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「Music of Life」
CHAPTER3「悲哀の少女・後編」

CHAPTER3「悲哀の少女・後編」16

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「それでは何故、この西寺花蓮の事を我々に依頼してきたのかをお教え願いませんか?」
誠良は冷菜に問い始めた。

「先程も言ったように、我々は西寺グループの仕事上の関係があります。私達が出れば面倒な事になります。西寺グループとは繋がりがない貴方達なら支障はありません。花蓮さんの事は揉み消し続けたとしても、いずれ公になる可能性もあります。それに貴方達と花蓮さんは同じ学校ですし、私達よりは花蓮さんの事を知ってるでしょう。私達も花蓮さんの悪さには頭を悩ませていましたし、痛い目に遭うのがいいかと思いましてね」
「そうですか。しかしあの西寺花蓮は昨日、ある女子生徒に暴行を加えられ怪我を負いました。だが、彼女は殴られてるにも関わらず、自分がやった行いを反省してない状態です。私の考えですが、彼女はその女子生徒になんらかの仕返しを考えているのでは?と思います」
「その事については我々も把握しています。暴行を加えた女子生徒も手段はよろしくありませんが、花蓮さん達が悪いのは事実です。花蓮さんは暴行された事に弁護士を立てて、その女子生徒を暴行罪で訴えようとしています」
冷菜の言葉を聞いて、驚愕する誠良達。

真岼が口を開く。
「何故そのような事を?花蓮はご両親とうまくいってないと言ってたじゃないですか?」
「そうです。体裁のためでしょう。花蓮さんの悪事が公になれば、西寺グループに影響があります。そうなればその会社に働いてる従業員は何も知らず、迷惑を被ります。下手をしたら職を無くす事になりかねません。そうなれば夢富町の経済にも影響が出ます。私達の仕事にも」
冷菜の答えを聞いて誠良達は本当の事だろうが、全て話してないとも悟った。

「高城さん。本音を言いますが、我々が西寺花蓮に対して、裁くのに躊躇してたのは、西寺グループを恐れてると言うのではないんです」
「ええ、それは私達と争う事を恐れてるからでしょう?」
誠良の言葉に、冷菜は察したように返した。
「そうです。高城さんは我々が卒業したハウスの先輩に当たりますし、貴方とはここにいる美紅以外は今日会うまでは面識がなかったのですが、ハウスに在籍してた人間はネットワークがあります。争う事はハウス側にとって好ましいとは思いませんですからね」
「その通りです。貴方達は私の後輩に当たる訳ですから、重大犯罪を起こさない限り、争うのは避けたいと思ってます。だから花蓮さんの事に関しては我々は関知しないつもりです。この事はうちの社長の神里も知りません。今日貴方達と会うのを知ってるのは、ドアの向こう側で待機している白蘭だけです。白蘭にも今ここで話した内容は話していません」
「わかりました。要するに西寺グループに影響を与えないくらいの裁きを西寺花蓮に与える事。高城さん達と繋がりがないようにする事が条件と言う事ですね?」
「そうです。他にもあります。この件は一刻も早く済ませてください。できれば来週中にも」
冷菜から更なる要求が出た。

その要求を聞いた沈黙してた美紅が口を開く。
「わかりました。それではこの件に関しての報酬の話しをしていきたいと思います」
美紅の要求に、誠良と真岼は顔を歪める。
「ちょっとグッピー。失礼じゃない!この人は私達の先輩になる人なのよ」
真岼が顔をしかめながら、美紅に注意をする。
「だってこの人は仕事を頼んできてるのよ!それなら報酬が必要でしょ!それに私この人と会った事あるし」
美紅が真岼に言い返した。

冷菜が煙草に火をつけて微笑する。
「この件に関しましては、私から依頼であり、報酬も出すつもりでいましたよ」
「いや、いいっすよ。貴方は我々の先輩にあたる人ですし、それに互いの理由がどうであれ、この仕事はすでに我々が取り組んでる事ですから」
誠良は冷菜に気遣うように話す。
「カイ、まゆ、何言ってるの?これはビジネスよ!ミス高城だってそう言ってるんだから!」
美紅はきっぱりとした表情を誠良、真岼に向けた。

「美紅さんの言う通りです。楷真君達がすでにこの件に関わってる事を知っています。それを私の依頼を付け加えたいだけの事です。誰の依頼で動いてるかはわかりかねますが、その依頼主の内容に支障があるのでしょうか?」
「ありません!」
冷菜の発言に、美紅は強気で返した。本来の依頼は美紅本人からなのだから、美紅自身が一番わかってる事なのだ。

「それでは報酬の額ですが・・」
「日本円で300万円。前金で半額払ってもらいます」
冷菜が報酬の額を切り出そうとしたが、美紅が即座に報酬額を言った。
「おい、高いんじゃないか?」
誠良は美紅の肩を揺らす。
「何言ってるのよ。活動を維持するのもお金が必要でしょ?」
「だからと言ってちょっと高すぎじゃない!」
美紅の意見に真岼が反論した。

「西寺グループに傷をつけないようにする。この件にミス高城が関与してないようにする。来週以内に決着をつけるようにする。となればこれくらいの金額は必要よ。もっと高く設定するつもりだったけどね」
美紅は誇らしく誠良と真岼に語るが、二人は少々浮かない顔を浮かべた。

「私が設定した金額より高いですが、その額でいいでしょう」
冷菜はそう言って、煙草を灰皿に揉み消した。
「あのー、すいません。こんなつもりでは・・」
真岼が冷菜に頭を下げ、誠良も無言で頭を下げる。

「いいんですよ。これもビジネスの一環ですから。では受け渡し方法はどうします?」
冷菜は微笑して、誠良達に問う。
「私の指定する口座に振り込んでください。電子振り込みでお願いします。私達と貴方との関係がわからないようにするため、海外のサーバーを経由した形でお願いします」
「わかりました。それでは前金を今から振り込みます。口座を教えてください」
冷菜はスーツのポケットから携帯を取り出した。美紅は指定の口座を冷菜に告げ、冷菜は携帯のディスプレイを親指でタッチし始めた。数分後、美紅の携帯の着信音が鳴る。美紅は携帯をブレザーの右ポケットから出して、携帯のディスプレイを親指でタッチして、金額が振り込まれているのを確認した。

前金が振り込まれてるのを確認した誠良は冷菜に顔を向ける。
「確認しました。残金はこの仕事が終わりしだい。お願いします」
誠良は冷菜に告げて、立ちあがる。真岼も美紅もそれに続く。

「白蘭に玄関まで送らせます」
冷菜は携帯で冷菜を呼び出し、数秒で白蘭がドアを開けた。三人は冷菜に頭を下げて、部屋を後にする。誠良達は白蘭と供に、玄関に向かった。

玄関に向かう途中、美紅が白蘭に語りかける。
「啊白蘭。被美鈴由於我的事是什麼沒稱為?(ねえ白蘭。美鈴から私の事で何か言われてない?)」
「不。特別是沒有。為美紅先生極力不干涉,在高城先生的地方為使工作說又。只是如果希望有可能見,使不發出平時壞的癖性傳達。(いいえ。特にはないです。美紅様に極力干渉せず、高城さんのところで仕事をするように言ってまた。ただお会いする事があれば、いつもの悪い癖を出さないように伝えてほしいと)」
「了解了。關於今天遇到高城先生的事壞,不過,不能說。也請使不說美鈴。(了解したわ。今日高城さんと会った事については悪いけど、話せないわ。美鈴にも言わないように)」
「同意了。(承知しました)」
白蘭が了承した。

やがて玄関に着き、誠良達は白蘭から「お気をつけてお帰りください」と告げられ、誠良達も頭を下げて、白蘭と別れた。

別れて歩いてる最中、美紅は二人に強張った表情を向ける。
「カイ、まゆ。306号室にみんなを集めてくれない?音葉もよ」
「わかったわ。グッピー」
「おいちょっと待てよ。何がわかったんだよ。まゆ」
美紅の言葉に真岼はすぐに了解するが、誠良はその意味を理解できないでいる。

「カイ。高城さんの事も私の考えもみんなが来てから話す。いいわね!」
「わかった」
誠良は美紅の意図が理解できないも、とりあえずは了解した。

誠良は真岼を寄せて、美紅に聞こえないように語りかける。
「ところでまゆ。グッピーの奴、何で依頼受けて報酬もらう事にしたんだろうな。元々これはグッピーの依頼じゃないか?あいつ金出したくないんじゃないか?」
「うーん。ありえるわね。だってグッピーお金に関しては意外とケチだからさ」
真岼は小声で返答した。

「何話してるの?貴方達」
美紅が二人の間に割って入る。
「いや、別に何も。帰ろうぜ」
誠良は美紅の問いを軽く流し、帰宅しようと促した。三人は自転車置き場から自転車に乗り、帰途についた。

冷菜との交渉が終わる。
そしていよいよ美紅の考えが明らかに。
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