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「Music of Life」
CHAPTER3「悲哀の少女・後編」

CHAPTER3「悲哀の少女・後編」15

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 誠良達は学校から自転車をこいで夢富パークタウンにやってきた。夢富パークタウンは夢富町にある複合商業施設で、飲食店や映画館など複数の施設があるところだ。
誠良達は自転車置き場で自転車を置き、パーク内を歩いて行った。平日であるのも関わらず人が多い。

やがて施設内にあるカラオケボックスの入り口の前に黒のスーツを着た女性が立っていた。
「白蘭。不是隔了好久。对这个国家坏了?(白蘭。久しぶりじゃない。この国にいたんだ?)」
美紅が白蘭に懐かしむ表情で声をかけた。
「美紅先生。好久不见我现在,在神里先生的地方变得帮忙。(美紅様。久しぶりです。私は今、神里さんのところで世話になっております)」
白蘭は美紅に頭を下げて挨拶をして、誠良の方に目を向ける。
「貴方が楷真誠良様ですね。高城さんがお待ちしております。私がご案内致します」
白蘭は誠良達を笑顔で出迎え、冷菜のところへ案内する。

「グッピー。この人の事知ってるのか?」
「知ってるわよ。彼女は美鈴のところのセキュリティチームの人間よ。留学の傍ら、神里さんのところで研修を受けているの。他にも何人かいるけど、私が知ってるのは彼女だけね」
誠良は美紅の話から、白蘭が美鈴のところにいる人間と聞いて、自分とそんなに歳が変わらない白蘭が将来、張一族の脅威に対しての裏工作等を行う人間になるんだと感じた。

「ここで待ってください」
白蘭の声で誠良達は立ち止まる。白蘭が少し歩いて「34」と貼ってあるドアを開けて、中にいる人間に声をかけている。やがて白蘭がドアを閉めて、誠良のところにやってきた。
「どうぞ。お入りください」
白蘭がそう言って、誠良達は中に入った。白蘭は中に入らず、ドアの外に待機してる。

部屋は真ん中に机があり、冷菜は右側に位置に立っていた。
「私が高城冷菜です。お忙しいところ恐縮です」
冷菜は丁寧に挨拶をして、誠良に名刺を渡した。
「いえいえ、こちらこそ。すいませんこちらは名刺がなくて」
「高校生ですからね。お硬くならず、座ってください」
誠良達は左側の席に座った。冷菜と向かいとなり、誠良は真ん中、その左に真岼、その右に美紅が座った。

「お飲み物は?」
「いえ、お気遣いなく」
誠良は丁重に断った。
「早速、話しに入りましょう」
冷菜は鞄から一枚の写真を取り出し、机に置いた。
「この人物を知ってますね?」
冷菜が誠良達に問うた。

写真の人物は花蓮だった。
「ええ、知ってます。西寺花蓮でしょ?一年の時、同じクラスでしたので」
「ではこの人物がどういう方かはご存じですね」
「学校の成績も良く、運動神経も良く、容姿もいい。一見非の打ちどころがないが、裏で取り巻き連中を使い、弱い人物を傷つけていると言う一面も持っている」
「そうです。この人物は公にされてませんが、学校内で問題を起こしています。この人物、そしてそれに関わる人物達に貴方達のやり方で阻止していただけませんか?」
冷菜の依頼内容に、誠良達は意外な表情を浮かべた。

誠良達は冷菜に会うまでは、西寺家と関係がある冷菜だから、なんらかの圧力をかけてくるのだろうと思っていたのだ。
「高城さん。我々はすでにこの人物達については仕事にとりかかっています。貴方がわざわざ頼む事ではないかと思います。それにこの人物の父親と貴方達は仕事上の関係で付き合いがあるでしょう。我々が行(おこな)っている仕事の内容を知っての事なら、下手をすれば西寺家にもなんらかのダメージを与える事になります。そうなれば、貴方にとっても非常にまずい事になるのではないんですか?」
誠良は探りを入れるように、冷菜に問う。
「貴方達を呼んだのは、私達は西寺グループと関係があります。だから我々が直接動けば、楷真君の言ったように、摩擦が起きますし、信頼関係が揺らぎます。しかし貴方達は我々と直接関係ない。西寺グループにそれほど影響なければ、花蓮さんにはそれなりの罰を与えても構いません」
「中途半端にやったとしても、西寺の親父が何らかの手は回すでしょうし、その揉み消しを貴方達に委ねる事だってあるでしょう」
「確かにそうです。これはオフレコでお話しますが、花蓮さんとその父親、宗彦さんとは仲がよろしくありません。最近では母親、須恵さんとも仲が良くありません。だから会社の影響がない限り、宗彦さんが動く事はないでしょう。会社に影響がないとなると我々に揉み消しの依頼が来る事もありません」
誠良達は自分達を妨害するために警告しに来たかと思い、冷菜の言葉を聞いて胸をなで下ろすよりも何か裏があうるような言い方に感じる。

「だとすれば、私達が動いても花蓮のお父さんが揉み消しにはかる事はないと言う事ですね?」
「ええ、我々もそれなりの理由がない限り、動かない事にしてます」
真岼の問いも冷菜は冷静に答える。

誠良が口を開く。
「お言葉ですが、我々は貴方達が妨害してきたのではないかと思いました。直接呼ぶくらいですからね。西寺花蓮に手を出すなと言うかと思いました」
「それは西寺グループに影響あればの話です。花蓮さんの悪事くらいなら問題ありません」
「しかし今までも彼女は悪事を働いて、ご両親に咎められたと思います。我々も過去にあいつが色んな悪事を働き、裏で妨害してきた。だがあいつだけは肝心なところで逃れている。悪運が強いだけではなく、何者かが妨害してるとね。それは貴方達ではないですか?」
「全てとは言いませんが、こちらに影響があるとしたらやらざるを得ないと言う時もあります。私も花蓮さんには注意した事ありますが、宗彦さんから家族の事に口出しするなと言われてますので、だから私も仕事以外では花蓮さん達の家族には触れないようにしてます」
「家族間の問題であって、貴方はそこまでは知らないと言う事ですね?」
「そういう事ですね」
冷菜は淡々と答えた。

誠良は冷菜の心の内が見えない事に疑惑を持っているが、これ以上は聞かない方がいいと思った。
「それでは西寺花蓮がどのような目に遭っても構わないと言うようにとりますよ」
「それで構いません。あの家族はすでにバラバラなのですから・・」
冷菜は少々沈んだ感じで答えた。

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