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自分勝手な想像世界 The selfish imagination world

ここに見えられた皆さま。我がブログへようこそ。自分勝手に物語を書いたりしてます。アクションやサスペンス。恋愛、そして官能系とさまざまです。「私事」では日々思った事を日記形式で書いています。小説の他にも自分の趣味である映画やサッカーの事についても書いてます。リンクフリーですが、ご一報頂けると嬉しいです。

性友(せいゆう)の契り⑤

性友(せいゆう)の契り

互いに自分から口にせず、探りあいながら、話の流れで告白する事になったが、私も妻も互いの性を吐露した事で緊張感張りつめた空気が穏やかな感じとなっている。
どちらかがノーマルだったらおそらくこの話はしなかったし、話したとしたら、重苦しい雰囲気になったし、果ては修羅場となっただろう。

「ずっと言わないつもりだったけど、君にその気があるんじゃないかと思ったら言った方がいいかと思ってな」
「どうして私の事そう思ったの?」
「だってテレビ観てもアイドルとか見てはしゃいだり、綺麗な女優観て“この人綺麗だなあ”って言ってたじゃん。普通女だったら男性アイドルに夢中になるもんだからね」
「ただ単に言ってたかもよ」
「かもしれないけど、顔観たらとろーんとしてた表情だったし」
「そうねえ。同じ性を持つ同士だからわかっちゃうのかもしれないわね。私も貴方がそうかもしれないと思った時、私の事を言うべきか迷ってた。ただの思い違いかもしれないと思ったし」
妻も自分の性に悩み、私の事をそう思い始めた時、カミングアウトしようかと思ってたが、確信が持てなかったのだろう。私は一応興信所に妻の調査した依頼した時に、妻が同性愛者の集いに足を運んでいて、妻も同性愛者のではないかと思ったが、確信は持てなかった。一歩間違えば大変な事になってただろうし、今こうして互いに同性愛者だとわかって安堵している。

妻が口を開く。
「ねえいつから自分が同性愛者だと思ったの?」
「高校くらいから女よりも男に目を向けるようになった。でもその時は今のように同性愛者に寛容じゃなかったし、隠してたよ。大学に入り同性愛者が集う場所に行って、自分がゲイだと受け入れた。付き合ってた人もいる。でも将来を考えると、このままじゃいけないと思い、その場から距離を置き、それからまたも封じ込めるようになった」
「そっか。私も高校の時に同じクラスに好きな女の子がいたの。クラスの人気者ではなかったけど、頭も良くて綺麗な子で男子から人気者だったし、女子も一目置いていた。私、男子からもてるのを見てモヤモヤしちゃったわ」
話を聞いてさっき同窓会の案内の葉書を見て、浮かれてたのはそういう事だったんだろう。

「それでさっき同窓会の案内の葉書見て浮かれてたのか?」
「そうよ。あ、どんな子かアルバムあるから見せてあげる」
妻がソファから立って、自分の部屋に走って行った。

普通はそんな感情は湧かないが、妻が好きな女がどんな人が興味が出てくる。
数分後、妻がアルバムを持って戻ってきた。
アルバムをテーブルの上に置いて、ページをめくり、その女を指差した。
「ほらこの子よ」
「本当に綺麗な女の子だよな」
見てみたら本当に綺麗な女の子だった。こりゃ男子はほっとかないだろ。
私は妻の方の写真も見た。眼鏡をかけて地味な感じだが、可愛らしさも感じる。

「しかしよく高校のアルバムなんか持っているな」
「うんその子の事忘れられなくてね」
「その子に告白したのか?」
「してないわよ。さっき貴方が言ってたように、同性愛者に寛容な時代じゃなかったからね。でもその子を見てるだけで元気が出るって言うか、生きる勇気が湧くって言うか。辛い事があった時、この子を見ると元気になれるんだ」
「だからずっと高校のアルバム持っていたのか」
その女の事を話す妻は目がキラキラしていた。その女は妻にとって彼女にとって大きな存在だったのだろう。

「その女は今どうしているんだ?」
「わからない。卒業してから疎遠だし、大学は結構いいとこ行ったみたいだけどね」
「そうなんだ。じゃあ何十年かの再会になるな。そりゃ楽しみだろうな。会って告白するのか?」
「しないわよ。結婚して家庭があるだろうし。でも写真一緒に撮ろうかと思ってる」
「そうだな。高校時代の思い出なんだろうし、でも君も同性愛者とわかってるんだから、その女にこだわらなくてもいいんじゃないか?」
「そうね。彼女でもできればあきらめがつくんだろうけど・・。貴方は彼氏いるんでしょ?」
夫婦で普通はこういった会話はしないし、ましてやこういった質問はしない。でも互いに同性愛者だと知った今、こういう質問にも答える事もできる。

「一応いるにはいるよ。頻繁に会える訳じゃないけど、君は?」
「いた事ないわよ」
てっきりいるかと思ったし、付き合った事もあると思ってたけど、いた事ないのは意外だった。

「昔はどうかわからないが、今はネットとかで、同性愛者が集う会とか出会い系アプリはあるし、出会いはないとかないだろうと思うけど」
「そりゃビアンのイベント行った事あるけど、音楽うるさいし、若い子ばっかりでさ。おばさんなんて相手にしないって感じなの。出会い系アプリもアプローチあってもなかなか続かないしね」
妻は出会いがない事に沈んだ顔を浮かべた。

「貴方はどうやってその彼と出会ったの?」
私は妻の問いに、彼の事を話した。仕事で知り合い、ある日彼が同性愛者の集う場所に足を運んでいた事を知り、彼の事をそういった性癖を知り、タイプだったので、ホテルに呼んで自分の性を話した事を述べた。


互いに同性愛者だと知り、
心が開く夫婦。


性友(せいゆう)の契り④

性友(せいゆう)の契り

私は寝巻に着替え、脱衣場を出て、居間に行き夕食をとった。妻は自分の部屋に行っている。昔からそうだが、食事は一人でとる事が多かった。以前と比べて会話が多くなったとは言え、どこか距離感を感じる。

私は食事を終え、皿を洗った。以前なら全て妻に任せていたが、心に余裕が出てきて、妻の負担を減らしたいと言うのもあり、自分でできる事を極力している。

皿を洗い終えた私は妻の部屋に行き、話のために呼びに行った。
妻の部屋のドアがわずかながら開いている。部屋から妻の浮かれてるような声が浮かれている。
私はそっと覗きこんだら、妻が下着姿になって嬉しそうな顔をしながら鼻歌を歌っている。

私はそっと開けたら、妻がびっくりした表情を向ける。
「ちょっとノックくらいしてよ!」
妻が顔を赤くしながら、怒りの表情を浮かべている。

妻は下着以外は肌をむき出ししている。肌は白く艶やかな感じだ。
「ああごめんごめん。ちょっと話があって来たんだ」
私は右手を振りながら、妻に謝った。以前の私なら身だしなみにうるさかったのもあるし、「はしたない」とか言って、苦言を称していただろう。
妻が誰かを求めているだろうから、ジムに行ったり美容をしたりしてる事は知ってる。

私は妻が浮かれている理由を問い始める。
「どうした。何を浮かれてるんだ?」
私は妻が右手に持っている葉書を目にする。
「君が右手に持ってるのはなんなんだ?」
「ああこれね」
妻が私に葉書を渡してくる。

葉書の内容を見ると妻の高校の同窓会の通知だ。
「ん?同窓会の通知か?」
「ええ」
もしかして同窓会に妻が思いを寄せていた人がいるのだろう。それは男性なのか、女性なのかわからないが、私はそれを聞くのを留める事にした。

「ああそうだ。話があって呼びに来たんだ」
「わかった。ちょっと待って。服着るから、居間に行ってて」
「わかった。そうするよ」
私はそう言って妻の部屋を出て、居間に行き、ソファーに座った。

妻が来るまで、私は煙草を口にしながら、考え事をしていた。
最初に転勤の事を話すが、その後どうやって自分の事を切り出すか?妻が同性愛者ではなく興味本位だけだったとしたら、場合によれば修羅場になる可能性もある。

私は色々と考えながら、心の準備をし始め、短くなった煙草を灰皿にもみ消した。
やがて妻が服を着て居間にやってきた。

私と妻はテーブルを挟んで向かい合わせに座ってる。
「話って何なの?」
「実は転勤が決まった。一ヶ月後にはここを出る事になる」
「え?何処になるの?」
私は転勤先を告げた。どこかの県の公団の施設の出向になる事を。

「でもそれって?」
「ああ事実上の左遷だ。でもいいんだ。出世だけが人生じゃないしね。仕事もあるし、役職もある。給料は少し下がるが、やっていけない事はない。子供も大学で家を出たが、大学を出せるくらいの預金だってあるしな。向こうには一人で行こうと思う。君もこれを機会に自分の人生を生きてみたらどうかな?」
「え?どういう事?」
妻が不安そうな顔を浮かべる。切り出すタイミングが難しいと感じる。

私は思い直して、再び口を開いた。
「僕は出世のために色んな事を犠牲にした。君や家族の事もそっちのけだった。自分のために君に苦労かけた事はすまなかったと思う。だが一年くらい前にある出来事で、自分が抱いていた事をずっと昔に封じ込めていた事を思い出すきっかけになった。そうなって見ると出世や仕事だけが人生じゃないと思ってね。見方が広がったよ。僕は君に色々と苦労をかけた。あの家の事でも大変だっただろう。僕は自分らしく生きる事で今は清々しい気分だ。君も何か見つけて生きてみたらどうだろうか?」
遠まわしに自分の事を言ってみた。だがまだ自分の性を言いだせない自分に言いだせない自分にもどかしさを感じた。

話を聞いた妻が微笑みながら口を開く。
「貴方の言ってる事で確信を得たわ。自分がゲイだって事なんでしょ?」
「うん。そうだ」
私は妻の問いに答えた。妻は微笑んでいるが、私の性を受け入れてくれるか不安だった。

「なんとなくそうだと思ってたわ。貴方って見てると、女性っぽく感じる事あるよ。身だしなみとか相当気をつけたりしてるし」
「いやあそれは客と会ったりするから、清潔感は大事だろ」
「男性でも美容をやったりしてるけど、貴方の場合肌を綺麗にするオイルを使ったりしてるじゃない。でもわかる気がする」
妻の最後の言葉で私も確信を得て、
「わかる気がするって事は君も僕と同じだと言いたいの?」
「そうよ」
妻も私の性に気付き、自分の性を告げようと話の流れで微笑みながら告白した。


互いの性をカミングアウトした夫婦。

性友(せいゆう)の契り③ R15

性友(せいゆう)の契り

私の住んでるところは官舎である。官舎と言えば一見学生寮のような印象を受けるが、私は地位に上がるに連れ、オートロック付きのマンション系の官舎に住み始めた。
中にはマイホームを購入する人もいるが、私の場合は一つのところに定住する事はなかったので、マイホーム購入はあえてしなかった。

「ただいま」
「おかえり」
妻が出迎えてくれる。妻は眼鏡をかけて堅い感じがするように見えるが、内気な性格だ。
だが最近妻もジムに行ったり、美容したりしている。理由は聞かないが、妻も相手のために、自分を美しく見せたいのだろう。

「ねえごはんにする?お風呂にする?」
「先に風呂にする。自分で沸かすから」
「うんわかったわ」
妻にそう言って、私は風呂場に行って、オートで沸かすボタンを押した。沸かし始めたのを確認したら、自分の部屋に行ってスーツを脱いで、普段着に着替えた。その後、軽く体操した。

風呂が沸いたのを知らせるアラームが鳴ると、私は風呂場に行き、下着を脱いで、風呂に入り、一日の疲れを癒した。ゆったりと浸った後、体、頭を念入りに洗った。

そして全てを終えた後、風呂場に出て脱衣場に出た。風呂の湯気が脱衣場まで充満している。少しずつ収まったのを確認し、脱衣場に置いてあるスタンド型の縦長いミラーの前に全裸で立つ。毎日やっている事であり、この鏡は私しか利用する事はない。

これをやってる理由は自分自身の外見をよく見れるからだ。彼は色気のある男性を好む。
私自身色気があるとは思ってないが、私は男性にしては産毛も胸毛も生えてなく、女性のように白い肌だ。と言っても中年だし、なんらかの衰えはあるだろう。

男性ホルモンは少ないかもしれないが、念のためにムダ毛処理は行ったし、男性専用の美容まで受けている。ジムに行ってるが筋肉質になるつもりはない。

自分の体については念入りに手入れしてる。色気があるかわからないが、私なりに清潔感な肌をしてるかチェックするためだ。勿論100%満足する事はない。

何にでもそうだが、清潔感は大事だ。特に男性の同性愛者は肌も綺麗で清潔感が多いと聞く。私の彼も精悍な体で、ムダ毛もなく、清潔感を保っている。

私の場合、常に清潔感でいたいのはそれだけではない。
私は彼とのセックスの時は抱かれる側、女役。用語ではゲイではウケと言い。全体的にはネコと言う。英語ではBotom(ボトム)と言う。
彼は抱く側で男役。用語ではタチ。英語ではTop(トップ)と言う。
両方できる人間をリバと言うが、私達二人はタチとネコの役割をきっちり分けてバランスをとっている。

私は何故、女役、ネコになったのかは意識的ではなく、自然とそうなった。同性を意識し始めた時から容姿のいい男性に抱かれたいと言う願望から、女性的な役割を意識し、心も女性的になっていった。

女性的と言っても女装もしないし、ニューハーフのように体まで女性にする事ではなく、男として男を愛し、男の中に女性的な要素を入れているだけだ。

ネコだからと言って、全てにおいて女性的ではなく、筋肉質な男性、普段は男らしい人でもベッドではネコになる事もある。その逆もしかりだ。

タチである彼は体だけでなく、心も男性のように逞しく感じる。そんな彼に対し、私は色気のある男として、心身供に女性のように美しさを求める。
私は同じ男を愛しても、体に違和感を感じる事はない。だが私の分身はもう誰の中にも挿入する事はないだろう。

前身をじっくり見た後、鏡を背にして、洗面所の鏡を向きあう。そうすれば洗面所の鏡にスタンド型のミラーに私の後ろ姿が映り、首を振らずに見る事ができる。

私は洗面所の鏡を見ながら、自分の後ろ姿を見る。背中や両足に毛が生えず、白いままだ。
特に私が気にするのは後ろ姿で二つに割れている双丘だ。男の中で唯一柔らかい部位だ。
私は右手で白い臀部に触れ、まだ少し硬さがあると感じた。

自分にとって尻とは私と彼、男同士のセックスに非常に重要な役割を持つ部分であり、二つに割れている部分の中に、彼を迎え入れ、一つになり、繋がる入口があり、ネコである私にとっては女性器のようなものだ。

男女と違い、男同士は繋がるのはアナルセックスと言われてるが、意外にそうではない。
女性器と尻の内部は筋肉の柔らかさが違い、尻は本来何かを挿入する部分ではない。
それ故に挿入するには準備もいるし、手間がかかる。だからゲイでもアナルセックスをしないと言う人はいると聞く。

だが私と彼はアナルセックスは、快楽や性欲のはけ口ではなく、互いの愛を語り合い、心と体を繋げる行為だと認識している。
私は若い頃に経験豊富なタチに処女を娶ってもらったが、最初は慣れず嫌悪感があった。だがじょじょに慣れて来たせいか、アナルセックスの良さが体に刻まれていった。

彼は挿入する側であるが、挿入する側の苦労を知り、経験を重ね、今や相手を不快にさせないセックスを熟知している。
だからゲイの世界から10数年離れ、初めて彼に抱かれた時も、彼の経験豊富な手法によって、体が思い出し、不快なくセックスができたのだ。

尻に堅さがあると感じてる自分は常に、尻の外部、内部の運動や準備を常に行っている。外部は柔らかさと美しさ。内部は挿入を受け入れるための筋肉を柔らかくするためだ。
今や私にとってのセックスの役割は前身に付いている分身ではなく、後ろにある双丘で役割を果たす。

彼との時間をよりよくするため、私は心身供に磨きをかけている。
それがネコ、女役である私の役割だと思っているからだ。


全ては愛する彼のために心身に磨きをかける男。
性描写ではないですが、デリケートな事を語ってるので、
自らの判断でR指定にしました。

性友(せいゆう)の契り②

性友(せいゆう)の契り

妻は良家のお嬢様で三女であるが、実は母親が違ってて、母娘供にその家の人間から厳しく仕打ちを受け、そこから距離を置き母子家庭となったが、金銭面の援助があり、生活にはこまらなかったそうだ。

妻はその一族の血が流れている事を知ったのは高校生の時であり、そこの家に行ったのだが、特殊な生活になじめず、父親とも数回しか会った事がない。三女と言うのは、父親にとって三人目の娘であり、書面の上での三女と言う意味だった。
他にも腹違いの子供がいて、妻も自分の知らない兄弟がいるのではないかと言っていた。

普段なら本家の娘と結婚するものだが、父親は影響力がある人物であり、自分の子供には平等に扱う立場である。妻も父親の力で投資銀行に入行できたし、お金や権力がある人間は多少なりとも清廉潔白と言うものではない。たとえ正妻の子でなくても、人物によって影響力はあるだろうし、父親はとても影響力がある人間だ。

そういう人脈を築く上で出世も有利にもなるし、妻と結婚した。妻もそれが承知のうえだったようだ。
その関係で同期よりも出世も早い方だったが、影響力はいつまでも続く事はなく、高齢で体調が崩したとなると、私の出世にも少なからず影響が出た。

ただその時は彼と知り合い、気持ちに余裕が出来ていたので、気にする事もなくなった。やがて妻の父親が亡くなり、莫大な遺産争いが勃発した。

妻は本家の正式な人間でもないし、数えるくらいしか行った事ないし、自分には関係ないと思っていたのだろう。それに妻は投資銀行で培ったトレーダーのスキルでそこそこ稼いでいたし、お金の世界はわかる人間だ。

妻ももう本家とかの人間には関わりたくないし、私も彼との出会いで出世や名誉だけじゃない生き方に気付いたので、遺産は別にいらないと思った。
だが遺言書には本家の人間やそうでない自分の子供達にも相続させると言ったもので、それで正妻の子とそうでない人間が争ってるのだ。当然妻にもとばっちりが来た。

私は弁護士である彼に、この事を収拾させるため、代理人となってもらい、妻に関わらないでほしいのと、遺産はどちらでもいいと依頼した。
結果、遺言書に書いて遺産額全ては相続できなかったが、それの三分の二の遺産額は相続する事になった。そして妻はもうそこの人間と関係のない書面も作成した。

彼には感謝している。妻には彼との関係は話してなく、仕事先の知り合いと言う事にした。
妻は家柄の事や私の将来の事とは言え、苦労をかけた。

彼の性を知り、彼に思いを打ち明ける少し前だが、私は出世のために、自分の身内に非がないか、興信所に依頼して、妻の行動を調査するよう依頼した。今考えれば私は自分の事しか見えなかった愚かな事だと思う。だが私のいる官僚の世界は出世するには、自分だけでなく、家族の事も調査される。もし一つでもなんらかの不備な部分があれば、上には上がれない。上に行けばいくほど、そういった事が厳しくなる。

私はもし妻にそういった部分があればなんらかの対処をしなければとも思った。そして興信所からの報告書を見た時、私は驚愕した。
妻は同性愛者が集う場所によく足を伸ばしてると言うものだった。私のような堅い職業ならば、そういうのに偏見がある。

だが私は彼と出会い、自分の性をさらけ出す相手ができた事もあって、妻もまた私と同じような心の葛藤を抱えてるのかもしれないと思った。
ただの興味本位とも考えたが、報告書によれば週に三回はそういった場所に繰り出してるようだった。私が家にあまり帰らなかった事もあるし、妻自身自由な部分もあったのだろう。
彼に会う前なら?って思った事もあったが、別の形で妻の性を黙認していただろう。
私はそう思い、報告書を燃やした。

そして初めて彼に抱かれた時も、私は妻の事を話した。私と同じような性であれば、妻にもそういう権利があると述べ、私の事を知ってるだろうが、話すつもりはないと告げた。
だが時が経つに連れ、私が好きに生きている事もあり、妻にも自由に生きてほしいと思いがよぎり始めた。

私は彼に妻の事を話し、その思いも相談した。色々と助言してくれたが、最後には「自分で決める事だ」と告げてきた。

私は既に出世に道は閉ざされた。地方に転勤となる。単身で行くつもりだし、妻には色々と苦労をかけた。だから私の事をカミングアウトして、妻にも自由に生きてほしい願う。

私は帰り道、彼に電話をした。
「私だ。地方に行く事になった」
『そうなるって事は君の出世が閉ざされた事になるんじゃないのか?』
「そう言う事になるな。でもいいんだ。仕事はある」
『まあ君がそうなら。それでいいんじゃないか?で、何処に行くんだ?』
私は転勤先を告げたら、彼は今住んでいるところよりは近くなったと返してきた。だが仕事が忙しいので、頻繁に会える訳ではないとも返してきた。

「しばらく休みを長くとろうと思う。あそこではもう自分の居場所はなくなりつつあるんでな」
『そうか。だったら奥さんや娘さん連れて家族旅行にでも行ったらどうだ?』
「そうか。そうだな」
私は彼が誘ってくると期待していたが、彼が私を気遣って、そう言ったんだと感じた。
彼とは愛し合う関係であっても、無理な付き合い方をしてこない。だから私は彼の事を好きで居続けられるのだろう。
彼とは少し長く会話して、電話を切り、家路に着いた。


妻の同性愛者の可能性があると知った男は?
自分の性を理解してもらえるだろうか?

性友(せいゆう)の契り①

性友(せいゆう)の契り

私はとある省庁でキャリア官僚を務めている。一流大学を出て入庁し。出世のために日々忙殺される日々を送っている。それなりに実績を出し、出世をしていった。そして見合いであるが、妻と出会い結婚し、娘も生まれた。
家族のために働き、同期のライバル達に負けじと実績を出した。実績を出し、周囲から認められ、更に地位が上がる。地位が上がればライバルも減るが、その分責任が増し、心身共に疲弊し、やがて家族を顧みない事となり、家族との会話もなくなっていった。
私はその生き方に疑問を感じるようになった。

そんな時、仕事である男と知り合った。その男は企業や金融など多方面を手掛ける弁護士であり、私の仕事にもだいぶ助けられた。私もしだいに心を開き始めた。
とある時、私は彼がある場所によく行く事を知った。それは同性を求めるエリアの事だ。
私はそれを知った時、自分の奥底に封じ込めた何かが湧き始めた。

私は同性愛者である。少年期の頃から同性が気になっていた。でも当時は同性愛に寛容ではない時代。ネットもなく情報を収集するのは簡単ではない時代で、高校まで自分の中に留めて置いた。

大学に入り、同性愛者が集うエリアに足を伸ばし、やっと自分らしく生きられる場所が見つかった。恋人もでき体の関係も結んだが、将来を考えると、やがてそのエリアにも足を運ばなくなっていった。

それから時が経ち、同性愛に対して世間に受けいられるようになっては来ているものの、まだまだ根付いているとは言い難い。特に私のような堅い職業に就いているなら尚更だ。
だからこそ十何年も自分の性癖を奥に押し付け、同性愛の世界から離れていた私にとって、彼との出会いは真の自分をさらけ出す機会となった。

ある時、私はとある高級ホテルに彼を呼びつけ、二人きりになり、彼に自分が同性愛者だと告げた。
彼は少々驚いたが、お互い自分らしくいれる相手同士、距離が縮まるのは早く、そして彼に抱かれ、十何年封じ込めた思いが一気に解放された。
それからの私は彼との時間も許す限り、二人きりになれる場所で、彼と供に過ごし、彼と体を重ねるようになった。

彼は過去との経験から、特定の恋人は作らない主義で、私とはセックスフレンドのような関係になるのだろう。
私も若い頃ならモヤモヤ感が起こり、彼を独占しようとしていただろうが、これでも妻子ある身だ。だからこそバランスよく距離をとった関係を築いている。

彼が私の他にどんな男と関係を結んでいるかは私は聞かないし、彼も話さない。
彼と二人きりになれる時だけ、私は彼と恋人になり、愛し合えばいいと思っている。

彼とこのような関係になってから、じょじょに私の心境に変化が起こり始める。
家庭を顧みず、仕事に没頭し、出世や地位のために生きる事が全てではないと思い始めた。

以前は職業柄、妻に身だしなみ等などを強要したりして、妻との喧嘩も絶えなかった。娘がいるのと、出世に響くから、離婚までにはならなかったけど、だんだんと家族との会話が無くなっていった。私も仕事に忙殺されていたと言うのもあるが、家にも帰らなくなり、家族間との距離が開いていた。

でも彼との出会いにより、自分らしく生きる事を見出し、仕事も控えめになり、休日もきちんととるようになり、家族との会話を少しずつ増やし、ジムに通い運動するようになった。それから隠れてだが、彼を意識して肌の手入れをするようになった。

彼は色気のある男性が好みだ。私は自分でもわかるくらい肌が白く、産毛が目立たない方だ。子供の頃は女性みたいだと気にする事はあったが、今では彼が綺麗だと言ってるくれるし、色気あるこの体に感謝しているが満足はしていない。
40代後半の中年だし、腹が出てないか、白髪はないかとか、ムダ毛はないかと気にしたりもして、ムダ毛処理もしたりしている。

ジムに通うのもただ単に健康のためでなく、セックスのためでもある。
彼は抱く側であり、精悍な体つきをしている。彼はセックスの時、「セックスには体力が必要だから」と言うのが口癖だ。

抱く側の彼はさまざまなやり方で攻めてきて、抱かれる側の私はそれを受け止める。
常に攻める彼は体力を使うと言うのもわかる。でも私も彼の行為を受け止めるために、体力が必要なのだ。体力なければすぐに果ててしまい、彼との行為の時間も短くなってしまう。だからこそ彼の思いをより長く受け止めるためでもある。

それにセックスもコンディションがよくなければできない。何事でもそうだが、心と体に余裕があるからこそ、仕事や恋愛や家族サービスにも取り組める。
セックスもそうだ。愛を求めあうには、体だけ繋がるだけでなく、心も繋がっていく。
どちらかが欠けていれば、セックスは成立しなくなる。

彼とは頻繁に会えるわけではないが、彼をいつでも受け入れられるよう、常に万全の準備をしているのだ。誰かに言われたからではなく、自分で導き出したものだ。

私が仕事に没頭し、家庭を顧みず、さまざまな事を犠牲にしたのも、自分の性を封じ込めていたからかもしれないと思っても見た。
彼との出会いで色んな事の見方が変わり、気持ちに余裕が出てきた。だからこそ私にとって彼はかけがえのない存在である。

ある時、私は上司に呼ばれた。気持ちに余裕ができ、仕事も控えめになったのだが、出世にも興味をしめさなくなった。そんな私に地方への転勤が命じられた。役職は就くのだが、事実上の左遷で、出世コースから外れる事になる。

娘は大学に進学して家を出たし、大学は国立だし、学費の余裕もある。自分のやるべき事がある訳だし、気にする事もなかった。この事は妻に話すつもりだ。

私は家族にカミングアウトするつもりはないが、ある時妻のとある秘密を知り、これを機に、自分の事を切り出そうかと思うようになった。


妻の秘密をきっかけに
自分の性をカミングアウトをする決意をする。

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