として引き渡す」
「そりゃわかるけど、自宅にある荷物とかはどう処分するの?」
「あたしは“休暇”を与えるだけが仕事やないからな。色んなとこ回って情報仕入れたり、内密にしてくれる専門業者に接したりしてるんや。二人に関する物品等は処分してもらう事になってる」
「それなら安心ね」
樹里は安堵した表情を浮かべる。

「でも“依頼人”達が大きな戦いがするんだったら、私達はどうして参加できないんかな?」
「口で言わんかったけど、おそらく半年くらい前に、あの地区の連中を皆殺しに行ったやろ?その時に楷真誠良達と接触したからとちゃうんか?」
「そういう事かな。でも私は集団でやる事には性に合わないからね」
「そういう事かもな。今は“依頼人”達よりもうちらの事だけ考えとけばええ。“依頼人”も人にはそれぞれ役割がある言うてからな。ほな行くで」
「うん」
京香はシエンタを発進させ、その場を走り去った。


「BLACK PARAKA-ブラックパーカー-」の日堂樹里が登場。
安恵と泰子への”休暇”、そして玉野との関係は、
「BLACK PARAKA-ブラックパーカー-」本編で描く予定です。


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